自己破産手続をした場合に預金口座から現金の引き出しができるの?

執筆者 大塚 慎也 弁護士

所属 第二東京弁護士会

弁護士相談は敷居が高い、そういう風に思われている方も多いかと思います。
しかし、相談を躊躇されて皆様の不安を解消できないことは私にとっては残念でなりません。
私は、柔和に皆様との会話を重ね、解決への道筋を示させていただきます。
是非とも皆様の不安を解消するお手伝いをさせてください。

「自己破産手続を取った場合、預金口座から引き出せるのか」
「自己破産手続を取る場合に口座関係で何をしておくべきなのか」

自己破産を検討している方の中には、自己破産手続をとった場合に預金口座がどうなるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、自己破産手続を取る場合に、預金口座について気を付けておくべきポイントをご紹介します。

1.自己破産手続を取った場合、預金口座から引き出せるのか

依頼を受けた弁護士等が債権者である金融機関に債務整理の受任通知を送り、それが到達すると、依頼者は通常預金口座から現金を引き出せなくなります。

金融機関は債務整理の受任通知を受け取ると、預金口座の残高と借金を相殺するため、一時的に口座を凍結するのです。

口座が凍結されると、預金残高があっても自由にお金を引き出すことができません。

相殺後、凍結された口座は、凍結から約1~3ヶ月程度で解除され、その後は自由に引き出すことが可能です。

なお、借入先以外の金融機関の口座に関しては、自己破産をしても凍結されません。

2.全ての口座の預金・貯金額の合計が20万円以上の場合

東京地裁の場合、借入先とそれ以外の全ての口座の残高の合計が20万円以上のときは、破産手続開始決定後、預貯金口座は破産管財人の処分に委ねられます。

一方、全ての口座の残高合計が20万円未満のときは自由財産として扱われ、預貯金を手元に残すことができます。

3.自己破産手続きをとる前にしておく3つのこと

借入先である金融機関の預貯金口座に残高がある場合、預金口座関係でしておくべきことがいくつかあります。

特に押さえておくべきポイントは以下の3つです。

  1. 当面の生活費を引き出しておく
  2. 給与等の振込口座を変更する
  3. 引き落とし口座を変更する

どれも重要なことなので、忘れないように準備をしておきましょう。

なお、以下の記事で自己破産前に控えるべきことについてご紹介しているので、予備知識としてあわせて押さえておきましょう。

(1)当面の生活費を引き出しておく

まずは、凍結され、借入先の金融機関に相殺される前に預金を引き出しておきましょう。

現金99万円以内であれば、自由財産として手元に残すことができます。

ただし、必要以上に引き出すと、浪費や隠し財産を疑われる可能性がありますので、適切な方法で預貯金を引き出し、借入先でない金融機関の口座に移動するようにしましょう。

(2)給与等の振込口座を変更する

借入先の金融機関の口座に給与等の振込を行っている場合は、借入先でない金融機関の振込口座に変更しましょう。

借入先の金融機関以外の口座がない場合は、新規で借入先でない金融機関の口座を作成しておきましょう。

(3)引き落とし口座を変更する

給与等の振込と同様に、凍結される口座から何らかの引き落としが行われる場合も、借入先でない金融機関の口座に変更する必要があります。

たとえば、家賃や水道光熱費、スマホ代等は、毎月口座から引き落としが行われるのが一般的です。

口座が凍結されても問題なく引き落としができるように、引き落とし口座を別に設定しておきましょう。

まとめ

自己破産手続をとると、借入先の金融機関の預貯金口座は凍結されるので、一時的に引き落としができません。

借入先以外の金融機関の口座は凍結されないため、上記のように破産管財人に管理処分権が移る前であれば、問題なく引き出せます。

凍結される口座の残高が多い場合は、生活費程度であれば自己破産手続前に引き出したとして、破産管財人から指摘されることがあっても大きな問題にはなりません。

注意しなければならないのは、凍結される口座が振込口座や引き落とし口座となっている場合です。

入金や引き落としができないという状況を回避するために、事前に借入先でない金融機関の口座に変更しておきましょう。

自己破産手続は、預貯金に限らず、破産者のすべての財産を適切な方法で処分して、得られた金銭を債権者の間で平等・公平に分け合う手続です。

手続にあたっては、法的な専門知識が不可欠となります。

専門家である弁護士にご相談ください。

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執筆者 大塚 慎也 弁護士

所属 第二東京弁護士会

弁護士相談は敷居が高い、そういう風に思われている方も多いかと思います。
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