自己破産で友人からの借金を隠すとどうなる?手続に与える影響や対処法
「自己破産を申し立てる際には友人からの借金も申告する必要がある?」
「友人に迷惑をかけたくないことを理由に借金を隠すとどうなるのか」
借金の返済ができなくなり、自己破産を行うことを検討されている方の中には、友人からの借金が手続の中でどのように扱われるのかについて疑問をお持ちの方もいると思います。
自己破産は、借金の返済が困難であることを裁判所に申し立て、裁判所から免責許可決定を受けることで、税金の支払義務などの一部を除く債務の返済義務を免除してもらう手続です。
そして、友人からの借金についても免責の対象となるため、自己破産を行い、裁判所から免責許可決定を受けることで返済義務が免除されます。
しかし、友人に迷惑をかけたくないという理由から、友人にお金を借りているという事実を裁判所に申告せずに隠してしまうと、手続に重大な影響を及ぼす可能性があります。
本記事では、自己破産の手続と友人からの借金の関係性や友人からの借金の事実を隠すリスクなどについて解説します。
自己破産の手続の種類や流れ、手続に要する期間の目安については、以下の記事もあわせてご覧ください。
1.自己破産手続と友人からの借金の関係

裁判所に自己破産の申立てを行い、免責許可決定を受けることで、税金の支払などの一部の債務を除いて、すべての借金の返済義務が免除されます。
免責の対象となるものには、銀行や消費者金融、クレジットカード会社などの法人からの借入れだけでなく、友人や親族、知人などの個人からの借金も含まれます。
そのため、裁判所から免責許可決定を受けることで、友人からの借金も返済する必要がなくなるのです。
なお、自己破産を申し立てる場合には、すべての債権者と債務額について記載した「債権者一覧表」という書類を作成し、裁判所に提出することが求められます。
そして、友人から借金がある場合には、その金額の多寡によらず、債権者一覧表に記載したうえで裁判所に提出・申告しなければなりません。
裁判所は、債権者一覧表に記載された債権者や債務額を基準として免責の対象を把握・調査を行います。
また、預金通帳などの入出金記録などから、お金の動きもほぼ正確に裁判所に把握されることになります。
そのため、裁判所への申立ての際に友人からの借金を申告しなかったとしても、通帳などに記載されているお金の動きから隠している借金があることが発覚することが多いです。
このように特定の債権者や債務額を記載しなかった場合、手続の進行に影響を与えることがあるため、注意が必要です。
友人から借金がある場合でも、その事実を裁判所や弁護士に隠してはいけません。
どのようなリスクがあるのかについては、次項で詳しく解説します。
なお、自己破産の申立てに必要な書類や資料の概要や作成の注意点などについては、以下の記事もご覧ください。
また、自己破産の申立人について行われる調査の内容や範囲については、以下の記事も参考になります。
2.友人から借金をしている事実を隠すリスク

上記で述べたように、友人からの借金も自己破産の免責対象となります。
そのため、申立人が免責許可決定を受けた場合には、その友人は貸し付けたお金を回収することができなくなってしまいます。
しかし、友人に迷惑をかけたくないという理由から友人にお金を借りている事実を申告しなければ、以下のような不利益を受ける可能性が高いです。
- 隠した借金については免責の対象外となる
- 他の借金についても免責許可決定を受けることができない可能性がある
- 刑事罰を科される可能性がある
友人からの借金を申告せずに隠してしまうと、借金問題を解決することができないリスクがあるため、そのような対応を行ってはいけません。
(1)隠した借金については免責の対象外となる
先ほども述べたように、友人から借金がある場合には、金融機関などの法人からの借入れと同様に債権者一覧表に記載して破産申立をする必要があります。
しかし、友人に迷惑をかけたくないという理由から、意図的に債権者一覧表に記載しなかった場合には、その友人からの借金は免責の対象外となってしまうことに注意しましょう。
債権者一覧表に記載された債権者には、手続の中で意見を述べる機会が保障されます。
申立人が免責許可決定を受けると、その債権者は申立人(債務者)に貸し付けたお金を回収できなくなるという不利益を受けるため、そのような機会が保障されているのです。
しかし、債権者一覧表に記載されなかった債権者については、そのような機会が保障されないため、債権者保護という観点から免責の対象外とする取扱いがされています。
したがって、友人からの借金を裁判所に申告しなかった場合には、自己破産を行い免責許可決定を受けたとしても、返済義務が残ってしまうことに注意が必要です。
なお、債権者一覧表に記載しなかった債務については、「非免責債権」と呼ばれており、ほかにもいくつかの分類があります。
非免責債権に該当するものについては、たとえ破産申立をして無事免責許可決定を受けることができたとしても、支払義務を免れることができないことにも注意しましょう。
非免責債権の種類や取扱いについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
(2)他の借金についても免責許可決定を受けることができない可能性がある
