法人破産の手続でリース契約はどうなる?対応の注意点について解説
「法人破産を行うとリース契約はどうなる?」
「リース契約の処理で注意すべきポイントにはどんなものがあるのか」
会社・法人の資金繰りが悪化し、法人破産を行うことを検討されている代表者の中には、リース契約の取り扱いについてこのような疑問をお持ちの方もいると思います。
法人破産は、会社・法人が保有するすべての財産を換価し、債権者に配当を行った上で清算し、法人格を消滅させる手続です。
最終的には法人格が消滅するため、法人が負っていたすべての債務について支払義務を免れることができます。
しかし、法人は活動の中でさまざまな契約を締結して事業を営むため、法人破産を行うことを決意した場合には、締結している契約の処理をすることが必要です。
その中でも、リース契約の処理を巡ってはいくつかの注意点があります。
本記事では、法人破産におけるリース契約の取り扱いや処理に関する注意点について解説します。
なお、法人破産の申立てにあたっては、代理人弁護士と協力しながら準備を進めていくことになります。
法人が保有する財産について必要となる対応については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
1.法人破産とリース契約の取り扱い

リース契約は、リース会社にリース料を支払うことによって、リース会社が所有する物件を使用できる契約です。
法人の事業活動では、コピー機や電話機、PCなどの機器が必要となることがありますが、これらを一括で購入する場合にはまとまった資金が必要となります。
リース契約を活用することで、初期費用を抑えながら事業に必要な什器や機材などを調達することができるため、多くの会社・法人でも利用されています。
リース契約はまとまった契約期間が設定されていることが多く、契約期間中には継続的にリース料を支払わなければなりません。
しかし、法人破産を申し立てると、最終的には法人格が消滅するため、これらの支払義務についても免れることができます。
なお、法人破産を裁判所に申し立てる際には、法人として締結しているリース契約については、すべてを記載した目録を作成する必要があります。
また、リース契約の内容によって、どのように対応を進めるべきかはケースバイケースということが多いです。
そのため、法人破産においてリース契約の解消やリース会社への対応は、代理人弁護士に相談・確認しながら進める必要があります。
2.法人破産を行う際のリース契約に関する注意点

法人破産を行うことで、リース料の支払義務は最終的に消滅します。
しかし、リース契約の解消に関しては、以下の点について注意が必要です。
- リース物件は返還する必要がある
- 代表者がリース料の連帯保証人である場合には支払義務を負う
順にご説明します。
(1)リース物件は返還する必要がある
リース契約を解消すると、そのリース物件はリース会社に返還する必要があることに注意が必要です。
これは、リース物件の所有権はリース会社に帰属していることに理由があります。
法人破産の手続では、すべての債権者を平等に扱わなければならないという「債権者平等の原則」が強く要請されます。
これによって、通常は債権者からの支払いなどの請求に個別に応じることはできないのですが、リース物件についてはそもそも所有権がリース会社にあるため、返還に応じることができます。
そのため、リース会社からリース物件の返還を求められた場合には、円滑に返還が進むように調整を図ることになります。
もっとも、リース物件の返還も含め、リース契約の処理は、破産申立後の法人破産の手続の中で処理されることが望ましいケースも少なくありません。
リース物件の返還を求められた場合には、代理人弁護士に直ちに相談した上で、どの段階で対応することが適切か判断して進めることが重要です。
(2)代表者がリース料の連帯保証人である場合には支払義務を負う
リース契約は、締結する際に代表者がリース料の支払いに関して連帯保証人となっている場合があります。
このような場合には、法人破産を行うことによって、法人の支払義務は消滅しますが、代表者の連帯保証人としての支払義務は消滅しません。
特にリース契約では、一定期間にわたって契約が存続することが前提とされており、中途解約が原則としてできなくなっていることが多いです。
そして、解約がなされた場合には、違約金などを請求される可能性があり、代表者が連帯保証人となっている場合には、代表者が支払わなければならないことに注意しましょう。
なお、リース契約に基づく支払義務のほかにも、法人が負っている債務については代表者個人が連帯保証人となっていることがあります。
代表者個人の財産の範囲で返済ができる場合には大きな問題はありませんが、返済できないほどの債務額である場合には、代表者個人も自己破産を考える必要があるでしょう。
このほか、代表者が法人破産において果たすべき責任や役割については、以下の記事もご覧ください。
3.法人破産について弁護士に相談するメリット

