交通事故後に痛みが生じたら病院へ!診断後にすべき4つのこと

執筆者 大塚 慎也 弁護士

所属 埼玉弁護士会

弁護士相談は敷居が高い、そういう風に思われている方も多いかと思います。
しかし、相談を躊躇されて皆様の不安を解消できないことは私にとっては残念でなりません。
私は、柔和に皆様との会話を重ね、解決への道筋を示させていただきます。
是非とも皆様の不安を解消するお手伝いをさせてください。

「交通事故に遭ってしばらくしたら痛みが出てきたけどどうしたらいいのか」
「交通事故後、診断を受けたら何をすべきなのか」

交通事故の被害に遭って、しばらく経過した後に、身体のどこかに痛みが生じて、何をすべきなのかわからず困っている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、交通事故後に痛みが生じたときに何をすべきなのかについてご紹介します。

1.交通事故後数日経過して痛みが発生したときにすべきこと

交通事故後数日経過して痛みが発生したときにすべきこと

交通事故後、数日経過した後に痛みが発生した場合、とにかくすぐに病院に行って検査してもらいましょう。

事故から数日しか経過していなければ、身体の痛みは事故が原因の可能性が高いです。

何らかの痛みが事故によるものの場合、加害者側に対して治療費や慰謝料を請求することができます。

ただし、交通事故と負傷の因果関係を明確にするため、診断書によって具体的にどのような症状が発生しているのか明らかにすることが重要です。

加害者側と示談交渉をするときに活用することになるため、整形外科や外科に行って、医師に診断してもらいましょう。

2.速やかに病院に行く理由

速やかに病院に行く理由

痛みが生じたら速やかに病院に行くことが大切です。

その主な理由は以下の2つです。

病院に行かないといけない理由

  1. 症状が重大でないと判断される可能性がある
  2. 事故との因果関係の証明が難しくなる

受診が遅れてしまっただけで被害者にとって不利に働く場合があるので、なるべく事故から時間を置かずに診察してもらいましょう。

(1)症状が重大でないと判断される可能性がある

事故によって負傷し、治療を要するものであれば、通常は、治療に行くものと考えられます。

そして、その症状が重大であれば、事故から近接した時点での通院を開始することが通常だといえるでしょう。

このように、事故による症状が重大であれば、事故から近接した時点で通院し治療を受けるというのが医学的な経験則であるといってよいと思います。

他方、事故によって負傷したとしても、何ら合理的な理由がないにもかかわらず、通院治療を開始しない場合は、症状が重大でないと判断されてしまう可能性があるといえます。

(2)事故との因果関係の証明が難しくなる

医療機関への受診が、事故からあまりにも時間が経過している場合、症状と事故との因果関係を証明することが難しくなります。

事故から時間が経ってしまうと、それだけで事故以外による負傷の疑いを否定しがたくなってしまうのです。

事故との因果関係を証明できなければ、治療費や慰謝料を請求できなくなってしまうため、たとえ軽微な痛みでも、通院治療が必要な場合は事故直後に一度受診しておきましょう。

3.診断後にすべきこと

診断後にすべきこと

医師に診断してもらった後に、すべきことがいくつかあります。

主に以下のとおりです。

診断後にすべきこと

  1. 医師から診断書をもらう
  2. 加害者側の保険会社に連絡する
  3. 物損事故で届けている場合は人身事故に切り替える
  4. 症状固定の診断を受けたら後遺障害等級申請を行う

本来、受け取れるはずの賠償金を受け取るためにも、忘れずに手続を進めましょう。

(1)医師から診断書をもらう

病院を受診したら、医師から症状を証明するための診断書をもらいましょう。

診断書は、交通事故の賠償金を相手方に請求する上で必要な書類です。

警察や保険会社等への提出が求められるので、医師に診断書の作成を依頼するべきでしょう。

(2)加害者側の保険会社に連絡する

事故後、病院を受診した場合は、加害者側の保険会社に連絡しましょう。

交通事故による怪我の治療費は、加害者側の保険会社が直接負担する形が多く見られます。

これを一括対応と呼びます。

(3)物損事故で届けている場合は人身事故に切り替える

事故直後に痛み等がなければ、物損事故として処理されている可能性があります。

その場合は、警察署で人身事故として処理してもらうように手続を行いましょう。

最初に物損事故として手続をしていても、後から身体的な損害が発生した場合は、人身事故として届け出ることが可能なので、診断書を持参して警察署で手続を行いましょう。

(4)症状固定の診断を受けたら後遺障害等級申請を行う

もし通院を続けても症状固定の診断を受けたら、後遺障害等級申請を行いましょう。

症状固定となり、後遺障害等級認定を受けられると、別途後遺障害慰謝料等を請求することが可能です。

まとめ

交通事故後に痛みが生じたら、速やかに病院で診察してもらいましょう。

受診が遅くなれば、治療が長引き、加害者側の保険会社との交渉が難航する可能性があります。

少しでも痛みがあると感じたら、無理に我慢することなく、なるべく早めに受診して、診断書を作成してもらうことが大切です。

診断書を受け取ったら、加害者側の保険会社と連絡をとって、示談交渉を進めていきましょう。

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執筆者 大塚 慎也 弁護士

所属 埼玉弁護士会

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