後遺障害診断書を書いてくれない理由と解決方法について解説

執筆者 金子 周平 弁護士

所属 栃木県弁護士会

法律は堅苦しいという印象はあるかと思います。しかし、そんなイメージに阻まれて、皆さんの問題や不安が解決されないのは残念でなりません。
私は、そんな法律の世界と皆さんを、柔和に橋渡ししたいと思っています。問題解決の第一歩は、相談から始まります。
皆様が勇気を振り絞ってご相談をしていただければ、後は私どもが皆様の緊張や不安を解消できるよう対応し、法的側面からのサポートができればと思います。敷居はバリアフリーです。あなたの不安を解消するために全力でサポート致します。

交通事故が原因の怪我が後遺症として残った時、後遺障害診断書を取得して等級認定を申請することができます。

しかし、場合によっては医師が後遺障害診断書を書いてくれないことがあります。

今回は、診断書を書いてもらえない時に考えられる理由と、その解決方法についてご説明します。

後遺障害が認められるかどうかは、その後の賠償金の算定に直結するため、きちんと後遺障害診断書を作成してもらいましょう。

1.後遺障害診断書とは

まずは後遺障害診断書についてご説明します。

通常医師が作成する診断書とは異なりますので、記載項目や、診断書が必要になる場面についてご説明します。

(1)後遺障害診断書とは

後遺障害診断書とは、症状固定の診断を受けたあとに、その症状の内容や程度について記載してもらう診断書です。

症状固定とは、交通事故による怪我が、一定期間治療を続けたにも関わらず症状が残ってしまいそれ以上の改善が見込めない状態を指します。

後遺障害診断書では、その症状の内容や程度、入通院した期間などを具体的に記載します。

ただし、医師のみ作成できる書類であり、整骨院や接骨院の柔道整復師などでは作成してもらえません。

そのため、医師の診察をきちんと受けておく必要があります。

病院によって異なりますが、作成にかかる費用はおよそ5000円~1万円です。

作成には1週間程度かかることが多いので、余裕をもって依頼しておきましょう。

(2)記載項目

診断書には、患者の氏名や住所、生年月日などの個人情報の他に、傷病名や自覚症状、精神・神経障害の他覚症状及び検査結果などを記載します。

傷病名には、症状固定となった傷病の名称を記載します。

ただし、通院当初は症状があったものの、治療を続けていく中で完治した症状については記載できません。

自覚症状には、患者が訴えている症状について記載します。

(3)診断書が必要になる場面

後遺障害診断書は、後遺障害認定申請をする時に必要です。

つまり、治療がひと段落し、症状固定になった際に作成をしてもらうことになります。

逆に言えば、後遺障害診断書を作成したということは症状固定をしたと基本的には判断されますので、治療の途中で作成依頼をしないようにしましょう。

後遺障害が認められれば、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益を請求することができるようになります。

適切な賠償を受けるために必要な書類なので、しっかりと作成してもらうようにしましょう。

2.後遺障害診断書を書いてくれない主な理由

後遺障害診断書が重要な書類であることがわかりましたが、医師によっては作成してくれないこともあります。

作成してもらえない時とはどのような時か、四つのケースをご説明します。

(1)改善の見通しがある

後遺障害診断書は、症状固定となり治療が一区切りとなる時に作成します。

診断書には傷病名や自覚症状など、一定期間治療を受けたにもかかわらず改善せずに残ってしまった症状について記載します。

そのため、今後治療を続けていくことで回復する見込みのある症状については、診断書に記載することができないのです。

この場合は将来完治するかの見込みも踏まえ、医師の指示に従って通院することが求められます。

(2)治療期間が短い、通院回数が少ない

治療期間が短い場合も診断書の作成を断られる可能性があります。

治療期間が短ければ、症状固定と判断できる時期に達していないため、後遺障害診断書の作成を断られてしまうのです。

また、通院回数が少ない場合も、症状固定と判断することができない場合もあります。

この場合も医師の指示に従って通院を続ける必要があります。

(3)後遺症がないと診断された

担当の医師によって、後遺症がないと診断されることもあります。

後遺障害診断書には外部から客観的に判断することができる所見について記載されるため、医師の判断により後遺症が無いと診断を受けた場合は、後遺障害診断書を作成してもらえない場合があります。

(4)症状固定の状態になってから受診した

怪我の症状が交通事故によるものでなければ、後遺障害診断書を作成することはできません。

受傷後すぐに通院せず症状が固定状態になってから受診しても、治療の経過を見ていないことを理由に診断書の作成を断られることがあります。

診断書を作成するためには、医師が初期症状から症状固定に至るまでの経過を把握している必要があるのです。

3.後遺障害診断書を書いてもらえない時の解決方法とは

後遺障害診断書を書いてもらえない時でも、すぐに諦める必要はありません。

二つの解決策についてご説明します。

(1)通院を継続する

(1)改善の見通しがある、(2)治療期間が短い等という理由で後遺障害診断書を書いてもらえない場合、通院を継続しましょう。

症状固定になるまでの期間は、怪我の内容によっても様々です。

医師が必要だと考える期間治療を継続することで、医師において症状固定と判断でき、後遺障害診断書を作成してもらえることとなるといえるでしょう。

(2)他の整形外科を受診する

担当医師が診断書を書いてくれない時は、他の整形外科を受診してみましょう。

ごく稀にですが、トラブル事に巻き込まれたくないという理由から、後遺障害診断書の作成をしないと言ってくる医師もいます。

その場合は、場合によっては、別の病院へ転院する等して、必要な治療期間通院をすることが必要となる場合もあるでしょう。

4.後遺障害診断書の注意点

煽り運転の示談交渉の注意点

後遺障害診断書を作成してもらうにあたって、その書き方については注意が必要です。

痛みを伴う後遺症の場合、「動かすと痛みが生じる」のようなあいまいな書き方では、等級が認定されない恐れがあります。

後遺障害として認定されるためには、常に痛みが残っている状態でなければならず、時々痛むようなケースではそもそも後遺障害等級に該当しないと判断される可能性が高いのです。

精神・神経障害の他覚症状及び検査結果には、痛みが残っている部分について、神経症状としてその詳細を記載します。

他にも、レントゲンやMRIの画像所見や検査結果もこの欄に記入します。

例えば、交通事故による怪我ではむちうちが多くの割合を占めていますが、むちうちで後遺障害等級が認められるためには、脊髄や神経根を圧迫していることがMRIから読み取れることが重要です。

さらに、反射テストや神経根症状誘発テスト、筋力検査などの結果を踏まえて神経学的所見を記載します。

このように、後遺障害等級に認定されるポイントをおさえたうえで後遺障害診断書を医師に作成してもらうことが求められますので、弁護士に相談されることをおすすめします。

まとめ

もし担当の医師に後遺障害診断書の作成を断られた場合は、一度弁護士に相談してみましょう。

弁護士法人みずきでは、交通事故問題に精通した弁護士が後遺障害等級申請のサポートをいたします。

どんなささいなことでも、わからないことがあればお気軽に当事務所にご相談ください。

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執筆者 金子 周平 弁護士

所属 栃木県弁護士会

法律は堅苦しいという印象はあるかと思います。しかし、そんなイメージに阻まれて、皆さんの問題や不安が解決されないのは残念でなりません。
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