後遺障害が認定されない理由や対処法とは?認定されないリスクを解説

後遺障害が認定されない理由や対処法とは?非該当となる影響も解説

執筆者 花吉 直幸 弁護士

所属 第二東京弁護士会

社会に支持される法律事務所であることを目指し、各弁護士一人ひとりが、そしてチームワークで良質な法的支援の提供に努めています。

「後遺障害等級認定の申請をして認定されないこともあるの?」
「後遺障害が認定されないとどうなるの?」

交通事故の後遺障害等級認定の申請を考えているけれど、思うように認定されないのではと不安になる方も多いのではないでしょうか。

後遺障害等級認定の申請をしても、適切な等級の認定がされなかったり、認定自体されなかったりする可能性はあります。

この記事では、後遺障害が認定されない理由、認定されないことによる影響、認定されなかった場合の対処法についてご説明します。

1.後遺障害が認定されない主な理由4つ

1.後遺障害が認定されない主な理由4つ

後遺障害等級認定の申請をした場合、必ずしも認定されるわけではありません。

非該当の結果が出る可能性もあります。

損害保険料率算出機構が公表している「自動車保険の概況」をもとに算出すると、後遺障害等級認定の申請をして認定される確率は約5%と決して高くはありません。

では、どのような理由で後遺障害が認定されないのか、4つのケースに分けてご紹介します。

(1)治療日数や期間が短い

治療日数が少なかったり治療期間が短かったりすると、「後遺障害等級の認定が必要なほど症状が重くないのでは」や「もう少し治療を継続すれば完治するのでは」と判断されて認定されない可能性があります。

後遺障害等級が認定されるためには、適切な頻度で一定期間継続して通院することが大切です。

(2)他覚的所見が不十分である

後遺障害等級の審査は、レントゲン写真やMRI・CT画像など他覚的所見をもとに進められます。

しかし、他覚的所見が不十分だと、後遺障害が残存していると証明できず、後遺障害等級が認定されない可能性があります。

骨折のような客観的に見て分かる怪我ならよいですが、むちうちのようにレントゲン写真やMRI・CT画像では症状の有無や程度が分からない怪我は特に注意が必要です。

むちうちで後遺障害等級の申請をする方は、こちらの記事も参考にしてください。

むちうちで後遺障害が認定されるポイントを解説!後遺障害の認定基準とは?

症状を裏付ける医学的な証拠を示すためには、どのような検査をしてどのような書類を提出すればよいのかをしっかり把握しておかなくてはなりません。

(3)後遺障害診断書に不備がある

後遺障害等級の審査で最も重視されるのが、医師が作成する後遺障害診断書です。

そのため、後遺障害診断書の内容に不備があったり、記載が不十分だったりすると認定されない可能性があります。

特に後遺障害等級認定について詳しくない医師だと、症状や予後について曖昧な表記をしてしまい不適切な診断書と判断されることもあるでしょう。

(4)事故との因果関係を疑われた

後遺障害等級の認定をされるためには、後遺障害と事故との因果関係を証明しなければなりません。

もし事故との因果関係が疑われると、認定されない可能性があります。

たとえば、事故直後には通院せず、事故から数日後に痛みを訴えて通院した場合は、治療開始が遅いために本当に事故による怪我なのか疑われてしまうでしょう。

また、症状に連続性や一貫性がない場合も、事故との因果関係を否定されるかもしれません。

2.後遺障害が認定されない場合の3つの対処法

2.後遺障害が認定されない場合の3つの対処法

後遺障害等級の申請をして認定されなかったり、認定された等級に納得できなかったりする場合は、異議申立をすると再審査が受けられます。

また、異議申立のほかにも、紛争処理制度の利用や、訴訟を起こすといった方法もあります。

ただし、いずれの手段でも等級の認定結果を覆すのは容易ではありません。

そのため、医学的かつ法律的な観点で専門知識を備えている弁護士への相談をおすすめします。

後遺障害が認定されない場合の3つの対処法について、詳しく見ていきましょう。

(1)異議申立をする

異議申立をすると、後遺障害等級認定の再審査が受けられます。

最初の審査結果が非該当になったり、想定していたより低い等級での認定となったりした場合は、なぜその結果になったのかをしっかり精査し、新たな証拠や資料を揃えて異議申立を行いましょう。

異議申立は何回でも行えますが、書類の作成や資料の収集などに手間がかかる点は理解しておくべきです。

異議申立をして結果が出るまでには2か月以上の期間を要するでしょう。

(2)紛争処理制度を利用する

紛争処理制度を利用すると、公正かつ中立な第三者(弁護士・医師・学識経験者)で構成される「紛争処理委員」による審査が受けられます。

紛争処理制度は、初回の後遺障害等級認定結果が出たあと、もしくは異議申立の審査結果が出たあとに利用できます。

ただし、異議申立と違い、一度しか利用できないので注意しましょう。

一般的に、紛争処理制度の審査結果が出るまでには3か月以上かかります。

(3)訴訟を起こす

異議申立や紛争処理制度を利用しても、認定されなかったり等級変更が認められなかったりする場合は、訴訟を起こすという選択肢もあります。

通常、後遺障害等級は損害保険料率算出機構が決定しますが、訴訟となれば裁判所が独自に後遺障害等級の判断を下せます。

そのため、非該当の結果が出ていた場合でも、裁判によって結果が覆る可能性があるのです。

ただし、裁判所も過去の等級認定結果を尊重する傾向にあるため、新たな証拠が重要になるという点に変わりありません。

3.後遺障害が認定されない影響

3.後遺障害が認定されない影響

後遺障害等級が認定されないと、後遺障害慰謝料および逸失利益を受け取れません。

後遺障害慰謝料とは後遺障害が残ったことによる精神的苦痛に対しての慰謝料、逸失利益とは後遺障害が残らなければ得られたであろう生涯収入に対する補償です。

後遺障害慰謝料は後遺障害の等級ごとに金額が変わるため、本来認定されるはずの等級よりも低い等級で認定されたら、後遺障害慰謝料の金額が少なくなってしまうのです。

たとえば、後遺障害等級14級と13級とでは、最大で70万円もの差が生じます。

後遺障害等級ごとの慰謝料額や、逸失利益の計算方法を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

交通事故による後遺症の慰謝料相場!後遺障害等級ごとに解説

このように、後遺障害等級が認定されなかったり、適切な等級で認定されなかったりすると、金銭的に大きな影響を受けることになります。

そのため、結果に納得できない時は、弁護士のサポートのもと異議申立などの手続をすることをおすすめします。

まとめ

後遺障害等級の申請をしても認定されなかったり、認定された等級に納得できなかったりすることがあるでしょう。

後遺障害等級が認定されない主な理由としては、治療日数が短い、他覚的所見が不十分、後遺障害診断書が不適切、事故との因果関係が疑われたということが考えられます。

後遺障害等級が認定されないと、後遺障害慰謝料や逸失利益が受け取れません。

認定されたとしても、適切な等級でなかったとしたら後遺障害慰謝料は本来受け取れる金額より少なくなってしまいます。

後遺障害等級が認定されなかったり、等級に納得できなかったりする場合は、異議申立をする、紛争処理制度を利用する、訴訟を起こすという対処法をとりましょう。

いずれの方法にしても結果を覆すのは容易ではないので、専門的な知識を有している弁護士に相談し、サポートを受けることをおすすめします。

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執筆者 花吉 直幸 弁護士

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