自己破産後は10年経過しないとローンを組めない?ローン回復後の注意点

執筆者 大塚 慎也 弁護士

所属 第二東京弁護士会

弁護士相談は敷居が高い、そういう風に思われている方も多いかと思います。
しかし、相談を躊躇されて皆様の不安を解消できないことは私にとっては残念でなりません。
私は、柔和に皆様との会話を重ね、解決への道筋を示させていただきます。
是非とも皆様の不安を解消するお手伝いをさせてください。

「自己破産をすると10年間はローンを組めないのか」
「自己破産から10年経ったあとにローンを組むにはどうしたらいいのか」

自己破産を検討している方の中には、ローンを組みたいと考えている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、自己破産からローンを組めるようになるまでの期間や信用情報回復後にローンを利用する際の注意点等についてご紹介します。

なお、自己破産の手続に関しては以下の記事にまとめているので、あわせてご確認ください。

2022.11.30

自己破産の手続の主な流れと期間とは?手続中に注意すべきこと

1.自己破産後ローンを組めるようになるまでの期間

自己破産後ローンを組めるようになるまでの期間

自己破産をすると、信用情報機関に事故情報が登録され、信用情報が回復しない限りローンを利用することができません。

一般的には自己破産から10年経過しないとローンを利用できないといわれていますが、厳密に言うと信用情報機関によって登録機関が異なります。

必ずしも10年経過しないとローンを組めないわけではなく、あくまで目安として捉えるようにしましょう。

2.信用情報機関の種類と事故情報の登録期間

信用情報機関の種類と事故情報の登録期間

信用情報機関の種類と事故情報の登録期間についてご紹介します。

自身の信用情報を確認する方法も踏まえて説明するので、参考にしてみてください。

(1)信用情報機関の種類

信用情報機関は主に3つです。

信用情報機関 特徴
株式会社シー・アイ・シー(CIC) クレジットカード会社が主に加入
株式会社日本信用情報機構(JICC) 消費者金融が主に加入
全国銀行個人信用情報センター(KSC) 銀行、信用金庫、信用保証協会などが主に加入する

一概には言えませんが、基本的には借入先によって事故情報が登録される信用情報機関が決まります。

たとえば、クレジットカード会社のカードローンを対象に自己破産をする場合は、CICに事故情報が登録される可能性が高いです。

事故情報が登録される可能性が高い信用情報機関を確認しておきましょう。

(2)事故情報の登録期間

事故情報の登録機関は、信用情報機関ごとに定められています。

信用情報機関 事故情報登録期間
株式会社シー・アイ・シー(CIC) 免責許可決定確定日から5年
株式会社日本信用情報機構(JICC) 免責許可決定確定日から5年
全国銀行個人信用情報センター(KSC) 手続開始決定日から10年

一般的には自己破産をしてから10年と言われていますが、CICとJICCに関しては免責許可決定が確定した日から5年経過すれば、事故情報が削除されます。

ただし、一部の信用情報機関から事故情報が削除されたとしても、各信用情報機関は信用情報を共有しているため、すべての信用情報機関から事故情報が削除された際にローンを組めるようになります。

なお、以下の方法で自身の信用情報を確認できます。

信用情報機関 情報開示請求の方法 開示請求手数料
CIC インターネット、郵送、窓口で受付 インターネット・郵送:¥1000
窓口:¥500
JICC インターネット、郵送、窓口で受付 インターネット・郵送:¥1000
窓口:¥500
KSC 郵送のみ受付 ¥1000

各信用情報機関に確認して、事故情報が削除されていることが判明したら、ローンの利用を検討しましょう。

3.信用情報が回復した後にローンを利用する際の注意点

信用情報が回復した後にローンを利用するときの注意点

信用情報が回復したからといって、確実にローンを利用できるとは限りません。

ローンの申請をする上で、以下の点に注意することが大切です。

  1. 頭金を用意しておく
  2. 自己破産先以外の金融機関を利用する
  3. 収入を安定させておく

ローンの審査を通過できるように、これらのことを意識しましょう。

(1)頭金を用意しておく

まずは、頭金を用意することをおすすめします。

頭金を用意することで、融資額も少なくなるため、完済までの期間が短くなり、審査に通る可能性が上がるのです。

返済負担が収入の20%程度になるように頭金を用意することで、余裕のある返済プランを立てやすくなります。

自己破産によって債務がなくなった上で、ローンによる返済義務が再度生まれるので、同じ失敗を繰り返さないように余裕をもって返済できるようにしましょう。

(2)自己破産先以外の金融機関を利用する

自己破産先以外の金融機関を利用するのが鉄則です。

信用情報機関から事故情報が削除されていれば、新規の金融機関に自己破産をした事実を知られることはありません。

過去の自己破産を理由に審査を落とされることはないので、新規の金融機関でローンの申請をしましょう。

(3)収入を安定させておく

収入を安定させておくこともポイントです。

ローンの審査に通るためには、安定した返済能力が求められます。

返済能力が低ければ、高額な融資を受けることが難しくなるため、家や自動車をローンで購入したい方は、正社員として収入を安定させておきましょう。

4.10年経過後もローンが組めないケースとは

10年経過後もローンが組めないケースとは

自己破産から10年経過してもローンが組めないケースがあります。

それは、自己破産前の借入先及び系列会社にローンの申請を行っている場合です。

各金融機関は独自に事故情報を管理しているため、たとえ信用情報機関から事故情報が削除されていても、自己破産の対象となった金融機関の審査に通ることは極めて難しいでしょう。

高い確率で審査に通らないので、はじめから別の金融機関にローンの申請をすることをおすすめします。

まとめ

自己破産から10年経過すれば、原則ローンを組むことができます。

自己破産からある程度年月が経過したら、信用情報機関に開示請求して、自身の信用情報を確認することをおすすめします。

信用情報が回復していることを確認したら、新規の金融機関に対してローンの申請をしましょう。

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執筆者 大塚 慎也 弁護士

所属 第二東京弁護士会

弁護士相談は敷居が高い、そういう風に思われている方も多いかと思います。
しかし、相談を躊躇されて皆様の不安を解消できないことは私にとっては残念でなりません。
私は、柔和に皆様との会話を重ね、解決への道筋を示させていただきます。
是非とも皆様の不安を解消するお手伝いをさせてください。