交通事故による後遺障害等級7級の事例とは?認定基準をわかりやすく解説!

交通事故による後遺障害等級7級の事例とは?認定基準をわかりやすく解説!

執筆者 実成 圭司 弁護士

所属 第二東京弁護士会

皆さまのご相談内容を丁寧にお聞きすることが、より的確な法的サポートにつながります。会話を重ねながら、問題解決に向けて前進しましょう。

「後遺障害等級7級に認定される症状はどのようなものがあるの?」
「後遺障害等級7級の逸失利益はいくらなの?」

後遺障害等級7級は労働能力喪失率が56%とされ、日常生活に著しい影響を及ぼすと判断される等級です。

視力や聴力、手足や指の後遺症だけでなく外貌に関する後遺症も7級に該当する可能性があります。

ここでは、後遺障害等級7級の具体的な症状、慰謝料や逸失利益の相場、認定を受けるためのポイントについてご説明します。

1.後遺障害等級7級の認定基準となる症状とは?

1.後遺障害等級7級の認定基準となる症状とは?

後遺障害等級7級は視力や聴力の低下、手足や指の切断、外貌といった後遺症が該当します。

ご自身の症状が7級に該当するかどうかの判断が難しければ、弁護士に相談しましょう。

(1)1号:1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの

1号は片方の眼が失明し、もう一方の眼の視力が0.6以下になる状態です。

失明とは、眼球を摘出したもの、明暗を弁じ得ないもの、ようやく明暗を弁ずることができる程度のものをいい、光覚弁または手動弁を含みます。

光覚弁は、暗室で被検者の眼前で照明を点滅させて明暗が弁別できる視力をいい、手動弁は、検者の手掌を被検者の眼前で上下左右に動かし、動きの方向を弁別できる能力をいいます。

視力は、裸眼のほかに、メガネやコンタクトレンズを装着して測定する場合もあります。

(2)2号:両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

2号は40cm以上ある距離で相手から普通の声で話しかけられた際に、内容を聞き取れない状態を指します。

この状態に当たるか否かは、聴覚検査法(1990)により行う聴力検査により判断されます。

聴力検査は、日を変えて原則として3回行われます。

また、聴力障害については、事故によって生じたものといえるのかが争われることがあります。

特に交通事故から一定期間経過した後に症状が現れた場合には、因果関係を立証することが大切です。

(3)3号:1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの

片耳の聴力が全くない状態で、もう一方の耳も1m以上の距離で相手から普通の声で話しかけられた場合に、内容を聞き取れない状態を指します。

この状態に当たるか否かは、(2)と同様、聴覚検査法(1990)により行う聴力検査により判断されます。

(4)4号:神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの

4号は、脳や脊髄が損傷して神経系統の機能や精神に障害が残り、簡単な仕事しかできない状態が該当します。

高次脳機能障害や上下肢の麻痺といった症状が代表的です。

たとえば、脳外傷による高次脳機能障害により、就労はできるが、作業手順が悪かったり、約束を忘れる、ミスが多いことなどにより一般人と同等の作業を行うことができない場合は、本号にあたる可能性があります。

(5)5号:胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの

5号は胸部や腹部の臓器の働きに障害が残り、これによって労働や日常生活に支障がある状態を指します。

たとえば、下記の器官障害が挙げられます。

  • 呼吸器関連
    呼吸が苦しくなり、平地でさえ健常者と同様には歩けないが、自分ペースでなら1km程度の歩行が可能な場合
  • 循環器関連
    除細動器の植え込みが必要なほど、不整脈が起きるリスクが常にある場合
  • 消化器関連
    人工肛門の造設が必要であったり、完全便失禁などの症状が認められる場合
  • 泌尿器関連
    持続性または切迫性尿失禁などの症状が認められる場合

(6)6号:1手のおや指を含み3の手指を失ったもの又はおや指以外の4の手指を失ったもの

6号は片手の親指を含む3本、または親指以外の4本の指を失った状態を指します。

利き手がどちらであるかは、特に問われません。

この場合の「失った」とは、親指の場合は指節間関節(1番指先側の関節)以上を失ったこと、それ以外の指の場合は近位指節間関節(指先から2番目の関節)以上を失ったことをいいます。

(7)7号:1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの

7号は片手5本指、または親指を含む4本の指の半分以上を失ったり、著しい運動障害を残したりする症状が該当します。

この場合も対象の手が利き手かどうかは特に問題になりません。

ここにいう「用を廃した」とは、各指の末節骨(1番指先の骨)の半分以上を失ったこと、又は、親指の場合は指節間関節(一番指先側の関節)の可動域が2分の1以下に制限されること、それ以外の指の場合は中手指節関節(指先から3番目の関節)または近位指節間関節(指先から2番目の関節)の可動域が2分の1以下に制限されることをいいます。

(8)8号:1足をリスフラン関節以上で失ったもの

片足のリスフラン関節(足の甲の関節)から先の部分が無くなった状態です。

リスフラン関節は足骨の前後をつなぐ上で大事な関節です。

(9)9号:1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの

9号は腕の骨折部分が十分にくっつかず、骨の破片同士がグラグラ動いている状態(偽関節)で、著しい運動障害が認められる場合を指します。

この状態では、プラスチックや金属製の補装具といった硬性の補装具が常に必要になります。

(10)10号:1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの

10号は片足の骨折部分がくっつかず、偽関節が残っている状態で、著しい運動障害が認められる場合を指します。

9号と同様、硬性の補装具が常に必要な状態です。

(11)11号:両足の足指の全部の用を廃したもの

11号は両足の指全ての用を廃した場合を指します。

ここにいう「用を廃した」とは、足の親指の末節骨(1番指先の骨)の半分以上を失ったこと、又は、指節間関節(一番指先側の関節)の可動域が2分の1以下に制限されること、及び、それ以外の全部の指の遠位指節関節(1番指先の側の関節)以上を失ったこと、又は、中足指節関節(指先から3番目の関節)または近位指節間関節(指先から2番目の関節)の可動域が2分の1以下に制限されることをいいます。

