バイク事故による怪我に対する慰謝料の算定方法は?過失割合についても解説

交通事故による後遺症の慰謝料相場!後遺障害等級ごとに解説

執筆者 野沢 大樹 弁護士

所属 栃木県弁護士会

私は、法律とは、人と人との間の紛争、個人に生じた問題を解決するために作られたツールの一つだと考えます。法律を使って紛争や問題を解決するお手伝いをさせていただければと思いますので、ぜひご相談ください。

「バイク事故に遭った場合、軽傷と重傷の場合では慰謝料がどのくらい変動するの?」
「バイク事故における過失割合はどのように決まるの?」

突然のバイク事故に遭い、このような疑問を抱いている方も多いかと思います。

バイク事故は、重傷化しやすいことから、慰謝料も高額になる傾向にあり、そのために加害者側と過失割合について争いとなることも多いものです。

本記事では、バイク事故における怪我と慰謝料との関連性、過失割合、バイク事故の慰謝料算出方法を順にご説明します。

1.バイク事故における主な慰謝料

3.後遺障害等級14級9号とは

バイクによる事故に対する慰謝料には、主に入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の三つがあります。

バイク事故の場合に発生する可能性のある慰謝料について順にご説明します。

(1)傷害慰謝料(入通院慰謝料)

傷害慰謝料は、バイク事故によって怪我をした場合に、怪我を負ったこと自体による精神的苦痛に対して発生する慰謝料です。

慰謝料の金額は、怪我の重さによって決まりますが、原則としてその重さを入通院の期間を用いて判断することとし、金額の算定にも入通院期間を用いるため、入通院慰謝料とも呼ばれます。

バイク事故によって怪我をしたため、入通院をすることになった場合は、まずこの傷害慰謝料を請求することができます。

(2)後遺障害慰謝料

バイク事故による怪我について治療を続けたものの、それ以上治療を続けても症状の回復が見込めない状態(「症状固定」といいます。)となった場合、その残存症状が自賠法上の後遺障害に該当するとの認定を受けられれば、後遺障害慰謝料を請求することができます。

残存症状のことを「後遺症」といいますが、単に後遺症があるというだけでは、これに対する賠償を受けることはできません。

上記のとおり、後遺症が自賠法上の「後遺障害」に該当すると認められれば、同法に定められた金額の賠償を受けることができます。

さらに、ほとんどの場合、加害者側の保険会社も後遺障害に応じた賠償をします。

交通事故において後遺症という言葉と後遺障害という言葉は、区別して扱われますので注意しておきましょう。

交通事故における後遺障害と認められるには、以下の条件をみたすことが必要です。

・将来においても回復が見込めない症状固定の状態となっている
・事故と障害との間に因果関係がある
・障害が医学的に認められる
・労働能力の喪失や低下を伴う
・自賠法施行令(自動車損害賠償保障法施行令)により定められた等級に該当する

後遺障害は1~14級までの等級と140種類、35系列に細かく分類されており、後遺症がそのいずれかに該当することが認められなければなりません。

(3)死亡慰謝料

バイク事故によって、死亡してしまった場合には、遺族が死亡した本人に生じた苦痛に対する慰謝料を請求することができます。

これが死亡慰謝料です。

2.バイク事故の過失割合

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バイク事故における過失割合は、事故の起きた場所の状況やそれぞれの運転の態様などによって決まります。

過失割合を決める上での重要なポイントやケース別の具体例を用いてご説明します。

(1)過失割合とは

過失割合とは、交通事故が発生した場合の当事者(被害者・加害者)の間での、事故の結果についての責任の割合を指します。

この過失割合に応じて、損害賠償額の減額が行われる(「過失相殺」といいます。)ため、過失割合は損害賠償を請求する際には重要な要素となります。

たとえば、Aさんが30%、Bさんが70%という過失割合が決まり、お互いの車両の損害が100万円だったとすると、Aさんの損害は30%が引かれて70万円、Bさんの車両の損害は70%が引かれて30万円となります。

