家族と一緒の事故と友人と一緒の事故で気を付けるべき点の違いを解説

(1)家族と一緒の事故で気を付けるべき点

ご家族と一緒にいるときの事故で、お怪我を負ってしまった場合、気にした方が良いことは、皆さんの年齢や身体的な特徴、運転者や監護者の過失がご家族の賠償に与える影響です。

まず、年齢や身体的な特徴は、治療の経過に関わることなので、重要です。

年齢によって、症状の軽快が遅くなることもありますし、元々痛みに弱い体質であればそれだけ満足のいく治療を受ける期間は長くなります。

一方で、同じような衝撃を受けたのだから、同じくらい通院すれば治るはずだというような考え方も現に存在しますので、このように決め付けられないよう、ご自身の年齢や身体的な特徴に目を向けるのが良いと思います。

次に、運転者や監護者の過失がご家族の賠償に与える影響です。

運転者や監護者に一切の落ち度がない、いわゆる0対100の事故であれば、考える必要もないのですが、運転者や監護者に少しでも過失が生じそうな場合は、良く考えなければなりません。

運転者や監護者に過失が認められる場合、実際にご家族が同乗していただけ、そばにいただけという場合でも、そのご家族の賠償には影響を及ぼします。

これを、「被害者側の過失」と呼びます。

裁判所は、「被害者側の過失とは、・・・被害者と身分上ないしは生活関係上一体をなすとみられるような関係にある者の過失をいうものと解する」(最判昭和42年6月27日判決)として、ご家族の賠償に影響を及ぼすことを明確に述べています。

これはすなわち、家計(サイフ)が一緒であれば、受け取る賠償金は同じ家計(サイフ)に入るのだから、人単位で考えて区別せずに、家計(サイフ)単位で考えた方が公平性が保たれるという発想に基づいています。

そのため、ご相談いただいたときに、ご家族と一緒の事故だとわかった場合、「ご一緒にお住まいですか」だとか、「生活費はどうされていますか」だとか、一見事故とは関わりないと思われるようなご質問をすると思います。

その際は、どうかご容赦ください。

(2)友人と一緒の事故で気を付けるべき点

友人と一緒にいるときの事故の場合、上記のように家計(サイフ)単位で考えることはありません。

しかし、例えば運転者にのみ過失が生じるような場合、同乗者から一部賠償金を運転者に請求しなければならないという事態に直面します。

このような場合は、お互いの利益が相反する関係になってしまいますので、同じ弁護士(同じ法律事務所)が運転者と同乗者の依頼を同時にお引き受けすることができなくなってしまいます。

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