自己破産をすると第三者に情報を照会される?

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執筆者 野沢 大樹 弁護士

所属 第二東京弁護士会

私は、法律とは、人と人との間の紛争、個人に生じた問題を解決するために作られたツールの一つだと考えます。法律を使って紛争や問題を解決するお手伝いをさせていただければと思いますので、ぜひご相談ください。

自己破産をすると、第三者の照会によりその情報が知られてしまうのではと不安になりますよね。

過去には破産者マップというものが存在しており官報掲載情報がまとめられていましたが、現在は破産者の情報は官報そのものにしか掲載されていません。一般の人は官報を目にする機会がほとんどないので、官報に掲載されることを必要以上に恐れる必要はありません。

この記事では官報の詳細、債務整理の事実が登録される信用情報機関についてご説明します。

1.破産者の情報を知る機会とは

破産者の情報を公表するものとして官報があります。

また、過去には破産者の情報が掲載された「破産者マップ」というサイトがありました。しかし、現在ではこれは閉鎖されています。

以下ではこれらについて詳しくご説明します。

(1)破産者マップは閉鎖されている

破産者マップは、後記の官報に掲載された破産者の情報をとりまとめてリスト化したほか、Googleマップの位置情報と住所を紐付けし、破産者の住所氏名を容易に閲覧できるようにしたウェブサイトです。

しかし、注目された結果プライバシー侵害等の批判が高まり、最終的に個人情報保護委員会からの行政指導が行われた結果、運営者により2019年3月に閉鎖されました。

破産者マップが閉鎖されたあとも、類似サイトや後継サイトが開設されましたがそれらも上記の行政指導の結果か閉鎖されています。

現在は破産者マップのようなサイトは存在していません。

(2)官報には自己破産者の情報が掲載される

官報とは、日本国が発行している機関誌であり、法令の公布や、公務員の人事異動といった国の行為についての広報や、各省庁、裁判所、会社の公告すべき事項が記載されています。

自己破産の場合にも公告事項が定められており、氏名や住所が官報に掲載されることになります。

なお、自己破産をした場合に官報に掲載されるのは以下のタイミングです。

自己破産における官報掲載のタイミング
  • 破産手続の開始が決定した時
  • 破産手続が終了した時


官報に破産者の情報が掲載されるようになっているのは、債権者を保護するという目的があります。

債務者が自己破産をし、免責許可決定を受けてしまうと、債務者の支払義務は免除され、債権者は債権を回収することができなくなります。

しかし、破産手続に参加していれば、債権者の財産を換価したところから配当を受けられる可能性があるのです。

債務者が自己破産を申し立てるとそのことは債権者に通知されます。

しかし、債務者が把握していない債権者がいた場合、その通知がされず、その債権者は破産手続に参加できないことになってしまいます。

このような債権者にも破産手続に参加する機会を与える必要があります。

そこで、破産手続の開始決定を公告事項として、官報に破産者の情報を掲載し、債権者の目に触れる機会を提供しているというわけです。

自己破産をすると戸籍や住民票に登録されると思っている方もいるかもしれませんが、自己破産の情報が官報以外の方法で公告されることはありませんのでご安心ください。

#1: 官報の情報を確認する方法

官報は以下の方法で確認することができます。

  • 紙媒体の官報
    各都道府県の県庁所在地に置かれている官報販売所で、誰でも紙媒体の官報を購入することができます。

    また、公立図書館の一部では官報を閲覧することができます。

  • インターネット版官報
    インターネット版官報は直近30日分の官報掲載情報を無料で閲覧することができます。日付やキーワードから検索する場合や、直近30日より前の官報掲載情報閲覧する場合は有料です。

#2: 官報によって自己破産したこと知られる可能性は低い

自己破産をすると官報に氏名や住所が掲載されますが、知人に自己破産したことを知られる可能性は低いといえます。

なぜなら、一般の人が官報を目にする機会はほとんどなく、官報の存在すら知らない人も多いからです。

官報を日常的に確認する可能性があるのは、金融機関や不動産業者、貸金業者などの担当者です。

官報は、行政機関の休日を除きほぼ毎日発行されており、破産者の情報も膨大です。よって、もし知人が官報をたまたま見たとしても、その中から特定の人間の情報を見つけ出す蓋然性はかなり低いといえるでしょう。

なお、官報を確認した人が自己破産者の情報をサイトで公開したり、周囲の人に言いふらしたりすれば、名誉毀損罪(刑法第230条)に該当する可能性があります。そのため、自己破産をした情報が不特定多数の人に知れ渡ることはないでしょう。

さらに、手軽なインターネット版官報でも、無料で閲覧できるのは直近30日分に限られ、日付やキーワード検索をする場合や、30日より前の情報を閲覧する場合はお金がかかります。一般の人がお金を払ってまで破産者の情報を調べるとは考えにくいです。

このような理由から、官報掲載が原因で知人に自己破産の事実を知られることはまずないといえます。

2.自己破産をしたことは信用情報機関に登録される

自己破産をしたことは信用情報機関に登録される

自己破産をした事実は信用情報機関に登録されます。

しかし、信用情報機関の登録内容は、官報のように一般に公開されるものではありません。

信用情報機関に自己破産の事実が登録されると、ローンが組めなくなったり、クレジットカードの利用ができなくなったりします。

ここからは信用情報機関とは何か、自己破産の情報が信用情報に登録されることへの影響などについてご説明します。

(1)信用情報機関とは

信用情報機関は、個人のクレジットやローンの契約内容、返済状況などの信用情報を管理および保有している機関です。日本には、株式会社シー・アイ・シー(CIC)、株式会社日本信用情報機構(JICC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)の3つの信用情報機関があります。

