リボ払いが払えない場合はどうする?放置するリスクや弁護士に相談するメリット

「リボ払いが払えない状態が続くとどうなるのか」
「リボ払いが払えなくなったときはどうしたらいいのか」
リボ払いの支払で困っている方の中には、このような不安や疑問をお持ちの方もいると思います。
リボ払いは、クレジットカードの決済方法の1つであり、あらかじめ決めておいた支払額を毎月支払うというものです。
これにより、利用額に関わらず毎月の支払額を一定にすることができるというメリットがありますが、よく仕組みを理解した上で利用しないと、支払しきれないくらいに利用残高が膨れ上がってしまうこともあります。
残高が高額となり、支払が滞ってしまうと、残高の一括請求を受けてしまうなどのリスクがあるため、リボ払いはよく考えて利用しなければなりません。
本記事では、リボ払いによる支払ができなくなる理由、支払を延滞するリスク、対処法等について解説します。
1.リボ払いが払えなくなる主な理由
リボ払いは、クレジットカードの利用金額や件数に関わらず、毎月、あらかじめ決めておいた金額を支払う決済方法です。
支払金額は、利用額の残高によって最低金額が決められているものの、残高が多額でなければ数万円にとどめることができます。
手元にまとまったお金がない場合に高額な買い物をしても、支払金額を一定にすることができるため、生活への圧迫を少なくできるように見えます。
しかし、実際には、よく考えて利用しなければ返済ができないくらい高額の債務を負ってしまうリスクがある点に注意しなければなりません。
債務が高額となると、月の支払額の最低金額も高額にせざるを得なくなり、支払が滞ってしまう可能性があります。
債務が高額化してしまう原因には、以下のようなものが挙げられます。
- 完済まで手数料が発生する
- 払い続けても残った債務額が減りにくい
- 収支が合っていないことに気づかずに利用し続ける
順にご説明します。
なお、リボ払いの仕組みについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
(1)完済まで手数料が発生する
リボ払いでは、支払金額に対して手数料が設定されています。
手数料の金額は、以下の計算式で算出することができます。
- 利用残高×利率×利用日数÷365日
利用するクレジットカード会社によって利率は異なるものの、年15%程度に設定されていることが一般的です。
仮に利率が年15%、利用金額が10万円の場合、最初の1か月(30日)で支払う手数料の金額は、以下のようになります。
- 10万円×15%×30日÷365日≒1,233円
仮に1か月の返済金額を5,000円に設定している場合には、利用額の返済にあてられるのは、手数料を差し引いた金額である3,767円にとどまります。
このように、債務が残っているとそれに対して手数料が発生し続けるため、買い物に利用した分以上の金額を支払う必要が生じます。
手数料の金額は利用額が高くなればなるほど増えていきますから、利用が長くなり、債務が高額になると、それまでに発生した手数料の金額も高額になってしまいます。
リボ払いでは、この手数料の分も支払が必要になるため、完済が難しくなるのです。
(2)払い続けても利用額の残高が減りにくい
上記のように、毎月の返済額には手数料が含まれているため、利用額の残高がなかなか減らないことが多いです。
月の支払額が少ないからといってリボ払いで多額の買い物をし続けると、利用額の残高が高額となり、月の支払額のほとんどが手数料の支払にあてられている、という事態になりかねません。
リボ払いを利用する場合は、高額な買い物に利用する前に利用額の残高の確認をチェックするなど、月の支払によって残高がちゃんと減る状況になっているか把握することが大切です。
(3)収支が合っていないことに気づかずに利用し続ける
リボ払いは、利用金額や件数に関わらず一定の金額を支払う形で利用し続けることができます。
そのため、問題なく支払ができており、利用額の残高も減らせていると思い違いをしやすく、実際には収支が合っていない場合でも気づかずに利用し続けるケースが発生します。
しかし、すでに触れてきたとおり、毎月の支払金額の中には手数料が含まれており、利用額の残高が支払った金額の分減っていくわけではありません。
複数社でリボ払いを利用しているような場合には返済すべき金額がいくら残っているのかも把握できず、利用を続けてしまっているというケースもありえます。
支払が滞った時点で確認したら、利用額の残高が途方もない金額に達していることもあります。
そのため、リボ払いで決めた月の支払額の支払は問題なくできているという場合でも、残高の金額に注意しておくことが必要です。
2.リボ払いを延滞するリスク
リボ払いを無計画に利用し続けると、支払額の残高が高額となって、月の支払金額もある程度高い金額に設定せざるを得なくなり、返済が滞ってしまう可能性があります。
