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休業損害はいつもらえる?請求の流れや算定方法についても解説

執筆者 実成 圭司 弁護士

所属 埼玉弁護士会

皆さまのご相談内容を丁寧にお聞きすることが、より的確な法的サポートにつながります。会話を重ねながら、問題解決に向けて前進しましょう。
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・Indemnizaciones(Accidentes de tráfico, responsabilidad civil),
・Derecho de Familia(Divorcios, herencias…),
・Derecho Civil(Reclamaciones e Impagos, Consolidación de deudas, bancarrota) y etc.

この記事の内容を動画で解説しております。あわせてご視聴いただければと思います。

「休業損害はいつ加害者側から支払われるのか?」
「休業損害を受け取るまでの流れや計算方法について知りたい」

交通事故の被害に遭い、怪我の治療を続けている方の中には、このような疑問をお持ちの方もいると思います。

休業損害とは、交通事故による怪我が原因で仕事を休まざるを得なくなり、収入が減少した場合に、その減収分について支払われる損害賠償のことをいいます。

交通事故によって発生する損害にはさまざまなものがあり、休業損害のほかにも、治療費や傷害(入通院)慰謝料などが含まれます。

そして、休業損害は、これらの交通事故による損害額が確定した段階で、まとめて受け取ることが原則です。

本記事では、休業損害を受け取ることができるタイミングや、請求までの流れについて解説します。

なお、休業損害の具体的な内容や計算方法、請求するための要件については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

2021.12.31

交通事故による休業損害とは?計算方法と注意点を解説

本記事のポイント

  1. 休業損害は、原則として加害者側と示談が成立した後に支払われる
  2. 休業損害の請求にあたっては、被害者の就労形態(給与所得者、自営業者、主婦(主夫)など)によっては書類の提出が必要となる
  3. 休業損害の算定や請求にはさまざまな注意点があるため、不安や疑問がある場合には弁護士に相談・依頼することがおすすめ

