FC契約締結時に締結するFC契約以外の契約

フランチャイズ契約の契約書には、本部が加盟店にノウハウ等を教示し、その使用を許諾する旨、その対価として加盟店が本部にどれほどのロイヤリティを支払うか等を基本とした条項が規定されます。

フランチャイズ契約は、本部が複数の加盟店と契約を締結することを念頭に置いていますから、この契約書はすべての加盟店との契約に使えるよう、一般的な条項しか定められていないことも多くあります。

しかし、出店地や出店の際に準備する製品、商品、本部の融資を受けるか否か等、個々の加盟店によって事情が異なる部分があることは当然ですから、フランチャイズ契約書とはまた別に、個別に、賃貸借契約、リース契約、売買契約、融資契約等が締結されることがあります。

1.賃貸借契約

通常、加盟店は店舗で事業を行います。加盟店が店舗を用意できない場合は、本部側で店舗を用意し、これを本部から借りることになります(本部が店舗の所有者である場合は賃貸になりますし、本部が第三者から店舗を借りる場合には又貸し(転貸)になります)。

店舗の賃料、賃料の支払時期、敷金等は、店舗の立地条件によって様々ですので、フランチャイズ契約とは別に、賃貸借契約書を締結することも多くあります。

2.リース契約、売買契約

加盟店が事業をするにあたっては、店舗の設備、什器、販売する商品が必要です。

重機などは、本部からリースを受けることがあり、この場合は、フランチャイズ契約とは別途、什器のリース契約を締結することがあります。

また、販売する商品について、本部からその商品を購入し、これを販売する形態をとるフランチャイズの場合には、加盟店が顧客に販売する商品を本部から購入するための売買契約を、フランチャイズ契約とは別に締結することがあります。

3.融資契約

上記のとおり、加盟店が事業を開始するためには、店舗、什器、商品が必要になり、これらを借り、又は購入するためには多額の初期投資が必要です。

そこで、これらの初期費用を加盟店が準備できない場合は、本部が加盟店に金銭を貸し付ける(融資する)ケースがあります。

この融資について、融資金額、返済方法、返済金額を取決め、フランチャイズ契約とは別に、融資契約(金銭消費貸借契約)を締結することがあります。