友人からの借金を裁判所に申告しなかった場合、非免責債権に該当するだけでなく、免責不許可事由に該当する可能性があります。
免責不許可事由とは、破産法に定められており、裁判所が免責許可を与えない事由のことをいいます。
そして、友人からの借金を申告しない行為は、免責不許可事由の中でも、以下のようなものに該当する可能性があります。
- 虚偽の債権者名簿を提出したこと(破産法252条1項7号)
- 裁判所の調査において説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと(同8号)
免責不許可事由に該当すると裁判所が判断した場合、友人からの借金だけでなく、ほかの借金についても返済義務の免除を受けることができません。
そのため、自己破産を行ったとしても、返済を続けることを余儀なくされてしまうのです。
このように、友人からの借金を裁判所に申告しない行為は、手続に重大な影響を与えることになります。
なお、このような影響を回避するために自己破産の準備中などに友人の借金のみを優先的に返済することもしてはいけません。
特定の債権者のみに返済する行為も偏頗弁済として、免責不許可事由に挙げられているからです。
自己破産の手続は裁判所の関与のもとに進行するため、「債権者平等の原則」という考え方が強く要請されます。
債権者平等の原則とは、手続の中ですべての債権者が平等に扱われるという考え方です。
そして、特定の債権者のみに返済を行うことは、ほかの債権者との間の公平を損なう行為であるため、免責不許可事由として禁止されています。
自己破産を行う場合には、友人から借金があったとしても、優先的に返済せずに正直に裁判所や弁護士に説明することが求められることを押さえておきましょう。
免責不許可事由に該当する事由については、以下の記事でも解説しています。
なお、特定の債権者のみに返済(偏頗弁済)を行ったことが判明した場合には、破産管財人によって返済の効力が否定される(否認権が行使される)可能性が高いです。
破産管財人が自己破産の手続で果たすべき役割や否認権の内容については、以下の記事もあわせてご覧ください。
(3)刑事罰を科される可能性がある
友人からの借金などの特定の債務について裁判所に申告しなかったり、優先的に返済したりすると、場合によっては「詐欺破産罪」が成立する可能性があります。
裁判所が特に悪質性が高いと判断した場合には、刑事罰の対象となり、罰金などが科されてしまうこともあるため、注意しましょう。
3.自己破産以外の解決方法

自己破産を行うことで、友人からの借金についても免責の対象となるため、その友人への影響を避けることはできません。
借金をしている友人に対する影響を最小限に抑えたい場合には、自己破産ではなく任意整理を行うことも選択肢として挙げられます。
任意整理とは、債権者と直接交渉を行い、将来的に発生する利息のカットや長期の返済スケジュール(概ね5年程度)について交渉をして合意し、その合意に基づいて返済を行う手続です。
自己破産とは異なり、返済義務の免除を受けることはできません。
しかし、ある程度の収入がある場合には、利息のカットと長期分割返済により、月々の返済負担を軽減しながら完済を目指すことができます。
また、任意整理には、手続の対象とする債務(債権者)を債務者が任意に選ぶことができるという特徴があります。
これによって、友人からの借金については任意整理の対象から除外し、その借金についてはこれまでと同じように返済を続けることが可能です。
任意整理を行うことで、友人には迷惑をかけずにそのほかの借金問題を解決できる可能性があるといえます。
もっとも、自己破産とは異なり、返済を継続しなければならないため、一定の収入があることが任意整理を行うための前提となります。
また、任意整理に応じるかどうかは債権者次第であるという側面もあり、債権者が交渉に応じない場合には任意整理を行うことはできません。
さらに、将来利息のカットや返済スケジュールの再設定を行っても返済負担が軽減されないほど借入額が膨大な場合には、任意整理による解決が適していないこともあります。
このように、任意整理を行う際には、収入と借入額のバランスを見ながら、スケジュール通りに返済を行うことができるかどうかを見極める必要があります。
しかし、どのような方法によって借金問題を解決するのが最適なのかは、収入と借入総額のほかにも、生活や仕事などの事情によっても異なります。
ご自身だけでは判断がつかない場合には、まずは専門家である弁護士に相談することがおすすめです。
なお、任意整理の概要や手続の流れ、注意点などについては、以下の記事もあわせてご参照ください。
また、任意整理の対象となる債務の種類や手続の対象とする債務を選ぶ際の注意点などについては、以下の記事も参考になります。
4.債務整理について弁護士に相談するメリット

友人からの借金のほかにも、ローンや借入れがあり、返済が困難になっている場合には、債務整理を行うことで借金問題の解決を図ることが可能です。
債務整理には、自己破産のほかにも任意整理と個人再生という手続があります。
それぞれの手続には特徴やメリット・デメリットがあり、どの手続を選択することが最適であるかを判断することは難しいことも多いです。