1.休業損害を受け取ることができるタイミング

結論から述べると、休業損害は、加害者側との示談が成立した後に支払われるのが原則です。

休業損害は、交通事故による損害のうち、傷害に関する損害に含まれる項目です。

傷害に関する損害には、主に以下のようなものがあります。

傷害に関する損害項目

  • 怪我の治療費
  • 傷害(入通院)慰謝料
  • 入院雑費
  • 通院交通費
  • 休業損害 など

これらの損害は、怪我が完治するか、または症状固定になった時点で確定します。

そのため、休業損害も、原則としてこのタイミングで加害者側に請求することになります。

もっとも、実際に休業損害を含む賠償金が支払われるのは、加害者側との示談が成立した後になります。

そのため、治療が終了したからといって、すぐに休業損害が支払われるわけではないことには注意が必要です。

なお、加害者が任意保険に加入している場合には、その保険会社が示談交渉の相手方となり、休業損害を含む賠償金も当該保険会社から支払われることになります。

怪我の治療により実際に仕事を休んでおり、かつ、加害者側の保険会社が休業の必要性を認めている場合には、休業損害の先払い(内払い)を受けられることがあります。

保険会社が内払いに応じる場合には、必要書類を提出してから1~2週間程度で支払いを受けられるケースが多いです。

もっとも、内払いに応じるかどうかは保険会社の判断に委ねられており、必ずしも内払いを受けられるとは限りません。

そのような場合には、加害者側の自賠責保険に対して被害者請求を行うことで、休業損害の先払いを受けることができる場合があります。

示談成立前に休業損害を受け取りたい場合には、被害者請求の手続を検討するとよいでしょう。

加害者側の保険会社に対して休業損害の先払いを請求する際の流れや注意点については、以下の記事もご覧ください。

2022.05.31

休業損害は先払いしてもらえるのか?先払いを断られたときの対処法

また、自賠責保険に対して被害者請求を行う際の注意点などについては、以下の記事で解説しています。

2022.05.31

休業損害は自賠責保険に請求できる?休業損害の発生条件と計算方法

2.加害者側の任意保険会社に休業損害を請求する流れ

休業損害は、原則として、示談が成立した後に、ほかの損害項目とともに支払われるものです。

そのため、休業損害を受け取るためには、示談成立までの流れや各段階でのポイントを理解しておくことが重要です。

一般的には、以下の流れで対応を進めていきます。

加害者側の任意保険会社に休業損害を請求する流れ

  1. 怪我の治療
  2. 必要書類の収集
  3. 示談交渉
  4. 示談成立・示談金の支払

以下、順にご説明します。

(1)怪我の治療

まずは怪我の治療を行い、完治または症状固定となるまで治療を継続しましょう。

症状固定とは、一定期間治療を続けた結果、症状が一進一退となり、これ以上治療を続けても改善が見込めない状態をいいます。

完治または症状固定の診断が医師によってなされた時点で、損害賠償請求の対象としての怪我の治療は終了となります。

すなわち、この時点で、傷害に関する損害がすべて確定することになります。

なお、完治または症状固定の時期については、治療の経過などを踏まえて、医師が医学的に判断します。

加害者が任意保険に加入している場合、治療費については、保険会社が直接医療機関へ支払う「一括対応」が行われることがあります。

もっとも、むちうちや打撲などの比較的軽傷の場合、治療開始後数週間から数か月が経過した時点で、一括対応の打ち切りを打診されることがあります。

しかし、この打診に安易に応じて治療を中断してしまうと、その時点で治療が終了したものと扱われ、休業損害が減額されるおそれがあります。

十分な休業損害を受け取るためには、保険会社の判断を鵜呑みにせず、医師の指示に従って治療を継続することが重要です。

なお、むちうちの治療中に一括対応の打ち切りを打診された場合の対処法については、以下の記事も参考になります。

2022.03.30

むちうちの治療費の支払いを3か月で打ち切ると言われたら?対処方法を弁護士が解説

また、怪我が完治せず症状固定となった場合、残存する症状の内容によっては、後遺障害等級の認定申請を行うことも検討できます。

後遺障害等級の認定を受けると、傷害に関する損害に加えて、後遺障害慰謝料や逸失利益を請求できる可能性があります。

後遺障害の意義や後遺障害に関する損害項目については、以下の記事で詳しく解説しています。

2024.11.29

交通事故の後遺障害とは?認定の要件や等級、手続の流れを弁護士が解説

(2)必要書類の収集

休業損害を加害者側の保険会社に請求するためには、被害者の職業や就労形態に応じた書類の提出が必要になることがあります。

求められることのある主な書類は、以下のとおりです。

被害者の就労形態 休業損害の請求に必要な書類
給与所得者(アルバイト・パート含む) ・休業損害証明書
・事故前年の源泉徴収票
・医師の診断書 など
自営業者・個人事業主 ・前年度の確定申告書の写し
・支払調書
・帳簿・明細書
・医師の診断書 など
主婦(主夫) ・世帯全員が記載された住民票
・非課税証明書
・医師の診断書
・生活記録 など

給与所得者の場合、勤務先に作成してもらう休業損害証明書が不可欠です。

休業損害証明書は、示談交渉の前に保険会社から送付されることが一般的で、被害者自身が取り寄せる必要はありません。

もっとも、作成できるのは勤務先のみであるため、書式が届いたら速やかに作成を依頼しましょう。

また、休業損害の算定にあたっては、就労や収入を証明する資料も必要となります。

給与所得者であれば事故前年の源泉徴収票、自営業者や個人事業主の場合には、前年度の確定申告書によって就労や収入を立証します。

主婦(主夫)の場合には、賃金センサスを基礎として算定するため、定型的な収入証明書類はありませんが、専業主婦(主夫)であることを示す住民票や非課税証明書、休業の実態を示す生活記録などが求められることがあります。

