フランチャイズ契約における保証金とは?担保される範囲や返還時期について

「フランチャイズ契約を締結する際に加盟店が支払う保証金とはどのようなものか」
「本部から返還されるのはいつ?」

フランチャイズ契約を締結した加盟店の方の中には、このような疑問をお持ちの方もいると思います。

フランチャイズ契約を締結する場合、「保証金」あるいは「加盟保証金」(このページでは、「保証金」に統一します。)といった名目で、金銭を徴収される場合があります。

本記事では、保証金の概要や返還される時期について解説します。

1.保証金とは

保証金とは、一般的に、契約締結時に加盟店(フランチャイジー)から本部(フランチャイザー)に一時金として交付される金銭のことをいいます。

この保証金は、フランチャイズ契約締結後、フランチャイズ契約に基づいて発生する加盟店の本部に対する債務を担保するために預託される金銭です。

例えば、加盟店が毎月払うべきロイヤリティを支払わない場合、支払われないロイヤリティ分の埋め合わせをできるよう、前もって保証金という形で本部に金銭を預託するのです。

この保証金は、フランチャイズ契約が終了した場合に精算されます。

すなわち、フランチャイズ契約に基づいて、加盟店が本部に支払わなければならない債務がある場合には保証金をこれに充当し、預託した保証金からこの債務額を控除した金額が加盟店に返還されます。

なお、フランチャイズ契約に基づいて加盟店が支払わなければならない債務がない場合には、預託した保証金の全額が加盟店に返還されます。

2.保証金が担保する債務の範囲

保証金は、フランチャイズ契約に基づいて発生する加盟店の本部に対する債務を担保するために預託されるものと説明しましたが、契約自由の原則がありますから、保証金が担保する債務の範囲はフランチャイズ契約で決めることができます。

フランチャイズ契約に、この保証金が担保する債務の範囲に関する条文がある場合には、「一切の債務を担保する。」といったように、担保する債務の範囲を制限なく規定しているケースが多いです。

保証金が担保する債務の範囲に関する規定がない場合でも、保証金が差し入れられている場合は、通常、フランチャイズ契約に基づいて発生する債務の中で、「この債務は保証金で担保するけれども、この債務は保証金では担保しない」といったことを念頭に置いていることは少ないでしょう。

そのため、契約当事者の暗黙の了解として、差し入れられた保証金はフランチャイズ契約に基づいて発生する一切の債務を担保する趣旨で差し入れられたものだと解釈されることが多いでしょう。

3.保証金の返還時期について

加盟店が保証金の返還を請求できる時期は、フランチャイズ契約上に定めがあれば、基本的にはその定めに従うことになります。

返還時期に関する定めがない場合には、保証金の返還請求権の発生時期に解釈上の争いはあるものの、遅くとも加盟店の本部に対するフランチャイズ契約に基づく債務(例えば、金銭債務、フランチャイズ運営のマニュアル等の返還債務、店舗の外観内装を除去する債務等)の清算の終了時には、本部は加盟店に対して保証金を返還しなければなりません。

また、フランチャイズ契約に基づく債務の清算(リース物件やマニュアルの返還等)が終了した時点で、加盟店側は保証金の返還請求ができるとした裁判例があります。

ただし、保証金が担保しない本部の債権が残っていた場合、相殺(民法505条)の要件をみたしていれば、本部は保証金が担保しない債権と保証金の返還債務を相殺することが可能です。

この場合には相殺により保証金が残らなくなるため、本部は保証金を返還する必要はないことになります。

まとめ

保証金は、フランチャイズ契約中に発生する加盟店が本部に対して負う債務を担保する目的に支払う必要がある金銭です。

保証金によって担保される債務の範囲は、個別の契約で定めることもできますが、通常はフランチャイズ契約中に発生するすべての債務が含まれることが多いといえます。

加盟店側は、契約終了によって保証金の返還を求めることができますが、本部との間で紛争となる場合もあります。

そのため、本部との間でトラブルが生じた場合には、なるべく早期に弁護士に相談することが大切です。

弁護士法人みずきでは、フランチャイズ契約に関する相談や法的問題に数多く対応してきましたので、保証金の返還などについてもお気軽にご相談ください。

執筆者 金子 周平 弁護士

所属 栃木県弁護士会

法律は堅苦しいという印象はあるかと思います。しかし、そんなイメージに阻まれて、皆さんの問題や不安が解決されないのは残念でなりません。
私は、そんな法律の世界と皆さんを、柔和に橋渡ししたいと思っています。問題解決の第一歩は、相談から始まります。
皆様が勇気を振り絞ってご相談をしていただければ、後は私どもが皆様の緊張や不安を解消できるよう対応し、法的側面からのサポートができればと思います。敷居はバリアフリーです。あなたの不安を解消するために全力でサポート致します。