なお、片足の指の用廃の場合、本等級には該当しません。

(12)12号:外貌に著しい醜状を残すもの

外貌とは、頭部や顔面部、頸部のように、上肢下肢以外の日常露出する部分のことをいいます。

そして、「著しい醜状を残すもの」とは、原則として次のいずれかに該当する場合で、人目につく程度以上のものをいいます。

  • 頭部・・・手のひら大以上のケロイド状の痕、又は、頭蓋骨の手のひら大以上の欠損
  • 顔面部・・鶏の卵大より大きなケロイド状の痕、又は、10円玉大以上の組織陥没
  • 頸部・・・手のひら大以上のケロイド上の痕

(13)13号:両側の睾丸を失ったもの

13号は男性が両方の精巣を失った状態を指します。

また、常態として精液中に精子が存在しない場合には本号が準用されます。

女性についても、両側の卵巣を失った場合や常態として卵子が形成されない場合には、本号が準用されます。

2.後遺障害等級7級の慰謝料の相場はいくら?

2.後遺障害等級7級の慰謝料の相場はいくら?

交通事故による慰謝料の相場は、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準の順で金額が高くなります。

後遺障害等級7級の慰謝料の各相場は下記のとおりです。

自賠責基準 419万円(2020年3月31日までの交通事故は409万円)
任意保険基準 保険会社によって異なりますが、自賠責基準と同等かやや高め
弁護士基準 1000万円

慰謝料に関する詳しい内容は、下記を参考にしてください。

交通事故の慰謝料を計算する方法や相場は?むちうちでも請求できるの?

3.後遺障害等級7級の逸失利益の相場はどれくらい?

3.後遺障害等級7級の逸失利益の相場はどれくらい?

逸失利益は、基礎収入×労働能力喪失率×喪失期間に対応するライプニッツ係数から求めることができます。

後遺障害等級7級の労働能力喪失率は、原則として56%です。

ただし、たとえば接客業に就いている者が外貌に著しい醜状を残すもの(7級12号)に該当する場合のように、職業の特性により、就業制限や職種制限、失業、職業上の適格性の喪失等の不利益が生じ、結果として労働者の労働能力が低下すると認められる場合には、より高い労働能力喪失率が認められる可能性があります。

たとえば、基礎収入(たとえば交通事故に遭った年の前年の現実収入)が500万円の40歳が交通事故により後遺障害等級7級が認定された場合、逸失利益は次のように計算されます。

基礎収入(500万円)×労働能力喪失率(56%)×ライプニッツ係数(18.327)
=5131万5600円

交通事故による逸失利益に関する詳しい内容は、下記でまとめていますのでご参照ください。

後遺障害の逸失利益とは?計算方法や適切な金額を請求するポイント

4.後遺障害等級7級の認定を受けるためのポイント

4.後遺障害等級7級の認定を受けるためのポイント

後遺障害の認定において、後遺障害診断書は重要なポイントです。

医師任せにしていては、希望する等級の認定が難しい可能性もあります。

医師に後遺障害診断書作成を依頼する前に、弁護士に助言を求めることをおすすめします。

(1)弁護士に助言を依頼する

後遺障害等級の認定には、医師による後遺障害診断書の役割が重要です。

そのため、医師に後遺障害診断書を依頼する方法や書き方のポイントに関するアドバイスを弁護士から受けることをおすすめします。

弁護士法人みずきでは、交通事故の無料相談を承っています。

どうぞご相談ください。

(2)症状に合った検査を受ける

後遺障害等級認定のためには「交通事故が原因で症状が出た」と認められる必要があります。

交通事故が起こる前から症状が出ていた場合や、別の出来事によって発症した場合は、事故による損害とはいえないからです。

因果関係を証明するためには、事故発生後に時間を空けず、病院で診察や検査を受け、負傷箇所と症状が出ている箇所が一致していることがポイントです。

また、後遺障害は痛みや動かしづらさなど目に見えない症状も多くあります。

このような症状があるときは、まずは、自覚している症状を漏れなく医師に伝えて、継続的に苦痛や不自由が生じていることをわかってもらう必要があります。

そして、可能であれば、CTやMRI画像診断などできるだけ詳しい検査をしてもらいましょう。

なぜなら、後遺障害等級認定において、検査結果などに基づく医師からの他覚的所見は有力な証拠になるからです。

(3)書類に不足がないか確認する

後遺障害等級認定の場合、一人ひとりの症状に合わせて個別に損害額を算出するのは困難なため、提出された書類と等級基準を照らし合わせて審査されます。

また、認定基準を満たしているかどうかの自己判断はとても難しいです。

そのため、御自身で申請される場合には、提出書類に不足がないかをよく検討する必要がありますし、加えて交通事故分野に強い弁護士に相談するのがおすすめです。

まとめ

交通事故による後遺障害等級7級の認定をスムーズに受けたい方は、弁護士のサポートを受けながら準備を進めることをおすすめします。

慰謝料を請求する際には、自賠責基準と弁護士基準では大きな差がある点に留意しましょう。

後遺障害等級の認定を受ける際に必要な後遺障害診断書の作成も弁護士のアドバイスをもとに準備することが重要です。

弁護士法人みずきは、交通事故の無料相談を承っています。

どうぞご相談ください。

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