このように、休業損害の請求に必要な書類は多岐にわたり、判断を誤ると支払いが認められないおそれもあります。

必要書類についてご不安がある場合には、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

休業損害証明書に関する詳しい解説は、以下の記事もご参照ください。

2022.04.25

休業損害証明書とは?休業損害証明書の書き方と休業損害の算出方法も紹介

2023.07.31

休業損害証明書は自分で記入してもいいの?会社に作成してもらえない場合の対処法

(3)示談交渉

示談交渉の開始にあたり、加害者側の保険会社から示談案が提示されます。

示談案には、発生した損害項目やその金額が記載されています。

もっとも、保険会社は賠償金額を抑えるため、低額な示談案を提示することが少なくありません。

示談内容を十分に検討せずに合意してしまうと、本来受け取れるはずの賠償金よりも低い金額で示談が成立してしまうおそれがあります。

特に休業損害については、減収の有無や休業の必要性を争われ、支払が否定されるケースもあります。

そのような場合には、収集した資料に基づき、減収が生じていることや休業の必要性があったことを、具体的に主張・立証することが重要です。

また、示談案の中に、本来請求できるはずの損害項目が含まれていないこともあります。

損害項目の漏れがある場合、受け取ることができる示談金も減少してしまうため、十分な賠償を受けるためには、抜け漏れなく請求をすることが大切です。

保険会社との示談交渉に関する注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。

2023.03.31

示談金は保険会社が払うのか?主な示談金の項目や示談の流れについても解説

(4)示談成立・示談金の支払

示談が成立すると、保険会社から示談書等の書面が送付されます。

内容に誤りがないことを確認したうえで、署名押印をして返送します。

返送後、1~2週間程度で、休業損害を含む示談金が支払われるのが一般的です。

なお、示談成立前に保険会社から休業損害の内払いを受けていた場合には、その金額が差し引かれて支払われます。

このように、内払い分と示談金を二重に受け取ることはできないことにも注意が必要です。

示談書の内容や注意点などについては、以下の記事も参考になります。

2025.01.31

交通事故の示談書を作成する際の注意点について弁護士が解説

3.休業損害の算定基準と算定方法

休業損害は、原則として「基礎収入日額×休業日数」によって算出されます。

基礎収入日額の考え方は、採用する算定基準によって異なります。

また、休業日数についても、怪我が完治するか、または症状固定に至るまでの期間が対象となり得ることにも注意が必要です。

休業損害の算定基準には、以下の3つがあります。

休業損害の算定基準

  1. 自賠責基準
  2. 任意保険基準
  3. 裁判所基準

以下、それぞれの算定基準について解説します。

(1)自賠責基準

自賠責基準は、自賠責保険から支払われる保険金の算定に用いられる基準です。

先にご説明した被害者請求によって支払われる休業損害は、この基準に基づいて算出されます。

具体的な算定方法は、以下のとおりです。

自賠責基準による算定式

  • 6,100円×休業日数

自賠責基準の特徴は、被害者の職業や実際の収入金額にかかわらず、基礎収入日額が一律に定められている点にあります。

もっとも、実際の収入が基礎収入日額よりも高いことを証明できる場合には、日額1万9000円を上限として算定されることもあります。

自賠責保険は、交通事故の被害者に対して、最低限度の補償を確保することを目的としている制度です。

そのため、3つの算定基準の中では、最も低額な水準となることにも注意が必要です。

(2)任意保険基準

任意保険基準は、加害者側の保険会社が独自に用いている算定基準です。

具体的な算定方法は公表されていませんが、概ね自賠責基準と同等か、またはそれをやや上回る水準となることが一般的です。

加害者側の保険会社から最初に提示される示談案は、通常、この任意保険基準に基づいて算定されています。

そのため、保険会社の提示内容を十分に検討しないで、そのまま示談に応じてしてしまうと、本来受け取れるはずの金額よりも低い示談金となってしまう可能性があります。

提示された金額に少しでも疑問や不安がある場合には、示談に応じる前に、弁護士に確認することをおすすめします。

(3)裁判所基準

裁判所基準は、過去の裁判例をもとにした算定基準であり、主に裁判所や弁護士が裁判や示談交渉において用いる基準です。

裁判所基準では、基礎収入日額について、被害者の職業や収入状況に応じた算定方法が採用されている点が特徴です。

そのため、3つの算定基準の中では、被害者の実際の収入を最も反映しやすい基準であるといえます。

なお、被害者自身が裁判所基準に基づいて休業損害を算定し、加害者側の保険会社と交渉すること自体は可能です。

しかし、保険会社が被害者本人との交渉で裁判所基準による支払に応じることはほとんどありません。

一方で、弁護士が代理人として示談交渉を行う場合には、裁判所基準を前提とした金額での合意に至るケースがほとんどです。