法人は、さまざまな契約関係の中で日々の事業を営んでいますが、法人破産を行う場合、手続を進める中で契約関係を処理していく必要があります。
また、法人破産は裁判所を通して手続が進行し、債権者などの複数の利害関係人が関わるため、申立の準備段階からさまざまな点に注意を払う必要があります。
しかし、知識や経験がなければ判断が難しいことも少なくありません。
そのような場合には、まずは弁護士に相談することがおすすめです。
弁護士に法人破産について相談することで、以下のようなメリットがあります。
- 申立ての準備中や手続中に注意すべきポイントの説明を受けられる
- 書類作成を任せることができる
- 裁判所や債権者への対応のサポートを受けられる
- 予納金を抑えて手続を進めることができる可能性がある
- 代表者の破産手続も依頼できる
順にご説明します。
(1)申立ての準備中や手続中に注意すべきポイントの説明を受けられる
法人破産は、申立ての準備段階から注意すべきポイントがあります。
例えば、特定の債権者のみに支払いを行ったり、法人の財産を安価で売却したりすると、ほかの債権者への配当原資が減少してしまいます。
また、悪質性が高いと裁判所に評価された場合には、刑事罰の対象となったり手続が進められなくなってしまったり、さまざまなリスクがあります。
弁護士に相談することで、準備中や手続中に注意すべき行為やポイントについてあらかじめ説明を受けることができます。
準備中や手続中に避けるべき行為やリスクについては、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
(2)書類作成を任せることができる
法人破産を申し立てる際には、裁判所に対して書類や資料を提出する必要があります。
どのような書類が必要となるかは、法人の財産状況によっても異なり、書類に不足や不備があれば、手続が遅延する可能性もあります。
弁護士に相談の上で手続を依頼すると、書類作成の段階からサポートを受けることが可能です。
特に法人破産の申立ての経験がある弁護士であれば、必要となる書類について熟知しているため、不備のない書類を作成することができます。
そのため、弁護士に依頼することで、書類作成から申立てまでを円滑に進めることが可能です。
法人破産の申立てで必要となる書類については、以下の記事もご覧ください。
(3)裁判所や債権者への対応のサポートを受けられる
法人破産の手続では、裁判所や法人の財産の管理を担当する破産管財人などへの対応が必要となります。
また、債権者集会と呼ばれる期日では、代表者も出席する義務を負います。
実際には債権者が出席するケースはそれほど多くありませんが、出席した債権者から質疑などがあれば、代表者はこれに回答しなければなりません。
しかし、経験がなければ裁判所や債権者への対応に不安や悩みを抱えてしまうことも多いです。
弁護士に手続を依頼することで、裁判所や債権者への対応についてサポートを受けることができます。
どのような対応を行うべきかについてもあらかじめ説明を受けることができ、不安を解消して進めることが可能です。
(4)予納金を抑えて手続を進めることができる可能性がある
法人破産を申し立てる際には、裁判所に対して予納金と呼ばれる費用を納付する必要があります。
予納金の金額は負債総額などによって変動しますが、50万円程度の金額が必要となることもあり、その全額を納付するまでは手続が進まなくなってしまいます。
申立ての段階で資金が底をつき、予納金を捻出する余裕がなくなっている場合には、法人破産を行うことすら困難となってしまうことに注意しましょう。
もっとも、手続を弁護士に依頼することで、予納金の負担が20万円程度まで抑えられる少額管財事件に振り分けられる可能性が高まります。
少額管財事件の運用を行う裁判所は限られているため、相談の段階で弁護士に確認するようにしましょう。
少額管財事件に振り分けられる基準や注意点については、以下の記事もあわせてご覧ください。
(5)代表者の破産手続も依頼できる
法人破産の手続は代表者個人の生活や財産などに直接影響しません。
しかし、先ほども述べたように、代表者が法人の債務について連帯保証人となっている場合には、代表者が支払義務を負うことになり、負債総額が大きい場合には自己破産を行うことを検討することになります。
法人破産を弁護士に依頼することで、代表者も自己破産が必要となった場合に、その手続も一緒に依頼することが可能です。
まとめ
本記事では、法人破産とリース契約の関係性やリース契約の処理に関する注意点について解説しました。
法人破産を行うことで、リース契約は終了となり、それ以降のリース料の支払義務は消滅します。
しかし、代表者がリース料の支払に関する連帯保証人になっている場合などには、対応の注意点も多いです。
法人破産は裁判所や債権者への対応など、対応することが多岐にわたる手続であるため、不安や悩みがある場合には、まずは弁護士に相談することがおすすめです。
弁護士法人みずきでは、これまでに数多くの法人破産の手続に対応してきました。
経験豊富な弁護士が丁寧にお話を伺いますので、法人破産の申立てをご検討の方はお気軽にご相談ください。
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