過払い金の請求期限はいつ?期限が到来する前にしておくべきこと

執筆者 花吉 直幸 弁護士

所属 第二東京弁護士会

社会に支持される法律事務所であることを目指し、各弁護士一人ひとりが、そしてチームワークで良質な法的支援の提供に努めています。

「過払い金の請求期限はあるのか?」
「過払い金の請求期限がくる前に何をしておくべきなのか?」

過払い金が自分にもあるかもと思っている方の中には、請求期限がいつ来て、それまでに何をすべきなのか不安に思っている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、過払い金の請求期限や請求期限が切れても請求できるケース、請求期限がくるまでにしておくべきことについてご紹介します。

1.過払い金の請求期限

過払い金の請求期限

過払い金の請求期限は、消費者金融やクレジットカード会社との最後の返済の日から10年以内です。

つまり、借金完済後、対象のそれら貸金業者と取引が一切なかった場合は、10年以内に過払い金を請求しなければ、請求権が時効消滅してしまいます。

たとえば、2015年4月1日に借金を完済した場合は、2025年4月1日を迎えた瞬間に時効が成立するのです。

なお、2020年4月に民法が改正され、上記の時効期間に加えて、「権利を行使できることを知った日から時効を5年とする」内容の時効の主観的な要件の時効期間が規定されました。

そのため、2020年4月1日以降に生じた過払い金の返還請求権については、過払い金が生じたことを知った時から5年間を経過していると時効消滅してしまいます。

過払い金請求を検討されている方は早めの行動を心がけましょう。

2.完済から10年を経過しても過払い金を請求できるケース

完済から10年を経過しても過払い金を請求できるケース

完済した日から10年を経過した場合でも、過払い金を請求できるケースが存在します。

完済後に同一の消費者金融やクレジット会社から再度お金を借りた場合には、時効消滅期間が過ぎても請求できる可能性があります。

詳しく説明しますと、完済後に同一の業者から借金をした場合は、前の取引と後の取引が一連の取引と認められ、最初の借金の完済日から10年を経過していても時効は成立しない可能性があります。

たとえば、もし最初の借金を2010年4月1日に完済した場合、過払い金請求の消滅時効が成立するのは、10年後の2020年4月1日を迎えたときです。

しかし、過払い金請求の消滅時効が成立する前に同じ業者から借金をすると、前の取引と後のと引きが一連のものとして扱われて、2020年4月1日を迎えても返済を継続している状態、もしくは2020年4月1日に到達する前に完済しても、直近の完済から10年を経過していない状態になるため、消滅時効期間の10年が経過しているという要件に該当しない可能性があります。

借金を完済して10年を経過していても、過払い金請求の消滅時効が成立する前に、別の借金を行っている方は、過払い金請求ができる可能性があるのです。

ただし、後の取引の完済日から10年経過している場合は、どちらの取引も完済日から10年が経過してしまっているため、過払い金返還請求権は時効消滅してしまっています。

3.過払い金の請求期限が到達する前にしておくべきこと

過払い金の請求期限が到達する前にしておくべきこと

過払い金の請求期限が到達しそうな場合は、冷静に対応することが大切です。

過払い金請求の時効が間近に迫っている方は、以下の2点を実行しましょう。

  1. 弁護士に相談する
  2. 貸金業者に過払い金返還請求書を送付する

具体的にどのようなことをすればよいのかご説明するので、早急に行動に移すのがよいでしょう。

(1)弁護士に相談する

過払い金請求の時効期間が経過しそうな方は、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

裁判所に対して、直接過払い金返還請求訴訟を提起することは可能ですが、一般の方がいきなり過払い金返還請求訴訟の手続を進めるのは容易ではありません。

過払い金返還請求の訴訟をする前に、弁護士に過払い金の有無や返還請求可能な金額を確認してもらうのが一般的です。

弁護士であれば、過払い金請求訴訟の手続に慣れているので、どのように対処すればよいのか把握しています。

そのため、弁護士に相談することで迅速かつ的確に対応して過払い金返還請求権の時効消滅を避けることが期待できるでしょう。

(2)貸金業者に過払い金返還請求書を発送する

数日で過払い金請求の時効を迎えそうな場合は、速やかに貸金業者に過払い金返還請求書を送付しましょう。

貸金業者に過払い金返還請求書を送れば、民法が定める時効の完成猶予事由にあたる催告として、時効の完成を6か月間停止することができます。

この場合の請求書は、後日届いていることや内容に争いが生じないように、内容証明郵便で送るとよいでしょう。

また、内容としてはすぐに発生している過払い金の金額は分からないと思いますので請求する相手の会社と自身との貸付取引で生じている過払い金の返還を請求する旨を記載しておきましょう。

6か月間の猶予が生まれれば、その間に正確な過払い金請求の手続きを進めることが可能です。

過払い金請求の期限がすぐそこに迫っている場合は、落ち着いて過払い金返還請求書の準備を進めましょう。

まとめ

過払い金請求は、完済した日から10年を経過すると時効期間を迎えてしまいます。

例外はありますが、完済して10年が経つと、過払い金を請求できなくなるので、期限が近づいている方は速やかに行動に移しましょう。

弁護士法人みずきでは、過払い金に関する相談を無料で受け付けております。

経験豊富な弁護士が丁寧に対応しますので、過払い金でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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執筆者 花吉 直幸 弁護士

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