ただし、一度返済が滞った場合でも、すぐに支払を再開することができれば、法的な問題に発展しないことが多いです。
一方で、返済ができない状態が続けば、以下のようなリスクが生じます。
- 一括請求を受ける
- 遅延損害金が発生する
- カード会社から督促の連絡が入る
- 信用情報機関に延滞の事実が登録される
- 訴訟などの法的手続に移行する
順にご説明します。
(1)一括請求を受ける
返済期日を経過すると、クレジットカード会社から一括請求を受けることになります。
クレジットカード会社と利用者との契約には、利用者が返済期日を守らなかった場合、利用者が返済期日までは債務の支払をしなくてもよいとする「期限の利益」を失うという条項を定めています。
返済期日を過ぎても支払ができないと、利用者はこの期限の利益を失うことになり、クレジットカード会社は一括返済を求めることができるようになります。
そうなると、後述のように、クレジットカード会社からは返済を求める連絡が入るようになってしまいます。
(2)遅延損害金が発生する
返済期日を徒過すると、利息に代わり、遅延損害金が発生するようになります。
遅延損害金は、返済が遅れたことに対する制裁の意味合いを持ち、利息よりも高い利率が設定されていることが多いです。
返済が遅れれば遅れるほど、遅延損害金の負担も大きくなることに注意が必要です。
遅延損害金の利率や具体的な計算方法については、以下の記事もあわせてご覧ください。
(3)カード会社から督促の連絡が入る
先に触れたとおり、返済期日を経過すると、クレジットカード会社は一括請求ができるようになります。
そうなると、クレジットカード会社から、電話や手紙などによって督促の連絡が入るようになります。
最初は一括請求ではなく、遅れている約束の支払金額を払うようにという連絡がされることが多いです。
この時点で支払を行うことができれば、元どおりの利用を続けられることも多いです。
しかし、この連絡を無視し続けると、利用額の残高の一括請求を受けるようになります。
したがって、カード会社からの連絡があった場合には、無視することなく何らかの対応を行うことが必要です。
返済の目途が立たない場合には、この時点で専門家である弁護士に相談するなどの対応を行い、後述する法的手続への移行を回避することが重要です。
(4)信用情報機関に延滞の事実が登録される
支払ができずに2~3か月程度の期間が経過すると、信用情報機関に支払を延滞したことが登録されてしまいます。
信用情報機関とは、加盟する金融機関から顧客情報の提供を受けてこれを管理し、各金融機関から照会があれば、当該顧客の借入れや返済に関する情報を提供する機関です。
リボ払いなどの返済が遅れているという事実は、支払ができなくなったという事実(金融事故)を起こした情報(事故情報)です。
各金融機関は借入れ等の申込みを受けた際に信用情報機関に照会を行いますので、申込者についての事故情報を知った場合には申込みを拒否することになります。
このように、事故情報が登録されると借入れやローンなどの利用ができなくなってしまいます。
(5)訴訟などの法的手続に移行する
一括請求を受けても支払ができない場合には、クレジットカード会社による支払督促の申立てや訴訟提起などが行われるリスクがあります。
このような手続が行われた場合には、裁判所から書類が届きます。
裁判所から書類が届いたにも関わらず、なんの対応もしないと、仮執行宣言付支払督促や債権者勝訴の判決が出されます。
それに対しても何もしなければ、それらが確定することになります。
確定した仮執行宣言付支払督促や判決は、「債務名義」と呼ばれ、債権者はこれをもとに差押えなどの強制執行手続を行うことが可能になります。
こうなってしまうと、債務者の財産(預貯金や給与債権など)が差押えの対象となり、それらの財産を債権者にとられてしまう可能性が生じます。
法的手続に移行してしまうと、債権者が分割払いの提案等に応じてくれる確率も下がってしまいます。
そのため、法的手続に移行する前に、後に述べるような対応を行うことが重要です。
なお、支払督促の流れや注意点などについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
3.リボ払いの支払ができなくなる前に行うべき対処法
リボ払いの返済ができなくなってしまった場合、最終的に法的手続に移行し、財産を差し押さえられる状況となるリスクを抱えることになります。
これを避けるためには、リボ払いの支払が滞ってしまう前に以下のような対処を考えられるとよいでしょう。
- 一括支払や繰上げ返済を行う
- 債務整理を行う
順に解説します。
(1)一括支払や繰上げ返済を行う
支払が滞る前に一括支払や繰上げ返済を行うことを検討しましょう。