具体的には、以下の情報が信用情報機関に登録されています。

信用情報機関に登録される内容
  • 氏名、住所、生年月日
  • ローンやクレジットなどの申込情報、契約内容
  • ローンやクレジットなどの返済状況
  • ローンやクレジットなどの滞納情報、その他金融事故情報


金融機関や消費者金融は、個人から利用申込みがあった際に、加盟している信用情報機関に対して申込者の信用情報を照会します。信用情報は契約を締結するかの判断材料として使用されるのです。

(2)信用情報に事故情報が登録される影響

自己破産を含め、債務整理をした事実は信用情報機関に金融事故を起こした情報、すなわち事故情報として登録されます。信用情報に事故情報が登録されることを指して「ブラックリスト入り」と呼びますが、厳密には「ブラックリスト」というリストが存在するわけではありません。

信用情報に事故情報が登録されると、ローンやクレジットの申込みをしても、返済能力がないと判断され、審査で否決されてしまいます。

なお、三つの信用情報機関では、事故情報を共有する仕組みがあります。つまり、いずれかの信用情報機関に事故情報が登録されると、情報共有により他の信用情報機関に加盟している金融機関でもローン等の審査に通らなくなってしまいます。

自己破産をしたあとは、どの金融機関でも住宅ローンやマイカーローンが組めない、どのクレジット会社でもカードの新規契約ができないなどの影響を受けることになります。

(3)自己破産の情報が登録される期間

信用情報機関では永久的に事故情報が登録されるわけではありません。情報の保有期間を過ぎれば事故情報は削除されます。

自己破産の場合、5年~10年は信用情報に事故情報が登録されることになります。信用情報機関ごとの保有期間は以下のとおりです。

信用情報機関 破産情報の登録期間
CIC 免責許可決定を確認した加盟会社によるコメントが登録された報告日から5年以内
JICC
  • 破産申立ての日から5年を超えない期間(契約日が2019年9月30日以前)
  • 免責許可決定の日から5年(契約日が2019年10月1日以降)
KSC 破産手続開始決定日から10年を超えない期間

登録期間を過ぎれば事故情報は削除されるので、ローンやクレジットなどの審査への影響はなくなります。

3.信用情報は開示請求によって照会できる

信用情報は開示請求によって照会できる

信用情報機関の登録内容は、開示請求を行うことにより照会することができます。自己破産をしたあとに、事故情報が削除されているかどうか確認したいときは開示請求をしましょう。

なお、開示請求ができるのは原則として本人のみです。本人以外が開示請求をする場合は本人の委任が必要になります。

ここからは開示請求の手続方法を詳しく紹介します。

(1)開示請求ができるのは基本的に本人のみ

信用情報の開示請求ができるのは、プライバシーや個人情報保護の観点から原則として本人のみとされています。ただし、以下に該当する人は開示請求ができます。

  • 本人から委任された任意代理人
  • 親権者や成年後見人などの法定代理人
  • 本人が亡くなっている場合、法定相続人や配偶者または2親等以内の血族の人

このように開示請求ができるのは限られた人です。そのため、信用情報に載った自己破産の事実が第三者に勝手に閲覧されてしまうことはありません。

(2)開示請求の手続方法

信用情報の開示請求の手続は、インターネット、郵送、窓口のそれぞれの方法により行うことができます。

ただし、KSCは郵送のみでの対応となるので注意しましょう。

各信用情報機関の開示請求の方法や手数料は以下のとおりです。

信用情報機関 開示請求の手続方法 開示請求手数料
CIC インターネット、郵送、窓口 インターネット、郵送:1,000円
窓口:500円
JICC インターネット、郵送、窓口 インターネット、郵送:1,000円
窓口:500円
KSC 郵送 1,000円

開示請求の必要書類や手数料の支払方法などの詳細は各信用情報機関の公式サイトをご覧ください。

情報開示とは|指定信用情報機関のCIC
信用情報の確認 |日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
本人開示の手続き | 全国銀行個人信用情報センター | 一般社団法人 全国銀行協会

まとめ

自己破産者の情報を照会できるサイトは現在インターネット版官報のみです。しかし、官報は一般の人が見る機会はほとんどありません。仮に知人が官報を見たとしても、掲載される膨大な破産者情報の中から特定の一人の情報を見つけ出すのは困難です。

そのため、自己破産をしたとしても知人に知られる可能性は低いと言えます。

また、信用情報機関においても自己破産をした事実が登録されます。信用情報の登録内容は開示請求で閲覧できますが、基本的には本人しか照会できません。

自己破産をしても第三者にその事実を知られる可能性は低いので、その点については安心して手続を進めましょう。

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執筆者 野沢 大樹 弁護士

所属 第二東京弁護士会

私は、法律とは、人と人との間の紛争、個人に生じた問題を解決するために作られたツールの一つだと考えます。法律を使って紛争や問題を解決するお手伝いをさせていただければと思いますので、ぜひご相談ください。