症状固定から後遺障害等級認定までの流れ!損害賠償との関係も解説

執筆者 潮崎 雅士 弁護士

所属 第二東京弁護士会

初動が大事。様々なことに当てはまりますが、法律問題もそうです。しかし、今まで法律問題に関わったことがなく、どうすればよいかわからない方が多いと思います。そうして初動が遅れると、最良の解決は難しくなってしまいます。
逆に相談が早ければ早いほど、より良い解決がしやすくなります。ですので、何かお困りのことがあれば、お早めにご相談ください。皆様の法律問題の最良の解決に向けて全力でサポートさせていただきます。

「症状固定と診断されたら何をする?」
「症状固定の診断から後遺障害等級認定までどのような流れなのか」

交通事故の怪我について、症状固定の診断を受けた方や治療中の方の中には、症状固定の診断後何をしたらよいのか分からずに困っている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、症状固定の診断を受けてから後遺障害等級認定までの流れについてご紹介します。

1.症状固定と後遺障害等級の関係

まずは、症状固定と後遺障害等級の関係性についてご紹介します。

(1)症状固定とは

症状固定とは、症状が一進一退となり、治療を続けても改善が見られない状態のことをいいます。

症状固定の判断をするにあたって、治療を担当する医師の意見が重要になります。

もっとも、症状固定は賠償の範囲を決めるという意味で法的な概念です。

症状固定の時期に争いがある場合には、最終的には裁判官が判断することになります。

症状固定になった時点で残存する症状をもとに、後遺障害等級の認定申請を行うことになります。

その意味で、症状固定は、後遺障害等級の認定申請を行うための前提となるものであることを押さえておきましょう。

(2)後遺障害等級とは

後遺障害等級とは、症状の種類や程度に応じて認定される等級のことです。

種類や症状ごとに1~14までの等級が定められており、同じ等級の中でさらに細分化されており、約140種類の項目があります。

等級の認定は申請時に提出する後遺障害診断書の記載内容をもとに審査されるため、後遺障害診断書の内容は認定結果に大きく関わります。

なお、後遺障害等級の認定を受けられれば、等級に応じて後遺障害慰謝料や逸失利益(後遺障害が残り労働能力が減少したことにより、その後の就労期間に生じた本来得られたはずの利益)を受け取ることができます。

(3)損害賠償との関係

症状固定の診断を受ける前と後では、損害賠償の内容が変わります。

診断を受ける前は、治療費や入通院慰謝料(傷害慰謝料)、一定の休業損害の支払を受けられます。

しかし、症状固定後は治療費や治療のための休業などに対する補償を受けられなくなります。

もっとも、後遺障害等級の認定を受けられれば、後遺障害が生じたことに対する慰謝料や後遺障害が残り労働能力が減少したことによる収入の減少に対する補償を受けられます。

後遺障害等級を受けることができたか否かで、もらえる賠償金額が100万円単位で変わる可能性があります。

そのため、怪我が完治せず、後遺障害にあたりそうな症状が残った場合には、後遺障害等級認定の申請をしましょう。

症状が残っておられる方は、それが後遺障害にあたり得る症状なのか、弁護士にご相談になることをお勧めします。

2.症状固定から後遺障害等級認定の流れ

症状固定から後遺障害等級の認定申請の流れをご紹介します。

主な流れは以下のとおりです。

症状固定から後遺障害等級認定の流れ

  1. 後遺障害診断書の作成
  2. 後遺障害等級認定の申請
  3. 認定結果通知
  4. 加害者側との示談交渉

順にご説明します。

(1)後遺障害診断書の作成

症状固定の診断を受けた後には、後遺障害等級の認定申請に必要な後遺障害診断書を作成してもらいましょう。

後遺障害診断書は、治療を担当した医師に作成してもらう必要があります。

なお、後遺障害診断書の作成には費用が発生します。

この費用は、後遺障害の認定が受けられれば相手方加害者に請求できますが、認定が受けられなければ自己負担になります。

また、作成に時間がかかる場合があるため、症状固定の診断を受けたらなるべく早めに作成を依頼しましょう。

(2)後遺障害等級認定の申請

後遺障害診断書を受け取ったら、後遺障害等級認定の申請を行います。

後遺障害等級認定申請の方法は、事前認定と被害者請求の2つです。

順にご紹介します。

#1:事前認定

事前認定は加害者側の任意保険会社に手続を依頼する方法で、後遺障害診断書以外に手続に必要な書類の作成・資料の収集をすべて保険会社に依頼することができます。

そのため、手続にかかる負担が軽減される点が大きなメリットです。

しかし、保険会社が手続に必要最低限の書類や資料のみで申請を行う可能性があり、本来の症状よりも軽い等級に認定されたり非該当と判断されたりするリスクがあります。

適切な等級認定を受けるためには、後述する被害者請求による申請方法がおすすめです。

#2:被害者請求

被害者請求は加害者の自賠責保険に対して、被害者自身が書類の作成・収集を行って認定申請を行う方法です。

手続に必要な書類や資料はすべて被害者側で作成や収集を行う必要があります。

申請の手間がかかるというデメリットはありますが、資料の作成方法や追加の資料収集や添付などの工夫をこらすことで、適切な等級認定を受けられる可能性が高まるという大きなメリットがあります。

