交通事故被害者が生活費に困ったときの対処法と主な注意点を解説
執筆者 実成 圭司 弁護士
所属 埼玉弁護士会
皆さまのご相談内容を丁寧にお聞きすることが、より的確な法的サポートにつながります。会話を重ねながら、問題解決に向けて前進しましょう。
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Áreas:
・Indemnizaciones(Accidentes de tráfico, responsabilidad civil),
・Derecho de Familia(Divorcios, herencias…),
・Derecho Civil(Reclamaciones e Impagos, Consolidación de deudas, bancarrota) y etc.
「交通事故の被害に遭い、生活費に困ったが、どうしたらいいのか」
「交通事故の補償制度はどのようなものがあるのか」
交通事故の被害に遭ってしまい、治療のために仕事を休まざるを得なくなった場合、示談が終わるまで収入がなく家賃やローンの支払いができないといった生活上の問題が生じることがあります。
交通事故の損害賠償金は原則として示談成立後に一括で支払われます。
しかし、示談が成立するまでには、数か月から1年以上かかることも少なくありません。
もっとも、示談前であっても利用できる制度がいくつか存在します。
本記事では、交通事故の被害者が生活費に困った場合に利用できる代表的な制度とその注意点についてご紹介します。
- 交通事故の被害者は、示談が成立する前であっても、仮渡金制度、人身傷害保険、任意保険会社による内払いのいずれかによって支払を受けることができる場合がある
- 加害者側の任意保険会社の内払いは、必ずしも受けることができるわけではない
- 弁護士に相談することで、制度ごとのメリット・デメリットを比較しながら利用について検討することができる
1.示談前でも利用できる主な制度

交通事故の被害者が示談前に利用できる主な制度は以下の3つです。
- 自賠責保険の仮渡金制度
- 人身傷害保険
- 任意保険会社による内払い
それぞれ順にご紹介します。
(1)自賠責保険の仮渡金制度
事故の相手方が加入している自賠責保険の仮渡金制度があります。
この自賠責保険とは、自動車損害賠償保障法によりすべての自動車に加入が義務づけられている強制保険のことをいいます。
#1:仮渡金制度とは
仮渡金制度とは、交通事故による損害額が確定する前に、一定額を前払いしてもらえる制度です。
被害者は、加害者の自賠責保険会社に対し、直接請求することができます。
申請から支払いまでは、比較的短期間(目安として1~2週間程度)で処理されることが多く、緊急の生活資金として利用できる場合があります。
なお、仮渡金は、1事故につき1回のみ請求可能です。
#2:支払われる金額
お怪我をされた場合の仮渡金として支払われる金額は、負傷内容や入通院日数などの要件に応じて決まります。
支払われる金額の代表例は以下のとおりです。
| 金額 | 要件 |
| 40万円 | ・脊柱の骨折で脊髄を損傷したと認められる症状を有するもの ・上腕又は前腕の骨折で合併症を有するもの ・大腿又は下腿の骨折 ・内臓の破裂で腹膜炎を併発したもの ・14日以上病院に入院することを要する傷害で、医師の治療を要する期間が30日以上のもの |
| 20万円 | ・脊柱の骨折 ・上腕又は前腕の骨折 ・内臓の破裂 ・病院に入院することを要する傷害で、医師の治療を要する期間が30日以上のもの ・14日以上病院に入院することを要する傷害 |
| 5万円 | ・11日以上医師の治療を要する傷害(上記のものを除く)を受けた者 |
なお、死亡事故の場合は、290万円が支払われます。
#3:仮渡金制度の注意点
仮渡金制度で支払われる金銭は、あくまでも前払いに過ぎません。
最終的な損害賠償額が確定した際、その一部として清算されます。
最終賠償額が仮渡金を下回る場合、差額の返還を求められる可能性があります。
また、自賠責保険には傷害部分について、120万円という限度額があるため、仮渡金を受け取ったことで、後の支払いが減るという点にも注意が必要です。
(2)人身傷害保険
被害者本人や同居の家族が加入している自動車保険に人身傷害保険が付いている場合、この保険を利用できる可能性があります。
なお、以下の記事もご覧ください。
#1:特徴
主な特徴としては、以下のものが挙げられます。
- 示談を待たずに支払いを受けられること
- 過失割合が確定していなくても支払いが可能であること
- 自身に過失がある場合であっても減額されにくいこと
人身傷害保険は、契約約款に基づいて損害額を算定し、治療費や休業損害、慰謝料等が支払われます。
加害者側との示談交渉とは別に進められるため、生活費の確保という観点では非常に有効な制度です。
#2:注意点
人身傷害保険を利用するためには、事前に保険に加入していなければなりません。
保険に加入していれば、保険をかけている車両以外の車両で事故に遭ったときや、歩行中・自転車運転中に自動車事故に巻き込まれたときも利用できるケースがあります。
また、家族が加入している保険に人身傷害保険が付いている場合、被害者自身が加入していなくても利用できることがありますので、家族に確認してみましょう。
もっとも、契約内容により補償範囲が異なるうえ、将来、加害者側から賠償金を受け取る際に調整が必要になることがあります。
そのため、保険内容の確認は慎重に行う必要があります。
(3)任意保険会社による内払い
加害者側の任意保険会社が、示談成立前に一定額を支払うことがあります。
これを「内払い」と呼びます。
#1:典型例
以下のような費用の前払いを、示談成立前に受けることができる場合があります。
- 治療費の直接払い
- 休業損害の一部支払い
- 慰謝料の一部支払い
もっとも、これは法的義務ではなく、保険会社の運用上の対応です。
そのため、提示額が低いことや、支払いを拒否されること、書類提出を厳しく求められることもあります。
#2:内払いの注意点
任意保険会社は、必ずしも内払いに応じる必要がない点に注意しましょう。
内払いを行うことは保険会社の義務ではないので、請求しても必ず受け取れるとは限りません。
断られた場合は、仮渡金制度や人身傷害保険の利用を検討しましょう。
2.その他に検討すべき制度

