ゴルフ場経営会社の破産の特殊性

ゴルフ場経営会社の破産の特殊性はその他関係取引会社、従業員だけではなく、大勢のゴルフ会員権を有する者がおり、他の業種と比較して、多数の債権者が見込まれるところにあります。

そして、破産手続において債権者の数が数百以上になってくると、その数に比例して、申立前の準備、破産手続後の破産管財人、裁判所の負担も相当なものになることが予想されます。

今回は、ゴルフ場経営会社が破産手続を行なう際の主な注意点等を説明することにします。

1.破産手続を行なう際の主な注意点等

(1)裁判所との事前相談

破産手続開始決定後の手続を円滑に進めるためには、申立前の事前準備が重要です。

特に、ゴルフ場のように多数の債権者が見込まれる事案においては、それだけ不満を持っている債権者の数が多く、また、このような事件は社会的な関心が高いことも予想され、手続中の混乱が予想されます。

そのため、ゴルフ場経営会社の破産を進める場合には、手続後の混乱を防止し、また手続を円滑に進めるために、ゴルフ場経営会社の財産を保全する必要があるかどうか、申立後に法的に問題になる点はないか、債権者に対処するためにどのように配慮すべきかどうかなどを裁判所と事前に相談しておく必要があるといえます。

(2)予納金の確保

多数の債権者が見込まれる場合には、それだけ債権者集会などの手続が煩雑になり、また破産する会社に残存する資産(破産財団)も多いこと等が予想されます。

それに伴い、破産手続開始後に、裁判所から選任され、破産会社の財産の管理・調査・換価を行なう破産管財人の行なわなければならない業務は膨大になることも予想されます。

そのため、破産管財人の業務内容に応じた管財人報酬や管財業務に充てるための費用(予納金)を確保しておく必要があるといえるでしょう。

予納金を定めるのは各裁判所であるが、一般的にゴルフ場経営会社の予納金は高くなる傾向にあるといえるでしょう。

そのため、破産手続前に、ゴルフ場経営会社及びその代理人は申立前に、予納金としてどの程度準備することができそうであるか、また実際の予納金がどれぐらいになるかを事前相談などで手続開始前に裁判所に確認をしておく必要があるといえるでしょう。

(3)破産管財人候補者との打合せ

ゴルフ場経営会社が破産手続を行なった場合、ゴルフ場経営会社、申立人代理人事務所だけではなく、裁判所、破産管財人事務所に対しても多数の問合せがあることが予想されます。

破産の手続に関する問合せ以外のものを除いて、裁判所が対応することは適切ではないと考えられています。

そのため、場合によっては破産管財人候補者(手続が開始される前なので「候補者」と呼びます。)の協力を得て、専用電話回線を用意するように依頼して、問合せ窓口の設置をするように調整をしておくなどの対応をすることも考えられます。

この場合、破産手続開始決定通知書に、問合せ窓口の連絡先を記載して、債権者に通知をすることで、破産債権者からの問合せを集約することをするなどの工夫をしておくのが良いでしょう。

(4)事業譲渡

破産に伴い、ゴルフ場経営という事業そのものが停止されてしまうと、芝生があれ、コースが荒れる等になり、事業価値が大幅に減少することが予想されます。

そのため、申立時点において、事業を継続している場合には、破産管財人は破産手続開始決定直後までには、事業譲渡の見込みを判断し、譲渡の必要性及び実際に譲渡する必要があります。

そのため、事業を継続しているゴルフ場経営会社としては、破産管財人候補者との打合せの段階で、事業に関する情報を整理し、破産管財人に精確に報告すべきでしょう。

なお、実際には、ゴルフ場経営会社が倒産手続を行なう場合には、まず事業を一体として譲渡するために、事業を継続しながら、譲渡先をさがすことが容易な民事再生手続が選択されることが実際には多いようです。

(5)ゴルフ会員権の取り扱い

ゴルフ会員権にはさまざまな種類があります。ゴルフ会員権には、主なものとしては預託金制会員権、株主制会員権、社団法人制会員権というものがあります。

このうち、ゴルフ会員権の多くは預託金制会員権です。

この預託金制のゴルフ会員権には、預託金返還請求権とプレー権(ゴルフ場施設優先的利用権)が含まれています。

これらは、全て破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産的な権利であることから、破産手続上なんらの破産手続上でのみ行使できる優先も劣後もしない債権(破産債権)として取り扱えば足ります。

まとめ

今回は、ゴルフ場経営会社が破産をする場合の特殊性及び手続を行なうにあたっての注意点等について説明をしました。

ゴルフ場経営会社が破産手続を行なう場合には、上記の点以外にも問題になる点があります。

早期かつ適切に対処をすることで、円滑に破産手続を行なうことができます。

ゴルフ場経営会社の破産を検討されている経営者の方は、お早目に弁護士にご相談されることをおすすめします。