AさんはBさんの損害分を負担する必要もありますから、結果的にAさんのもとに残るのは40万円だけということになります。

このように過失割合は損害賠償額に大きな影響を与えるものとなります。

(2)過失割合を決める上で重要なポイント

バイク事故における当事者間の過失割合は以下のような要素をもとに検討されます。

・道交法上の優先関係の有無(例:優先道路かどうか、信号の表示はどうか)
・事故の発生場所(例:高速道路上、駐車場内)
・運転者の状況(例:速度違反など義務違反の有無)
・事故当時の状況(例:昼か夜か、見通しが利くかどうか)
・事故発生を予期することができたか、回避することが可能であったか

現在は、裁判所の過去の裁判例を参考に、上記の要素を類型化して、各態様の事故の基本過失割合及び修正要素を定めた基準が作られています。

考慮要素の有無を明らかにするため、事故当時の状況を記録したものなどがあればとっておくことをおすすめします。

ドライブレコーダーの映像はそのような資料の筆頭となるものでしょう。

(3)過失割合のケース別の例

バイクと四輪車の事故における基本過失割合について、一例をご紹介します。

#1:同一方向の直進バイクと左折四輪車による事故

前方を走行していた四輪車が左折をする際に四輪車の左側を直進しようとしたバイクと接触した場合です。

このような場合、基本過失割合はバイクが20%、四輪車が80%となります。

この場合、四輪車に左折の合図がなかったり遅れたりしたことや、左折時に徐行がなかったことなどが過失割合の修正要素となります。

#2:信号のない同幅員の道路が交わるの交差点における、直進バイクと右方道路からの直進四輪車の事故

信号のない同じ道路幅の道路が交わる交差点において、交差点を直進していたバイクに、交差道路の右側から四輪車が直進してきて接触した場合は、バイクと四輪車の速度差に応じて基本過失割合が決まります。

両者が同程度の速度・・・バイク30%、四輪車70%
バイクが減速し、四輪車減速せず・・・バイク15%、四輪車85%
バイクが減速せず、四輪車が減速・・・バイク45%、四輪車55%

#3:停止中の四輪車によるドア開放時の事故

停車中の四輪車がドアを開けた際に、その右側を通過しようとした後続のバイクがドアに接触した場合の基本過失割合は、バイクが10%、四輪車90%です。

バイク側の速度超過や夜間であったことなどは修正要素となります。

3.バイク事故の慰謝料算出基準

バイク事故の慰謝料算出基準は、自賠責保険基準、任意保険基準、弁護士基準の三つがあります。

それぞれの基準についてご説明します。

(1)自賠責保険基準

自賠責保険は、交通事故の被害者に対して、迅速に最低限の補償を行うためのものです。

したがって、自賠責基準においては、法令で定められている最低限の金額が支払われることになるため、三つの基準の中では最も低い金額となります。

(2)任意保険基準

任意保険基準とは、加害者側の任意保険会社が慰謝料を算定する際に利用する基準で、各任意保険会社によって支払基準が異なります。

基準は非公表となっており、はっきりした金額を事前に知ることはできませんが、通常は自賠責基準に多少上乗せされた金額となっています。

そのため、自賠責保険基準に比べれば高い金額が算出されますが、弁護士基準よりは相場が低いケースが多いです。

(3)弁護士基準

弁護士基準は裁判基準とも呼ばれ、過去の裁判例をもとにして定められたものです。

これは三つの基準の中で最も高額な慰謝料を算出することになるものです。

ただし、当事者が加害者側の保険会社に弁護士基準での賠償を求めても、通常は取り合ってもらえません。

弁護士基準での請求をする場合には、弁護士に交渉を依頼する必要があります。

まとめ

バイク事故は怪我が重傷となりやすく、慰謝料の金額も高額になる傾向にあることから、加害者側が過失割合などを争ってくることも多い類型の事故です。

加害者側の保険会社と交渉する場合、当事者だけでは進めるのが困難な場面も多くなります。

バイク事故の示談交渉の際には、まずは一度弁護士に相談してみることをおすすめします。

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執筆者 野沢 大樹 弁護士

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