そのため、裁判所基準による休業損害の請求を行うためには、弁護士に示談交渉を依頼することが有効といえます。

裁判所基準に基づく職業別の算定方法については、以下の記事もあわせてご参照ください。

2025.04.01

休業損害とは?職業別の計算方法や請求の注意点も解説

4.休業損害について弁護士に相談するメリット

休業損害は、交通事故の怪我によって減少した収入を補填するものであり、被害者の生活に直結する重要な損害項目です。

そのため、休業損害については適切に算定し、十分な金額を請求・受領することが重要といえます。

もっとも、休業損害の算定や請求にあたっては、押さえておくべきポイントが多く、正しい対応をしなければ、本来受け取れるはずの金額よりも低い金額しか支払われなかったり、休業損害そのものの支払が認められなかったりする可能性があります。

そのため、休業損害の算定や請求に不安がある場合には、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に相談することで、主に以下のようなメリットがあります。

休業損害について弁護士に相談するメリット

  1. 請求に必要な書類の収集についてサポートを受けられる
  2. 休業損害の適切な計算を任せることができる
  3. 加害者側の保険会社との交渉を一任できる

順に見ていきましょう。

(1)請求に必要な書類の収集についてサポートを受けられる

休業損害を請求するためには、さまざまな書類を提出する必要があります。

そして、必要となる書類は、被害者の職業や働き方によって異なります。

そのため、専門的な知識や経験がなければどの書類をどの程度揃えればよいのかを判断することが難しい場合も少なくありません。

弁護士に相談することで、どのような書類が必要となるのか、どの書類が特に重要なのかについて、事前に具体的な説明を受けることができます。

また、書類の収集や整理についてもサポートを受けることができるため、示談交渉に向けた準備をスムーズに進めることにもつながります。

(2)休業損害の適切な計算を任せることができる

休業損害の金額は、採用する算定基準によって大きく異なります。

また、実際に休業した日数のすべてがそのまま認められるわけではなく、休業の必要性及び相当性が認められる範囲に限って請求できる点にも注意が必要です。

このように、休業損害を算定する際には、算定基準の選択や基礎収入日額の考え方など、専門的な知識が求められます。

特に裁判所基準に基づく算定では、職業ごとの基礎収入の考え方や提出資料の内容や評価方法などが複雑であり、被害者自身で計算を行うことが難しいケースが少なくありません。

また、被害者自身が保険会社と交渉を行う場合には、裁判所基準による休業損害の支払を受けることは困難です。

交通事故の対応に精通した弁護士であれば、裁判所基準に基づく休業損害の算定についてもポイントを熟知しています。

そのため、適切な金額の算定から請求までを一任することが可能です。

(3)加害者側の保険会社との交渉を一任できる

弁護士に相談・依頼することで、保険会社との示談交渉を任せることができます。

交通事故によって発生する損害項目は、休業損害だけではありません。

一方で、保険会社が提示する示談案には、被害者に生じている損害のすべてが記載されているとは限りません。

示された示談案の損害項目に誤りや不足がある場合には、被害者が損害項目の追加や損害額の修正を主張・立証する必要があります。

もっとも、示談交渉の経験がなければ、どのように主張すべきかを判断することは容易ではありません。

弁護士に示談交渉を依頼することで、休業損害を含む各損害の主張・立証を一任することができます。

また、保険会社から休業の必要性がないとか減収が認められないなどの主張がなされた場合でも、適切に反論を行うことで、休業損害の支払が認められる可能性が高まります。

まとめ

本記事では、休業損害が支払われるタイミングや請求までの流れについて解説しました。

休業損害は、怪我の治療が完治または症状固定となった段階で請求することができますが、示談が成立した後に、ほかの損害項目とあわせて支払われることが一般的です。

また、休業損害の算定には、自賠責基準、任意保険基準、裁判所基準の3つがあり、どの基準を用いるかによって具体的な休業損害の金額には大きな差が生じます。

十分な金額の休業損害を受け取るためには、必要書類を適切に収集するなど、さまざまなポイントを押さえる必要があります。

そのため、休業損害の請求にあたって不安や疑問がある場合には、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士法人みずきでは、これまで多くの交通事故の案件に対応してきました。

経験豊富な弁護士が丁寧にお話を伺いますので、休業損害の請求についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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執筆者 実成 圭司 弁護士

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