先ほども触れたように、リボ払いを漫然と利用し続けて利用額の残高が高額になると月の最低支払額も高額となり、支払が滞る可能性もあるため、なるべく支払残高を少なくしておくことが重要です。
普段から利用残高を確認しておき、余裕があるときにはなるべく一括支払をするようにしましょう。
(2)債務整理を行う
上記のような対応ができず、支払の目途が立たない場合には、弁護士に相談の上で債務整理を行うことも検討しましょう。
債務整理を行うことで、リボ払いの残債務のほかに借金がある場合にも、返済義務の軽減や免除を受けられる可能性があります。
債務整理には、主に以下の3つの方法があります。
- 任意整理
- 自己破産
- 個人再生
順に説明します。
なお、それぞれに共通するメリット・デメリットなどについては、以下の記事でも解説しています。
#1:任意整理
任意整理とは、将来的に発生する利息の免除や返済スケジュールの再設定(概ね5年程度での分割払いを目標とします。)について債権者と直接交渉し、その内容での合意を目指す手続です。
リボ払いで苦労する最大の原因は手数料(利息)が発生することにありますが、任意整理によって利息の免除を合意できれば完済までに支払う金額の総額を減らすことができますし、長期の分割にできれば月の支払額も少なくすることができます。
もっとも、少なくとも元本部分の支払義務は残るため、支払そのものが必要なくなるわけではありません。
そのため、支払を継続できるだけの収入の見込みがないときには、任意整理を行うのは難しいといえるでしょう。
なお、手続のメリット・デメリットや流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。
#2:自己破産
自己破産は、借金の返済が困難であることを裁判所に認めてもらい、一定の価値以上の財産については換価して債権者に配当した上で、裁判所の決定により債務の支払義務の免除(免責許可決定)を受ける手続です。
免責許可決定を受けることによって、債務の支払義務が免除されるというのが大きなメリットといえます。
もっとも、一定以上の価値がある財産を保有している場合には、手続の中で換価処分が行われ、債権者に配当に回されてしまいます。
換価の対象となるのは、33万円以上の現金、その他20万円以上の財産(住宅などの不動産、車やバイクなどの動産、預貯金など)で、合計99万円を超える部分です。
そのため、保有している財産の価値が高い場合には、それらを手放さなければならないことがデメリットになります。
また、借入れの原因が浪費である、借入れの際に自身の収入や債務額を偽るなどの詐欺的手段を用いたなどの事実は、免責を受けられなくなる事由(免責不許可事由)が法律に定められています。
この免責不許可事由が存在する場合には免責を受けられない可能性もあります。
なお、自己破産の手続の流れや自己破産を行う際の注意点などについては、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
#3:個人再生
個人再生は、借金の返済が困難であることを裁判所に認めてもらい、債務の総額等に応じて債務額を減額し、その金額を原則3年にわたって返済する再生計画案の認可を受け、その内容に従って返済を行う手続です。
利息だけでなく、元本まで一定の割合で減額することができるため、返済負担の大幅な軽減が実現できます。
個人再生は自己破産と異なり免責不許可事由が定められていないため、免責不許可事由があって自己破産が行えない場合などに利用されます。
なお、個人再生の手続の流れやメリット・デメリット、手続上の注意点などについては、以下の記事もあわせてご覧ください。
4.支払ができなくなった場合にやってはいけないこと
リボ払いの支払ができなくなった場合やできなくなりそうな場合には、上記のような対応を検討すべきです。
一方で、支払が難しくなってきた場合に、やってはいけないこともいくつか考えられます。
具体的には、以下のような行動が挙げられます。
- ほかの金融機関から借入れを行う
- クレジットカードで購入した商品を現金化する
これらの行為は、借金問題を解決することにはならず、かえって状況を悪化させるリスクが高まります。
それぞれ説明します。
(1)ほかの金融機関から借入れを行う
リボ払いの支払にあてるお金を捻出するためにほかの金融機関や貸金業者から借入れを行うことは、避けるべきです。
新たな借入れを行うことは、返済負担を増やすことにつながり、借金問題を解決することにはなりません。
その借入れによってリボ払いの支払ができたとしても、債務全体を返済する目途が立たなければ、支払ができない状況には変わりがありません。
このような借入れは、返済のために新たな借入れを繰り返す「自転車操業」に陥り、多重債務を負ってしまうリスクを高めてしまいます。
自転車操業に陥ると、もはや債務を完済するのは不可能となります。
