通勤途中・仕事中の交通事故に遭った場合は、どの保険を使えばいい?

他のコラム(病院への通い方~健康保険と使うべき?~)で、「“過失割合”が問題となる場合には、ぜひ健康保険を使って通院なさってください。」とお話しましたね。

ですが、1つ気をつけていただきたいことがあるんです。

それは、“通勤途中やお仕事中”に交通事故に遭ってしまった場合には、健康保険ではなく“労災保険”を使っていただきたいということです。

労災保険は業務上の怪我や病気に対して、健康保険は仕事とは関係のない怪我や病気に対して保険給付を行うことをそれぞれ目的としており、労災保険と健康保険とは明確な住み分けがなされているからです。

労災保険を使うと、実はお客様にとっていいことがあります。

例えば、治療費については、相手方保険会社が治療費の内払い対応しているときと比べると対応が緩やかです。

原則、医師が治療が必要だと判断しているうちは、治療費の補償を受けることができます。

また、交通事故の怪我のために休業された場合は、休業損害額の20%にあたる“休業特別支給金”がもらえます。

この休業特別支給金は、「損害の填補」の目的でもらうものではないので、その後に相手方保険会社から休業損害を賠償してもらうときに「20%は既に損害が埋まっていますよね」と言われて差し引かれることはありません。

つまり、相手方保険会社が休業損害を100%支払ってくれた場合には、お客様のところには休業特別支給金と合わせて休業損害額の120%が払われることになるのです。

ただし、労災保険で労災指定病院以外へ通院される場合、治療費は一度ご本人で立て替えていただいてから労災へ請求して支払われるという流れになります。

そして、最初の申請からお金が支払われるまでに通常1ヶ月半ほどかかります。

2回目以降は申請してから2週間程度でお金が支払われることが多いですが、最初の申請では、「その事故が労災保険を使えるものなのか」を調査するために時間がかかるのです。

また、“通勤途中やお仕事中”の交通事故でも、相手が自動車の場合は、相手の自賠責保険に治療費等を請求することができます。

ただし、二重取りはできませんので、労災か自賠責かどちらかを先行させることになりますが、事案によって、労災申請を先行すべきか、自賠責への請求を先行すべきかが異なってきます。

さて今回は、労災だの、健保だの、自賠責だのとややこしいお話をしてしまいましたね。

交通事故には様々な保険制度が絡んできますので、それぞれの保険をよく理解して、状況に応じた選択をしてくことが重要になってきます。

突然事故に遭いお怪我を負ってしまった上に、ややこしい保険のことまで考えるのは大変なご負担だと思います。

そんなときは、ぜひ当事務所へご相談ください。お客様が最良の選択を行えるようにお手伝いさせていただければと思っております。

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