むちうちの後遺症では後遺障害の等級認定を受けるのは難しい?認定のポイント

執筆者 大塚 慎也 弁護士

所属 第二東京弁護士会

弁護士相談は敷居が高い、そういう風に思われている方も多いかと思います。
しかし、相談を躊躇されて皆様の不安を解消できないことは私にとっては残念でなりません。
私は、柔和に皆様との会話を重ね、解決への道筋を示させていただきます。
是非とも皆様の不安を解消するお手伝いをさせてください。

「むちうちの症状は、後遺障害の等級認定を受けるのが難しいの?」
「むちうちによる症状が後遺障害に認定されるためのポイントは?」

交通事故に遭った後にむちうちの症状で悩まされている方の中には、このような悩みや疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。

本記事では、むちうちで後遺症認定を受けるための基準や認定までの流れについてご紹介します。

1.むちうちでは後遺障害の等級認定を受けるのは難しいのか

結論から述べると、むちうちでは、骨折後の骨癒合不全や靭帯断裂後の可動域制限といった原因がはっきりわかる怪我による後遺障害に比べると、後遺障害の認定を受けるのが難しい傾向があります。

なぜなら、むちうちは痛みや痺れ、めまいなどの神経症状が現れますが、レントゲンやCT、MRIを撮影したとしても、異常が画像上明らかにならないことが多いためです。

ほかにも、以下のような理由で後遺障害の認定を受けられない場合があります。

  • 通院・治療期間が短い
  • 後遺障害診断書の記載内容が不十分である
  • 軽微な事故である
  • 画像所見や神経学的所見がない

たとえば、事故が軽微なためむちうちの症状が軽いなどの理由で通院頻度が少ない、あるいは途中で通院をやめたために通院期間が短いといった場合には、治療経過や症状の一貫性・連続性などが分かりにくくなる、また、痛みや痺れなどの症状が残っていたとしてもその後も継続して残存するかが不明であるといった理由で、後遺障害として認定されないことがあります。

また、申請書類に不備がある場合や、画像所見や神経学的所見がない場合も認定を受けられない可能性が高いです。

そのため、むちうちによる症状が現れたとしても、必ずしも後遺障害の等級認定を受けられるわけではない点に注意しましょう。

2.認定される可能性がある後遺障害等級と認定基準

逸失利益と他の賠償金との違い

むちうちで認定される可能性がある後遺障害等級と認定基準についてご紹介します。

考えられる後遺障害等級は以下の2パターンです。

  1. 後遺障害等級12級13号
  2. 後遺障害等級14級9号

順に解説するので、どちらかの認定基準を満たしているか確認してみましょう。

(1)後遺障害等級12級13号

むちうちの場合、後遺障害等級12級13号に認定される可能性があります。

認定基準は、「局部に頑固な神経症状を残している」かどうかとされています。

画像(CTやレントゲンなど)から神経圧迫の存在が考えられ、かつ、神経学的検査による異常所見が確認され、自覚症状が各所見と一致している場合には、症状について医学的な証明があったとされ、12級13号に認定される可能性があります。

神経学的検査とは、受傷部分に電気刺激などを与えて痛みの有無や反応を見る検査のことで、ジャクソンテスト、スパーリングテスト、腱反射検査などがよく行われます。

その中でも、検査結果が患者の意思に左右されない腱反射テストの結果は、とくに後遺障害等級の判断の際に重視される傾向にあります。

12級13号が認定された場合に、想定される慰謝料は、自賠責基準では94万円、裁判所(弁護士)基準では290万円です。

むちうちによって重い痺れなどが残っている方は、後遺障害等級12級13号認定の可能性はありますが、上記のような所見がそろっていないと認定されることが非常に難しい等級です。

(2)後遺障害等級14級9号

むちうちで認定される後遺障害等級は、14級9号の認定比率が圧倒的に多くなっています。

認定基準は、局部に神経症状を残す状態かどうかです。

先に述べた12級13号との大きな違いは、その症状について医学的な証明まではできない(CTやレントゲンなどの画像所見からは判断できない)が、事故による症状として医学的な説明ができることにあります。

画像所見がないものの、神経学的検査によって陽性の結果が出ているような場合、医学的に説明ができると判断される可能性があります。

14級9号の慰謝料の金額は、12級13号よりも低いものの、自賠責基準では32万円、裁判所(弁護士)基準では110万円を請求できる可能性があります。

担当医や弁護士と相談して、どちらの等級を目標に認定申請するか検討してみましょう。

3.むちうちで後遺障害等級の認定を受けるための4つのポイント

過失割合を決めるときの注意点

むちうちで後遺障害等級の認定を受けるために押さえておくべきポイントがいくつかあります。

主なポイントは以下の4つです。

  1. 後遺障害等級の認定基準を満たしている
  2. 適切な通院頻度で治療を行っている
  3. 症状を医学的に証明(または説明)できる
  4. 症状に一貫性・連続性がある

順にご紹介します。

(1)後遺障害等級の認定基準を満たしている

先ほど紹介した後遺障害等級の認定基準を満たしている必要があります。

後遺障害等級は1~14等級までありますが、むちうちによる後遺症は神経症状がほとんどであるため、一般的には12級13号か14級9号のいずれかになる場合が多くなります。

