高次脳機能障害と診断されて、後遺障害等級に認定するための4つのポイント

交通事故で頭をぶつけてから、「人が変わってしまった」「事故前はできていたことができなくなった」など、外見上は変わりがなくても、交通事故被害者の方が日常生活や労働に支障を来たしてしまう場合があります。

「高次脳機能障害」という名前を聞いたことはありませんか。

簡単にいうと、脳にダメージが生じたために、脳が部分的に傷ついたり、脳の神経同士の連絡が断たれたりして、脳がうまく働かなくなってしまうというものです。

この高次脳機能障害が、相当期間の治療やリハビリをしても治りきらない場合、その後安心して生活していくためにも、後遺障害の認定を受けて、適切な賠償を得ることがとても重要です。

後遺障害認定を得るためには、どうしたいいのでしょう。

高次脳機能障害の場合、治療中の被害者の方ご本人が適切な対応をしていくことが難しいのが現実です。

今回は、治療中もその後も一緒に生活を続けていく周りの皆さまに向けて、以下のポイントをお伝えします。

(1)身近な周りの方が“症状”に気付きましょう。

お医者さんは、被害者の方の以前の性格や能力を知らないことが多く、他の怪我などの治療を優先したり、一過性のものと考えたりして、見過ごしてしまうことも多いのです。

また、被害者の方ご本人が気づいていないケースも多くあります。

そこで、以前の被害者の方をご存知で、日常生活をともにしている方などが、事故後の変化に気づいてあげることが大切なのです。

(2)症状に気が付いたら、お医者さんに伝えて、日記に記す

「こちらの言っていることが理解できていないみたい。会話がスムーズにできなくなってしまった。」

「1人で行くと、買い物ができずに帰ってきてしまう。」

「右と左をよく間違えるようになった。」

「何度も同じことを聞いてくるようになった。どうやらすぐに忘れてしまうよう。」

「何かしていても、すぐにボーっとして手を止めてしまうようになったし、ミスも増えた。」

「前は穏やかな性格だったのに、怒りっぽくなった。感情をコントロールできていないみたい。」

などなど。

お医者さんに伝えることで、カルテや診断書に記載を残してもらうことができますし、高次脳機能障害として適切な治療・リハビリを受けられる病院や診療科へ紹介してもらうことができます。

また、気づいた方ご本人が、日記のように、日付や天気などその日の情報も交えて、記録を残しておくことで、のちのちの後遺障害認定に役立つ資料とすることができるのです。

具体的なエピソードとともに、“変化”“症状”を記録しましょう。

(3)定期的に頭部のMRI・CTを撮る

脳の損傷を示す脳の萎縮や、脳室の拡大等は、事故後に進行していくことから、事故直後ではなく、事故後しばらく(3ヶ月ほど)経ってから撮ったMRIやCT画像上に把握できることが多いです。

脳の萎縮や脳室の拡大等がもっと早く進行するケースもあるので、症状に気が付いたらできるだけ早く頭部のMRI・CTを撮ってもらい、その後も定期的にMRI・CTを撮って、脳の変化を把握していくことが大切です。

また、症状によっては、その程度を量的に測ることができる検査もあります。お医者さんと相談しながら、適切な検査を受けて、検査結果を残しましょう。

(4)相当長期間の治療やリハビリを続けましょう。

高次脳機能障害が“残った”といえるためには、相当程度長期間の治療やリハビリを継続していただく必要があります。

具体的には、通常は2年間、少なくとも1年間は通院が必要です。

記憶や感情に関する機能など、1~2年で大きく回復することが多いので、このように長い目で治療の効果や症状の変化を見ていく必要があるのです。

高次脳機能障害案件は、見逃されやすい上に、治療や回復に時間がかかり、被害者ご本人が辛いだけでなく、見た目は変わらないのに中身が変わってしまった被害者の方と生活する周りの皆さまも疲れ果ててしまったり、辛い思いをすることが多い、非常に難しいものです。

目次

まとめ

高次脳機能障害について後遺障害申請をしていく場合、上記①~④のポイントを抑えるだけでなく、医師に書いてもらう必要のある専門的な書類が数種類あります。

被害者の方の通院に付き添ったり、生活を見守ったりしながら、専門的な書類の収集を含め後遺障害申請手続にまで気を回すのはあまりにも大変です。

そんなときは、ぜひ当事務所の弁護士にご相談ください。

皆さまが日ごろ抱えている不安やストレスについてもお話しください。

被害者の方だけでなく、ともに戦っている周りの皆さまに寄り添いながら、法的なサポートをさせていただきます。

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