むちうちの主な治療期間は?治療を行う際の注意点と治療後の流れ

執筆者 金子 周平 弁護士

所属 栃木県弁護士会

法律は堅苦しいという印象はあるかと思います。しかし、そんなイメージに阻まれて、皆さんの問題や不安が解決されないのは残念でなりません。
私は、そんな法律の世界と皆さんを、柔和に橋渡ししたいと思っています。問題解決の第一歩は、相談から始まります。
皆様が勇気を振り絞ってご相談をしていただければ、後は私どもが皆様の緊張や不安を解消できるよう対応し、法的側面からのサポートができればと思います。敷居はバリアフリーです。あなたの不安を解消するために全力でサポート致します。

「むちうちの治療はどのくらいすればいいのか」
「むちうちの治療が終わった後の流れはどのような感じなのか」

交通事故でむちうちになった方の中には、どのくらい治療を行えばよいのかわからない方もいるのではないでしょうか。

本記事では、むちうちの治療期間や治療後の流れについてご紹介します。

1.むちうちの主な治療期間

むちうちの主な治療期間

むちうちは、診断名としては頚椎捻挫や頚部挫傷などとされます。

これらの怪我は、一般的には1ヶ月から3ヶ月程度で治癒すると言われています。

しかし、交通事故による強い衝撃が加わった場合には、より長期間の治療が必要となり、治療期間が6ヶ月程度となることも珍しくはありません。

また、治療開始から6ヶ月を経過しても症状が改善しない場合は、症状固定とされる可能性がありますので、その場合は後遺障害診断書を受け取り、後遺障害認定を申請しましょう。

2.治療時の3つの注意点

治療時の注意点

むちうちの治療を行うときに、いくつか気を付けるべき点があります。

主な注意点は以下の3つです。

治療を行うときの注意点

  1. 事故から速やかに治療を始める
  2. 医師の指示通りに治療を行う
  3. 治療費の打ち切りを打診されたら医師に相談する

それでは、どのようなことに注意すればよいのかご説明します。

(1)事故から速やかに治療を始める

交通事故に遭ったら、速やかに治療を始めることが大切です。

治療の取り掛かりが早いほど、症状の改善が早くなる可能性があります。

また、怪我と交通事故との因果関係を医学的に証明しやすくなり、示談交渉を有利に進めやすくなるのです。

逆に事故から初診までの日数が長くなるほど回復が遅くなり、症状と交通事故との因果関係を証明することが難しくなります。

事故直後は興奮状態に陥っていることもあり、身体に何らかの症状が出ていても気づかないこともあるでしょう。

そのため、翌日以降であっても症状を自覚したらすぐに整形外科を受診するようにしましょう。

(2)医師の指示通りに治療を行う

担当医から治療の方針を説明されたら、完治もしくは症状固定となるまで、指示通りに治療を行いましょう。

むちうちでも症状に個人差があり、完治までは至っていなくても症状が軽いという理由で、通院を続けない人も出てきます。

しかし、損害賠償金の算定において通院状況等が加味されるため、定期的に治療を行わなかった場合、示談金が減額されることもあるのです。

そのため、担当医から治療スケジュールを示されたら、その方針にしたがって定期的に治療を行いましょう。

(3)治療費の打ち切りを打診されたら医師に相談する

むちうちの治療が長引くと、加害者側から治療費の打ち切りを打診されることがあります。

治療が継続中にもかかわらず、加害者側から治療費の打ち切りを打診されたら、素直に応じるのではなく、医師に相談してみましょう。

医師が治療を打ち切るべきではないと判断したら、弁護士に相談し、治療の継続が必要であることを加害者側に対して説明してもらうことをおすすめします。

3.治療後の主な流れ

治療後の主な流れ

ある程度治療に目途が立ったら、加害者側と示談交渉を始めることになります。

治療後の主な流れは以下のとおりです。

治療後の主な流れ

  1. 症状固定を見極める(改善しない場合)
  2. 後遺障害等級認定を申請する(症状固定の場合)
  3. 示談交渉開始
  4. 損害賠償金の受領

今回は、後遺障害を患ったケースでご説明します。

もし治療によって症状が完治した場合は、3からスタートしましょう。

(1)症状固定を見極める(改善しない場合)

半年を目安に治療を継続したが、いつまで経っても改善が見込めない場合は、担当医と相談し症状固定(治療を続けても症状が改善しない状態)かどうかを見極めることになります。

症状固定時期に来ていると判断されたら、担当医に後遺障害診断書を作成してもらいます。

(2)後遺障害等級認定を申請する(症状固定の場合)

担当医から後遺障害診断書を受け取ったら、必要な書類を揃えて、後遺障害等級認定の申請を行います。

後遺障害等級とは、後遺障害の程度を14に区分化した指標です。

認定等級ごとに目安となる賠償金額があるため、その金額をもとに示談交渉を行うことになります。

後遺障害等級認定の申請方法は、事前認定(加害者側の任意保険会社に手続を代行してもらう方法)と被害者請求(被害者自ら手続を行う方法)の2つです。

事前認定は手間を省けるメリットがありますが、慰謝料に大きな影響を与える後遺障害等級の認定申請を加害者側に任せることになるため、適切な等級の認定を受けられない可能性があります。

慰謝料を支払うのは相手任意保険会社なので、必要最低限の情報のみを提供して、本来の等級よりも軽い等級で認定されるように仕向ける会社がいても不思議ではありません。

適切な後遺障害等級で認定を受けるためには、より細かく後遺障害程度を証明することが求められるので、手間はかかるかもしれませんが、なるべく被害者請求で申請するのが無難です。

なお、以下の記事で被害者請求の流れについて解説しているので、あわせてご覧ください。

後遺障害等級認定の被害者請求とは?メリット・デメリットと主な流れを解説

(3)示談交渉開始

治療が完治した方や後遺障害等級の認定を受けた方は、加害者側と示談交渉を始めます。

加害者側が提示してくる金額は、被害者に不利な形で算定されている可能性があるため、提示金額を鵜呑みにしてはいけません。

一度示談が成立してしまうと、後から示談金について再度交渉することはできないので、提示された金額に納得がいかない方は、その場で応じないようにしましょう。

なお、示談交渉を弁護士に依頼すれば、弁護士基準で示談金を算定し、交渉することができます。

交渉の負担も軽減できるだけでなく、被害者に有利な形で交渉を進めてくれるため、示談交渉に自信がない方は、一度弁護士に相談してみるとよいでしょう。

(4)損害賠償金の入金

示談が成立すると、後日損害賠償金が入金されます。

成立した示談内容通りに入金されているか確認しましょう。

示談交渉等を弁護士に依頼した場合は、入金された金額から弁護士費用を払うことになります。

まとめ

むちうちの治療期間は重症度によってさまざまですが、長い場合には3ヶ月以上、場合によっては半年程度かかることも珍しくありません。

まずは、治療に専念し、ある程度治療の目途が立ったら、加害者側と示談交渉を行うことになります。

交渉相手が任意保険会社の場合、被害者に不利な形で交渉を進めてくる可能性が高いので、交渉に自信がない方や少しでも有利に交渉を進めたい方は、弁護士に依頼するのがおすすめです。

弁護士法人みずきでは、交通事故に関する相談を無料で受け付けておりますので、むちうち等の症状で悩まされている方はお気軽にご相談ください。

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執筆者 金子 周平 弁護士

所属 栃木県弁護士会

法律は堅苦しいという印象はあるかと思います。しかし、そんなイメージに阻まれて、皆さんの問題や不安が解決されないのは残念でなりません。
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