自己破産のメリット・デメリットとは?自己破産時の注意点

執筆者 実成 圭司 弁護士

所属 第二東京弁護士会

皆さまのご相談内容を丁寧にお聞きすることが、より的確な法的サポートにつながります。会話を重ねながら、問題解決に向けて前進しましょう。

「自己破産をしたらどのようなメリットがあるのか」
「自己破産をするときに気を付けることはあるのか」

この記事では、自己破産をするメリットとデメリット、自己破産後の注意点をご説明します。

1.自己破産をするメリット

自己破産に関する悩みは弁護士法人みずきへご相談

自己破産をすることによるメリットとして以下の点が挙げられます。

  1. 借金が免除される
  2. 金融機関からの催告がとまる

(1)借金が免除される

自己破産の最大のメリットは、借金が免除される点です。

裁判所の免責許可が決定された時点で、非免責債権を除き、全ての債務が免責されます。

債務が免責されることによって、これまで支払っていた返済がなくなり、返済に回していたお金を生活費や貯金に使うことが可能です。

債務の支払から解放されてゆとりが生まれるため、これまでの生活を見直すことができ、生活再建を図れるでしょう。

(2)金融機関から催告されなくなる

自己破産の手続きをすることで金融機関から催告されなくなります。

弁護士に自己破産の手続を依頼し、弁護士が債権者に受任通知を送付することで、債権者からの直接の取立てを停止することが可能です。

また、自己破産の破産手続きを開始する決定が発令されれば、債権者による権利行使が禁止されます。

借金生活で債権者からの取立てによるストレスから解放される点は大きなメリットと言えます。

2.自己破産によるデメリット

自己破産のデメリットを説明します。

特に把握しておくべきデメリットとして以下の点が挙げられます。

  1. 信用情報機関に事故情報が記録される
  2. 家や車を手放さなければならない
  3. 官報に氏名や住所が公告される

順に説明します。

(1)信用情報機関に事故情報が記録される

自己破産手続が開始されると、信用情報機関に事故情報が登録されます。

事故情報が登録されると、契約しているクレジットカードやローンが停止されるだけでなく、新規のクレジットカード発行やローンの申請が通らなくなるのです。

主な信用情報機関は三つで、それぞれ事故情報の登録期間は異なります。

事故情報の登録期間の目安は以下のようになっているので、どのくらいの期間で登録情報が削除されるのかを確認しましょう。

株式会社シー・アイ・シー(CIC) 株式会社日本信用情報機構
(JICC)
全国銀行個人信用情報センター(KSC)
免責許可決定確定日から5年 免責許可決定確定日から5年 手続開始決定日から10年

(2)家や車を手放さなければならない

自己破産をすると資産価値の高い家や車は手放す必要があります。

マイホームに住んでいる方は引っ越しを余儀なくされ、査定額が20万円以上の車を所有している方は移動手段として今まで利用していた車を利用できなくなる可能性があります。

信用情報機関に事故情報が登録されると、ローンを組むことができず、家や車を購入することが難しくなります。

(3)官報に氏名や住所が公告される

自己破産をした者は、官報に氏名や住所が掲載されてしまいます。

官報をチェックしている人は少ないですが、もし官報を読んでいる人が周囲にいれば、そこから自己破産をしたことがばれる可能性があります。

3.自己破産をするときの注意点

自己破産をするときの注意点

自己破産をする上での注意点を説明します。

紙面の都合上、全てをご説明することはできませんが、本記事では、以下の点を説明します。

  1. 保証人の債務はそのまま残る
  2. 滞納した税金は支払わなければならない
  3. 資格制限の対象となる職種は一時的に働けなくなる

順に説明します。

(1)保証人の債務はそのまま残る

自己破産をしても、保証人の債務はそのまま残ります。

債務者本人は借金が全額免除になりますが、保証人がいる場合は全ての借金は保証人が返済することになるため、多大な迷惑をかけることになるでしょう。

特に家族が保証人の場合は、家族にまで自己破産を選択させてしまうような状況になりかねません。

保証人がいる方は、自己破産をする前に一度話合いをしておく必要があるでしょう。

(2)滞納した税金は支払わなければならない

自己破産をしても滞納している税金は免除になりません。

住民税や固定資産税などを滞納している場合は、自己破産しても返済する必要があります。

(3)資格制限の対象となる職種は一定期間働けなくなる

資格制限の対象となる職種に就いている方は、一定期間働けなくなります。

たとえば、資格制限の対象となるのは以下のような仕事です。

資格制限の対象職種例
  • 各種の士業
  • 警備員
  • 保険外交員
  • 賃金業者
  • 旅行業務取扱主任者など


自己破産手続開始決定から免責許可決定が確定するまで、士業など公的な資格をもとに働いている方は労働を制限される可能性があります。

勤務先には、一時的な配置の移転を打診するなどの対策をとっておく必要があります。

まとめ

自己破産には、借金が免除になるなど大きなメリットがあります。

一方でデメリットもあるため、自己破産のデメリットにどのようなものがあるのか把握しておくことが重要です。

今回説明した注意点を参考に、該当する方は事前に対策を立てておきましょう。

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執筆者 実成 圭司 弁護士

所属 第二東京弁護士会

皆さまのご相談内容を丁寧にお聞きすることが、より的確な法的サポートにつながります。会話を重ねながら、問題解決に向けて前進しましょう。