免責不許可事由とは?自己破産で免責されないケース

執筆者 金子 周平 弁護士

所属 栃木県弁護士会

法律は堅苦しいという印象はあるかと思います。しかし、そんなイメージに阻まれて、皆さんの問題や不安が解決されないのは残念でなりません。
私は、そんな法律の世界と皆さんを、柔和に橋渡ししたいと思っています。問題解決の第一歩は、相談から始まります。
皆様が勇気を振り絞ってご相談をしていただければ、後は私どもが皆様の緊張や不安を解消できるよう対応し、法的側面からのサポートができればと思います。敷居はバリアフリーです。あなたの不安を解消するために全力でサポート致します。

「免責不許可事由に当たるのはどのようなケースか」
「免責不許可事由にはどのようなものがあるのか」

自己破産を検討している方の中には、免責不許可事由について調べている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、免責不許可事由の概要や主な免責不許可事由、免責不許可事由に該当していても免責されるケースについてご紹介します。

1.免責不許可事由とは

免責不許可事由とは

免責不許可事由とは、簡単に言うと、自己破産で免責が認められない事由のことです。

免責とは、債務が免除されることをいいます。

免責不許可事由に該当している場合は自己破産による免責を受けられない、つまり債務が免除されない可能性があります。

これから自己破産を検討している方は、まず免責不許可事由に該当していないかを確認してみましょう。

免責不許可事由に似た言葉に非免責債権がありますが、意味は異なります。

免責不許可事由は免責が認められない事由を指すのに対して、非免責債権は免責の効力が及ばない債権のことです。

つまり、債権者の債権が非免責債権に該当する場合は、免責許可が確定した後も、債務は免除されず、支払を免れることはできないのです。

たとえば、税金や人の生命身体という重大な法益を侵害する不法行為による損害賠償請求権などが非免責債権に該当します。

2.主な免責不許可事由

主な免責不許可事由

主な免責不許可事由についてご紹介します。

以下の要件に該当している場合は、免責が許可されないことがあります。

主な免責不許可事由

  • 浪費やギャンブル、投機的な行為が借金の原因である
  • 一部の債権者にのみに対して返済を行った
  • 財産を隠したり、毀損したりした
  • 破産申立ての1年前から破産開始決定の日までの期間に「返済能力や意思がある」と偽って借金した
  • 財産目録や債権者一覧表について虚偽の記載をした
  • 管財人の業務に協力しなかった
  • 前回の自己破産における免責決定から7年が経過していない
  • 説明義務、財産開示義務などの破産法上の義務に違反した

たとえば、収入に見合わない浪費やギャンブルによって多額の借金をした場合、自己破産後も同じような理由で借金する可能性があることを否定できないため、裁判所から免責を認められないことがあります。

また、財産隠しや虚偽報告など、不誠実で悪質な行動は絶対に避けるようにしましょう。

3.免責不許可事由に該当していても免責されるケース

免責不許可事由に該当していても免責されるケース

免責不許可事由に該当している場合は、自己破産による免責を受けられないことがありますが、必ずしも認められないわけではありません。

場合によっては、免責不許可事由に該当していても、免責を受けられることがあります。

免責を許可するかどうかは最終的に裁判所が判断するため、免責不許可事由に該当する場合でも、強く反省しているなどの姿勢から更生の余地があると裁判所が判断すれば免責されることがあるのです。

裁判所の裁量によって免責されることを裁量免責といいます。

たとえ免責不許可事由に該当していても、裁量免責の可能性が残っているので、弁護士と相談して、裁量免責を受けられるように対策を取りましょう。

4.免責許可が認められなかったときの対処法

免責許可が認められなかったときの対処法

自己破産手続をしても、さまざまな理由で免責許可が認められないこともあります。

もし自己破産による免責が許可されなかったことに対して不満がある場合は、即時抗告をしましょう。

即時抗告とは、裁判官が下した審判に対して不服がある場合に、不服の申立てをすることで裁判所に審理してもらえる制度のことです。

つまり、裁判所の判決に納得がいかない場合に、別の裁判所にもう一度審判してもらうことができます。

ただし、即時抗告は免責不許可決定の公告が効力を生じてから2週間以内に行う必要があります。

即時抗告の申立ては、免責不許可を決定した地方裁判所を管轄する高等裁判所に行いますが、抗告状を免責不許可を決定した地方裁判所に提出しなければなりません。

たとえば、横浜地方裁判所で自己破産手続を行った場合、東京高等裁判所宛の抗告状を横浜地方裁判所に提出することになります。

なお、即時抗告によって免責許可されるケースはかなり珍しいです。

基本的に、自己破産で免責許可が下りないケースはあまり見られないため、余程の理由があると考えられます。

その部分をクリアしなければ、高等裁判所から免責許可を得られないので、しっかり手続内容を見直すことが重要です。

まとめ

免責不許可事由に該当している方は、自己破産を申立てても免責が不許可となる可能性があります。

しかし、裁量免責によって免責許可が認められることもあるため、免責不許可事由に該当しているからといって、すぐに諦める必要はありません。

弁護士と相談して、裁量免責を受けられるように準備を進めることが大切です。

弁護士法人みずきでは、自己破産に関する相談を無料で受け付けております。

免責不許可事由に関して悩まれている方は、一人で抱え込まずに、お気軽にご相談ください。

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執筆者 金子 周平 弁護士

所属 栃木県弁護士会

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