支払の目途が立たなくなってしまっている場合には、早期に弁護士に相談するようにしましょう。
なお、自転車操業の概要とリスクについては、以下の記事もご覧ください。
また、多重債務に陥る原因やリスクについては、以下の記事でも解説しています。
クレジットカードの利用から多重債務に陥るリスクについては、以下の記事も参考になります。
(2)クレジットカードで購入した商品を現金化する
クレジットカードのショッピング枠を利用して購入した商品を売却して現金に換える行為も避けなければなりません。
これは「クレジットカードの現金化」と呼ばれる行為であり、クレジットカードの利用規約で禁止されています。
このような行為を行ってしまうと、利用規約に抵触し、発覚した場合には利用残高の一括請求を受けるリスクが高まってしまいます。
また、クレジットカードの現金化を行ったとしても、商品代金よりも低い金額しか手に入れることができません。
そのため、クレジットカードの現金化は急場しのぎになったとしても、経済的には損しかない行為です。
さらに、クレジットカードの現金化は、自己破産における免責不許可事由とされているため、自己破産による支払義務の免除を受けられなくなる可能性もあります。
このように、クレジットカードの現金化は百害あって一利なしというべき行為です。
クレジットカードの現金化を行うリスクや債務整理への影響などについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
5.弁護士に相談するメリット
ここまでみてきたように、リボ払いの返済が滞りそうになった場合、あるいは滞った場合、そのままにすると財産の差押えを受けることにつながりかねません。
そのため、早期に弁護士に相談することが大切です。
弁護士に相談することで、以下のようなメリットがあります。
- 収入状況などに適した解決方法の提案を受けられる
- 債権者からの督促や取立てが停止する
- 手続の代理を依頼することができる
順にご説明します。
(1)収入状況などに適した解決方法の提案を受けられる
弁護士に相談することで、収入状況などに適した解決方法の提案を受けることができます。
すでに触れたように、一括返済や繰上げ返済ができない場合は、債務整理で解決を目指すべきことになります。
ただし、これもすでに説明したように債務整理には3つの手続があるところ、収入や債務額などに応じて適切な手続は異なります。
債務整理の経験のある弁護士であれば、債務者の状況などを客観的にみて、債務者に合った解決方法を検討し、提案することができます。
なお、各手続を行うための条件や要件については、以下の記事で詳しく解説しています。
(2)債権者からの督促や取立てが停止する
弁護士に債務整理の手続を依頼することで、債権者からの督促や取立てが停止する点もメリットです。
債務整理の手続について弁護士が代理人となると、債権者に対して受任通知を送付します。
受任通知を受け取った債権者は、それ以降、債務者に対して直接督促や取立てを行うことを禁止されます。
これにより、債権者からの督促や取立てから一時的に開放され、弁護士に依頼した手続の準備を、精神的にゆとりを持って進めることができるようになります。
また、返済についても、ほとんどの場合、一時的に猶予を得られますので、手続にかかる弁護士費用や裁判所に納める手数料などの準備もしやすくなります。
(3)手続の代理を依頼することができる
弁護士に相談・依頼することで、そのまま手続を一任することができます。
特に個人再生と自己破産では、申立書の作成や裁判所によって定められた添付資料の収集が必要となります。
弁護士に依頼すれば、申立書の作成は弁護士が行いますし、添付書類の収集についてもアドバイスを受けることができます。
また、任意整理では債権者と直接交渉を行ったり、自己破産では裁判所に出廷したりする必要がありますが、これについても弁護士が行う、あるいは弁護士に付き添ってもらってサポートを受けることができます。
債務整理の経験のある弁護士に依頼すれば、手続の準備から進行まで、負担を軽減しつつ、ポイントを押さえながら進めることができるようになるのです。
まとめ
リボ払いの支払ができない場合、そのままにすることにはさまざまなリスクがあるため、早めに対処することが大切です。
特に債権者から支払の督促を受けている状態に至っているのに放置すると、その後は法的手続に移行されてしまいます。
リボ払いの返済が厳しい、あるいは返済が滞っている方は、速やかに弁護士に相談するのがおすすめです。
弁護士であれば、債務者の収入や借入状況などに応じた最適な解決方法を提案することができます。
弁護士法人みずきでは、借金に関する相談を無料で受け付けておりますので、リボ払いの返済でお困りの方はお気軽にご相談ください。
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