なお、上述したようにむち打ち症で12級13号が認定されることは非常に難しいです。

むちうちで後遺障害認定を受けるためには、何らかの神経症状がなければなりません。

(2)適切な通院頻度で治療を行っている

事故の被害から症状固定の診断を受けるまで、継続して通院し、治療を受けていることが望ましいです。

治療期間は6か月以上で、通院日数も一定程度の頻度(半年間で100日間以上が望ましい。)である必要があります。

また、後遺障害等級の獲得を目標とするのであれば、通院先も、接骨院・整骨院をメインとするのではなく、整形外科をメインとする方が良いでしょう。

適切な通院頻度で治療をしていなければ、後遺障害等級認定を受けることが難しくなるため、医師から指示されたとおりに通院するようにしましょう。

(3)症状を医学的に証明(または説明)できる

後遺障害の症状を医学的に証明する必要があります。

本人の主張だけで認定が認められるわけではありません。

先ほど述べたように、12級13号であれば検査画像や診断結果などの証拠を揃えて、事故による症状として客観的に証明できなければなりませんし、14級9号であれば、事故による症状として説明できなければなりません。

特に後遺障害診断書の記載内容は大切で、記載内容に不備があれば、認定基準を満たしているとみなされる場合でも、非該当と判断されることもあります。

後遺障害診断書は担当医が作成するため、ありのままの事実を伝えて、認定基準を意識して作成してもらうことをおすすめします。

(4)症状に一貫性・連続性がある

事故後から症状固定になるまで、症状に一貫性・連続性があることがポイントです。

事故後から症状固定の診断を受けるまでに、痛みや痺れが変わらず連続して発生していれば、一貫性・連続性があると考えてよいでしょう。

継続して症状が出ているものに関しては、診察のたびに医師にはっきりと伝えておくことをおすすめします。

診断書等の記載上、症状が一時的に消えている、あるいは症状改善が見られるような場合は、症状の一貫性・連続性がないとして、認定の際に不利な影響が出る場合があります。

そのため、医師とも相談しながら通院や治療をしっかりと継続していくことが必要不可欠です。

4.後遺障害の等級認定までの流れ

後遺障害の等級認定までの流れについてご紹介します。

主な流れは以下のとおりです。

  1. 症状固定の診断を受ける
  2. 主治医に後遺障害診断書を作成してもらう
  3. 後遺障害等級認定の申請をする

症状が回復しないと感じた方は、後遺障害等級の認定申請を検討してみましょう。

(1)症状固定の診断を受ける

まずは、症状がこれ以上改善しないことを担当医に確認して、症状固定の診断を受けましょう。

症状固定とは、医学上一般に承認された治療方法をもってしてもその治療効果が期待し得ない状態をいいます。

担当医が治療を継続しても完治が見込めないと判断した場合に、症状固定の診断を受けることになります。

なお、症状固定をするかどうかは基本的には担当医の判断によるものであり、担当医が治療を継続すべきと判断した場合は、改善の見込みがあるということなので、症状固定にはなっていない点に注意しましょう。

(2)担当医に後遺障害診断書を作成してもらう

症状固定の診断を受けたら、担当医に後遺障害診断書を作成してもらいましょう。

後遺障害診断書を作成してもらうときは、特に以下の3つの項目を重点的に記載してもらうことをおすすめします。

  • 自覚症状
  • 神経学的検査の結果
  • 画像所見との関連性や整合性

これらの3点は、後遺障害等級の認定申請で重要視される部分です。

上記3項目の記載内容によって認定される等級が変わる可能性があるため、より詳細に記載してもらいましょう。

たとえば、自覚症状については、痛みや痺れがどこの部位にどのように生じるかや、日常生活においてどのような影響が出ているのかまで具体的に記載してもらう必要があります。

また、事故による受傷のときから天候や気温などの要因に関係なく、常時症状が継続していることを伝えることも大切です。

医師に後遺障害診断書を作成してもらうときには、これらの点を意識しながら症状について伝えるようにしましょう。

(3)後遺障害等級認定の申請をする

後遺障害診断書を受け取ったら、後遺障害等級認定の申請を行います。

後遺障害等級認定申請の方法は、以下の2つです。

  • 事前認定:加害者側の任意保険会社に手続を依頼する方法
  • 被害者請求:被害者自身で加害者側の自賠責保険会社に申請する方法
申請方法 メリット デメリット
事前認定 申請の手間が省ける 相手方が提出する書類を選別できるため、十分な資料による認定がされない可能性がある
被害者請求 提出資料を自ら選別できるため、適切な等級認定を受けられる可能性が高い 申請に手間がかかる

むちうちの後遺障害等級の認定を受けるためには、適切な申請をする必要があるため、なるべく被害者請求で手続することをおすすめします。

被害者請求の流れについては以下の記事で解説しているので、そちらをご参照ください。

後遺障害等級認定の被害者請求とは?メリット・デメリットと主な流れを解説

まとめ

むちうちによる症状は、事故による症状であることを客観的に証明することが困難であるため、後遺障害等級の認定を受けることが難しい傾向にあります。

ただし、認定基準を満たし、適切に申請手続をすれば、適切な後遺障害等級の認定を受けることは可能です。

また、被害者請求手続は、必要な資料をご自身で収集する必要があり、申請に手間がかかってしまいます。

もっとも、上記手続を弁護士に依頼することで、複雑な手続を行う手間が省けますし、かつ、適切な後遺障害等級の認定を受けるためのサポートも受けられます。

弁護士法人みずきでは、交通事故の被害に関する相談を無料で受け付けておりますので、むちうちの後遺症でお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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執筆者 大塚 慎也 弁護士

所属 第二東京弁護士会

弁護士相談は敷居が高い、そういう風に思われている方も多いかと思います。
しかし、相談を躊躇されて皆様の不安を解消できないことは私にとっては残念でなりません。
私は、柔和に皆様との会話を重ね、解決への道筋を示させていただきます。
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