フランチャイズ契約の期間満了による終了

フランチャイズの契約期間と自動更新

フランチャイズ契約を締結する場合には、契約期間が定められ、この契約期間の間、加盟店は本部からノウハウ等の提供を受けることができます。そして、契約期間が定められているということは、この期間が過ぎれば契約は終了し、加盟店としての事業を営むことはできないことになります。
ただし、契約期間は定めつつも、契約当事者の一方が事前に契約関係を終了させる通知を出さない限り、同じ条件で契約が自動的に更新される旨が定められることも多くあります(自動更新規定)。

このように、自動更新規定が置かれることが多いのは、フランチャイズ契約が長期間の継続した取引であって、双方ともに契約関係がこのまま続くだろう(何も言わない限り契約は続くだろう)という期待と信頼を寄せやすい契約であるという、フランチャイズ契約ならではの特徴です。つまり、契約当事者双方ともに、何か支障がない限り契約関係は継続するだろうという期待を寄せやすい契約なのです。

自動更新と更新拒絶

自動更新規定の定めがある場合、契約期間の満了とともに、契約関係を終了させたいと考えたのであれば、事前に契約は更新しない旨の通知をする必要があります(何か月前までに通知をしなければならないか、口頭での通知で足りるか、書面で通知をしなければならないか等は契約書に定められています)。
上でも述べたように、フランチャイズ契約は、このまま契約関係が続くだろうとの期待や信頼を寄せやすい契約ですから、契約当事者の一方が更新しないと通知したけれども、相手方は契約を続けたいと考え、これをきっかけに紛争が生じる場合が多々あります。

更新拒絶はどのような場合でも認められるのか

これまで述べてきたように、フランチャイズ契約は、契約当事者が、契約がこのまま続くだろうという期待と信頼を寄せやすい契約ですから、一方当事者が契約期間満了とともに契約関係を終了させたいと考え、更新しない旨を通知したとしても、他方当事者の契約関係の継続に対する期待と信頼も保護する必要があります。
そのため、自動更新の規定が存在する場合、契約期間満了とともに契約関係を更新せずに終了させることが認められるためには、「契約を継続し難いやむを得ない事由」が必要であると考えられています。
この「契約を継続し難いやむを得ない事由」をどのように判断するかですが、フランチャイズ契約が、継続的な契約であって契約当事者の信頼関係によって契約が保たれていることから、裁判例では、両当事者との間で信頼関係が失われているような事情(契約上行わなければならないことを行っていない、禁止されている事項を行う等)の有無や、契約を継続させることによって生じる利益(利益確保、投下資本回収の必要性の程度)と不利益(損害の発生の抑止の必要性)のバランスを考慮して判断されています。