認定される等級が1つ変わるだけでも賠償金に数十万円から数百万円の差が発生するので、手間を惜しまずに手続を行いましょう。

なお、以下の記事で被害者請求に関して詳しく解説しているので、合わせてご確認ください。

後遺障害等級認定の被害者請求とは?メリット・デメリットと主な流れを解説

(3)認定結果通知

手続が終了したら、認定結果の通知が来るまで待つことになります。

結果が出るまでは1か月~2か月程度かかります。

認定通知が届くタイミングで、認定等級に応じて自賠責保険分の賠償額が支払われます。

最も軽い14級でも75万円が支払われますので、通知が届いたら口座も確認してみましょう。

(4)加害者側との示談交渉

後遺障害等級の認定結果が出たら、これまでにかかった損害と、等級が認定された場合には今後生じる損害について、示談交渉を行います。

3.適切な後遺障害等級の認定を受けるポイント

適切な後遺障害等級の認定を受けるためのポイントがいくつかあります。

主なポイントは、以下の3つです。

適切な後遺障害等級の認定を受けるポイント

  1. 後遺障害診断書に記載漏れがないか確認する
  2. 弁護士に相談する
  3. 結果に納得がいかないときは異議申立てをする

順にご紹介します。

(1)後遺障害診断書に記載漏れがないか確認する

後遺障害診断書を受け取ったら、記載漏れがないか確認しましょう。

後遺障害等級の認定結果は、後遺障害診断書の内容が大きく影響します。

そのため、医師に自覚症状を細かく説明し、しっかり表現されているかなどチェックすることが重要です。

特に、自覚症状については、自分の認識とのズレや漏れがないかしっかりと確認しましょう。

もし記載漏れや不備などがあればその場で指摘し、再度作成を依頼しましょう。

(2)弁護士に相談する

後遺障害等級の認定申請をする際は、弁護士に相談・依頼するのがおすすめです。

認定申請の手続に携わった経験がある弁護士であれば、適切な等級認定を受けるためのポイントについて熟知しているため、適切なアドバイスやサポートを受けることができます。

また、弁護士に示談交渉まで依頼することで、慰謝料の算定基準のうち最も高額な裁判所(弁護士)基準を用いて交渉することが可能です。

裁判所(弁護士)基準を採用すれば、受け取れる後遺障害慰謝料の増額が期待できます。

後遺障害等級の認定申請だけでなく、示談交渉まで手続を依頼することで、適切な賠償を獲得することにもつながります。

(3)結果に納得がいかないときは異議申立てをする

後遺障害申請をしても、狙った等級どおりに認定されないことがあります。

予想よりも低い等級が認定されたり、後遺障害等級自体が認定されないこともあります。

このように、もし、結果に納得がいかないときは、異議申立てをすることを検討しましょう。

異議申立てをするときは、診断書やカルテに加え、異議申立書や医師の意見書等の書類を提出します。

異議申立書には、認定結果が不合理であることや新たに申請しようとする等級が妥当であることについて、できるだけ具体的に書くようにしましょう。

ご自身で異議申立書を作成することも可能ですが、弁護士に相談することで異議申立てが成功する可能性が高まります。

後遺障害等級の認定結果に納得がいかないときは、一度弁護士にご相談になることをお奨めします。

まとめ

症状固定の診断を受けたら、医師に後遺障害診断書を作成してもらい、後遺障害等級認定の申請を行いましょう。

後遺障害等級の認定申請は、被害者請求の方法で行うのがおすすめです。

もっとも、適切な等級認定を得るためには、資料の作成方法や追加の資料収集など、専門知識や実務経験が必要とされます。

そのため、症状固定の診断を受け、後遺障害等級の認定申請を検討されている場合には、まずは弁護士に相談することがおすすめです。

弁護士法人みずきでは、交通事故に関する相談を無料で受け付けておりますので、症状固定の診断を受けた方はお気軽にご相談ください。

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執筆者 潮崎 雅士 弁護士

所属 第二東京弁護士会

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