後遺障害等級認定の被害者請求とは?メリット・デメリットと主な流れを解説

執筆者 大塚 慎也 弁護士

所属 埼玉弁護士会

弁護士相談は敷居が高い、そういう風に思われている方も多いかと思います。
しかし、相談を躊躇されて皆様の不安を解消できないことは私にとっては残念でなりません。
私は、柔和に皆様との会話を重ね、解決への道筋を示させていただきます。
是非とも皆様の不安を解消するお手伝いをさせてください。

「後遺障害等級認定の被害者請求とは何か」

「被害者請求をするメリットとデメリットは何なのか」

後遺障害等級認定の申請を検討している方の中には、被害者請求について調べている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、被害者請求のメリット・デメリットや主な流れについてご紹介します。

1.被害者請求とは

被害者請求とは、自動車損害賠償補償法16条を根拠に、事故の相手方が加入する任意保険会社を間に入れずに、加害者の自賠責保険へ保険金を直接請求する方法です。

被害者自身が後遺障害等級認定の書類を用意し、申請することになります。

交通事故の被害に遭い、後遺症が残ってしまった場合は、後遺障害等級認定を受けることで相手方に後遺障害慰謝料や逸失利益を追加で請求することができます。

交通事故被害者が後遺障害等級認定を申請する方法としては、被害者請求と事前認定の2つの手続があります。

被害者請求と事前認定の違いは、被害者自身が書類を用意して申請する(被害者請求)か、相手方の任意保険会社が手続を進める(事前認定)かという点にあります。

2.被害者請求のメリット・デメリット

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被害者請求にはメリットとデメリットがあります。

被害者請求と事前認定のどちらを選ぶか検討する際の参考にしてください。

(1)メリット

被害者請求の主なメリットは以下の3つです。

  1. 適切に等級認定を受けられる
  2. 自賠責部分の先払いを受けられる
  3. 手続に透明性がある

①まず、後遺障害等級認定は、原則として提出された書面の内容のみが審査の対象となります。

そのため、書類に記載された内容によっては、認定結果が変わってきます。

被害者請求では、被害者自身で現在の残存症状を証明するために必要・有効な証拠書類を揃え、提出できるため、後遺障害等級の認定に有益となる診断書や、医師の意見書等を提出することができます。

より具体的に後遺障害程度を証明することができるため、適切な等級認定を受けられる可能性が高いです。

②示談成立後にお金を受け取ることになる事前認定に対して、被害者請求では、後遺障害等級が認定された時点で自賠責保険の保険金を受け取ることができます。

後遺障害等級認定後、すぐにまとまったお金が入ると一旦経済的に余裕ができますので、納得できるまでじっくり示談交渉できるのは大きなメリットでしょう。

③手続に透明性がある点も魅力です。

事前認定の場合、任意保険会社は自賠責保険が定める必要最低限の書類を集めて提出するだけですので、相手方任意保険会社に手続を一任すると、適切な後遺障害等級が認定されないおそれがあります。

事前認定に比べ、被害者請求の方が透明性が高い手続といえるでしょう。

(2)デメリット

被害者請求のデメリットは主に2つです。

  1. 手続に手間がかかる
  2. 書類集めに費用がかかる

被害者自身が全ての手続を行わなければならないので、相応の手間がかかります。

また、必要な提出書類も多く、内容確認のための知識がなければ、結局十分に書類を集められなません。

さらに、全ての資料を揃えるのに時間と費用がかかることは避けられません。

このデメリットを解消するためには、専門家である弁護士に代理を依頼するのがおすすめです。

後遺障害慰謝料から弁護士費用を賄うことができるので、実際に手出しをすることはほとんどありません。

被害者請求を検討している方は、弁護士に相談してみましょう。

3.被害者請求の主な流れ

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被害者請求の流れについてご紹介します。

主な流れは以下のとおりです。

被害者請求の流れ

  1. 症状固定の診断を受ける
  2. 必要書類の収集
  3. 書類提出
  4. 認定結果の通知

どのような流れで進められるのかチェックしておきましょう。

(1)症状固定の診断を受ける

後遺障害等級認定の申請をするためには、後遺障害診断書が必要となります。

そのためには、通院を続けて担当医師から症状固定の診断を受けることが求められます。

症状固定とは、交通事故によって怪我をした場合に、一定期間必要な治療を行ったにもかかわらず、症状が一進一退となり、治療を続けても効果が認められない状態のことです。

症状固定の診断を受けると、担当医師に後遺障害診断書を作成してもらうことができます。

後遺障害診断書の内容によって認定結果が変わるので、具体的に症状を記載してもらうようにしましょう。

なお、以下の記事で後遺障害診断書の記載ポイントについてまとめているので、あわせてご確認ください。

後遺障害診断書での自覚症状の伝え方に要注意!押さえるべきポイント

(2)必要書類の収集

後遺障害診断書に加えて、必要な書類を揃えていきます。

被害者請求で主に必要な書類は以下のとおりです。

  • 後遺障害診断書
  • 自賠責保険金請求書
  • 交通事故証明書
  • 事故発生状況報告書
  • 診断書
  • 診療報酬明細書
  • 印鑑証明書
  • レントゲン・CT・MRI画像

また、追加で他の資料を求められる場合もあります。

適切な後遺障害等級の認定を受けるためには、後遺障害が交通事故によるものであることを医学的に証明することが求められます。

漏れのないように証拠書類を揃えましょう。

なお、不備がないか不安な方は、弁護士に相談することをおすすめします。

(3)必要書類の提出

必要書類を揃えたら、相手方の自賠責保険会社に提出しましょう。

提出した書類は、審査機関である損害保険料率算出機構に送付され、後遺障害等級の審査が行われるのが一般的です。

通常、後遺障害等級の認定までには1か月半~2か月程度かかります。遅くなる場合には、自賠責保険会社から遅れる旨の連絡も定期的に届きます。

認定結果が出たら、相手方の自賠責保険会社に通知されます。

(4)認定結果の通知

相手方の自賠責保険会社が審査機関から認定結果を受け取ったら、そこから被害者に認定結果が通知されます。

認定結果の通知のタイミングで、自賠責負担分の後遺障害慰謝料が支払われることが多いです。

自賠責負担分の後遺障害慰謝料の支払いを受けたら、相手方任意保険会社との示談交渉に移りましょう。

示談交渉においては、最も高額とされる示談金を受け取れる弁護士基準で相手方と交渉することが望ましいです。

弁護士基準は弁護士に依頼することで適用されるものになりますので、まずは弁護士にお気軽にご相談ください。

詳細は以下の記事で紹介しておりますので、合わせてご確認ください。

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まとめ

後遺障害等級認定の申請をする場合は、被害者請求をおすすめします。

被害者請求は、被害者自身が手続をしなければならないため、手間がかかるのは事実ですが、適切な等級認定を受けることができ、自賠責負担分の後遺障害慰謝料の先払いを受けられるなどメリットが大きいです。

手続にかかる手間は弁護士に依頼すれば解消することができるので、後遺障害等級認定申請に関して弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士法人みずきでは、後遺障害等級認定申請に関する相談を無料で受け付けておりますので、被害者請求を検討している方はお気軽にご相談ください。

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執筆者 大塚 慎也 弁護士

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