しかし、どの手続を行うかについて悩み続けていると、借金問題を早期に解決することはできません。
ご自身にとって最適な解決方法が分からない場合には、まずは弁護士に相談することがおすすめです。
特に借金問題や債務整理に関する相談については、相談料を無料としている法律事務所が数多くあります。
そのため、無料で弁護士から専門的なアドバイスを受けることが可能です。
また、弁護士に相談することで、以下のようなメリットがあります。
- 収入や借入状況に応じた解決方法の提案を受けられる
- 手続を依頼することで返済を停止できる
- 手続の準備や進行についてサポートを受けることができる
順にご説明します。
(1)収入や借入状況に応じた解決方法の提案を受けられる
債務整理には自己破産以外にも任意整理と個人再生があります。
そして、どの手続を行うことが適しているかについては、現在の収入や借入総額、生活への影響などを総合的に考慮したうえで決める事柄です。
弁護士に相談することで、どの手続を行うことが適してるのかについてアドバイスを受けることができます。
例えば、任意整理と個人再生では返済負担が軽減されるものの、債権者との合意や再生計画に基づいた返済を行う必要があります。
また、任意整理では5年程度で完済することが難しい場合には、手続を行うことが適していない可能性があります。
個人再生では住宅ローンを除く借金の総額が5000万円を超える場合には行うことができません。
これに対して、自己破産では全ての返済義務が免除されるものの、住宅や車などの一定額以上の財産を所有している場合には、手続の中で換価処分が行われ、債権者に配当されてしまいます。
そのため、自己破産を行うと、住宅や車などについては手放さなければならない可能性が高く、生活や仕事などに影響が生じるケースがあります。
このように、それぞれの手続ごとに特徴があり、どの手続を行うことが適しているかを判断することは容易ではないことが多いです。
しかし、債務整理の手続に慣れた弁護士に相談することで、一人ひとりの状況に応じた解決方法の提案を受けることができ、借金問題を解決することにつながります。
(2)手続を依頼することで返済を停止できる
弁護士に相談の上で債務整理の手続を依頼すると、依頼をした時点で債権者への返済を停止することができます。
これは、弁護士に手続を依頼することで、債権者に対して受任通知が送付されるからです。
債権者が受任通知を受け取ると、それ以降は債務者に対して直接督促や取立てを行うことが法的に禁止されます。
これによって、手続が完了するまでは返済を行わなくてもよい状態になり、手続の準備を落ち着いて進めていくことが可能です。
なお、債務整理を弁護士に依頼した場合には、弁護士費用が必要となります。
また、自己破産と個人再生は、どちらも裁判所を通して行う手続であるため、弁護士費用とは別に裁判所へ納める費用も必要となります。
しかし、受任通知が送付されることによって、今まで返済にあてていたお金を毎月積み立てることができ、弁護士費用や裁判所費用を無理なく捻出することが可能です。
特に弁護士に手続を依頼した場合には、債務整理を行うために必要となる費用の積み立てについてもサポートを受けることができる点がメリットといえます。
(3)手続の準備や進行についてサポートを受けることができる
弁護士に手続を依頼することで、手続の準備や手続の進行についてサポートを受けることが可能です。
任意整理の場合には、手続に必須の書類や資料はありませんが、債権者との交渉が必要となります。
また、個人再生と自己破産の場合には、裁判所に申立てを行う際に必要書類をあらかじめ作成・収集した上で提出することが求められます。
このほか、個人再生と自己破産では、裁判所とのやりとりが必要になる場面もあります。
このように、手続によっても準備や進行について注意すべきポイントはさまざまです。
債権者や裁判所への対応を誤ると、手続が失敗してしまうリスクもあるため、適切な対応をしながら進めることが重要です。
弁護士に手続を依頼することで、手続が頓挫してしまうリスクを回避して進めることができます。
まとめ
本記事では、自己破産を行う際に、友人からの借金を裁判所に申告しないリスクについて解説しました。
友人などの特定の人からの借入れを裁判所に申告しなかった場合には、自己破産を行っても免責許可を受けることができない可能性があります。
また、お金を借りている家族、親族、友人、知人に迷惑をかけたくないという理由から、手続の準備中や手続中に優先的に返済してしまうことも避けなければなりません。
このように、自己破産を行う際には、多くの注意点を守っていくことが必要になります。
また、債務整理には自己破産以外の手続もあり、収入や資産、借入などの状況によっては自己破産以外の手続で解決を図ることが望ましいケースもあります。
自身にとってどのような解決方法が適しているのかについて判断が難しい場合には、まずは弁護士に相談することがおすすめです。
弁護士法人みずきでは、債務整理に関する相談を無料で受け付けておりますので、自己破産を行うべきか不安や悩みがある方はお気軽にご相談ください。
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