事故の状況によっては、次の制度も検討対象になります。
- 労災保険(通勤災害や業務災害の場合)
- 健康保険による傷病手当金(業務外の怪我で働けない場合)
- 生活福祉資金貸付制度
なお、労災保険については、以下の記事で詳しく解説しています。
3.弁護士に相談するメリット

交通事故の被害に遭った場合、利用できる制度は複数存在しますが、どの制度を優先すべきか、併用しても問題はないのか、また、将来の示談交渉や最終的な賠償額にどのような影響が生じるのかといった点について、慎重な判断が求められます。
制度ごとに仕組みや精算関係が異なるため、十分な理解がないまま進めてしまうと、思わぬ不利益が生じるおそれもあります。
弁護士に相談することで、事故の状況や収入状況、加入保険の内容などを踏まえたうえで、利用可能な制度を整理し、それぞれのメリット、デメリットを比較検討することができます。
また、必要書類の準備や申請手続きのサポートを受けることができるほか、保険会社とのやり取りや交渉を任せることも可能です。
さらに、最終的な示談において、適正な賠償額を確保するための見通しについても助言を受けることができます。
とくに、生活費に困った場合には、どの制度をいつ利用するかによって資金繰りに大きな差が生じるため、できるだけ早期に対応を検討することが重要です。
まとめ
交通事故の被害に遭い、治療や療養のために働けなくなった場合であっても、示談成立前に利用できる制度は複数存在します。
自賠責保険の仮渡金制度や人身傷害保険、任意保険会社による内払いなどを適切に活用することで、示談を待たずに一定の金銭を受けることができ、生活費の不安を軽減できる可能性があります。
もっとも、それぞれの制度には利用要件や限度額、将来の賠償との精算関係などの違いがあります。
事故の態様や過失割合、加入している保険の内容などによって最適な選択肢は異なります。
弁護士法人みずきは、交通事故に関する相談を無料で受け付けておりますので、交通事故の被害に遭って生活費に困っている方はお気軽にご相談ください。
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