自己破産のその後の生活への影響は?自己破産しても問題がない四つの事項

執筆者 野沢 大樹 弁護士

所属 栃木県弁護士会

私は、法律とは、人と人との間の紛争、個人に生じた問題を解決するために作られたツールの一つだと考えます。法律を使って紛争や問題を解決するお手伝いをさせていただければと思いますので、ぜひご相談ください。

「自己破産をした後はどのようなことが生活に影響するのか」
「自己破産しても生活に影響がないことは何か」
自己破産を検討している方の中には、自己破産後の生活が心配な方も多いのではないでしょうか。

この記事では、自己破産後の生活への影響についてご説明します。

1.自己破産のその後の生活への三つの影響

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自己破産をした後に生活にどのような影響があるのでしょうか。

特に知っておくべきなのは以下の三つです。

  1. 車や家などの財産を手放さなければならない
  2. 免責許可決定まで資格制限が発生する
  3. 一定期間クレジットカード・ローンの利用ができなくなる

順にご説明しますので、今の生活にどのくらい影響するのかをご確認ください。

(1)車や家などの財産を手放さなければならない

自己破産をすると、債権者への配当を行うため、車や家などの財産を手放さなければならない場合があります。

資産価値の高い車や家などの不動産を所有している方は、処分しなければならない可能性がありますので、生活環境が変わることを考えておく必要があるでしょう。

ただし、家財道具などは手放すことにはなりません。

また、99万円以下の現金、20万円以下の預貯金、査定額が20万円以下の自動車など、一定の価値(換価基準)以下の財産は換価の対象にはなりません。

さらに、それらの合計が99万円を上回らなければ自由財産として、手元に残せる場合が多いです。

換価基準や自由財産の基準については各裁判所によって異なっていることがありますので、詳しくは自己破産の準備の際に確認する必要があります。

弁護士に相談の上、今の自分の状況でどこまで処分する必要があるのか確認しましょう。

(2)免責許可決定まで資格制限が発生する

免責許可が決定されるまで資格制限が発生することを頭に入れておく必要があります。

自己破産の手続が始まると、資格制限の対象となっている公的資格の利用が制限されるため、一部の仕事を行うことができなくなるのです。

場合によっては転職を余儀なくされる可能性もあるでしょう。

たとえば、警備員や保険の外交員といった職種の方は、破産手続期間中(2~4か月)は仕事をすることができません。

自己破産の手続が終了し、裁判所からの免責許可決定が確定すると資格制限が解除される(「復権」といいます。)ので、手続の進行中は少なくとも仕事を休む必要があることを覚えておきましょう。

(3)一定期間クレジットカード・ローンの利用ができなくなる

自己破産をすると、信用情報機関に事故情報が登録される(いわゆる「ブラックリスト入り」)ため、一定期間はクレジットカードやローンの申込みをしても審査に通らなくなってしまいます。

なお、未払いのないクレジットカードも、自己破産をすると、解約されてしまいます。

信用情報機関に事故情報が登録されている期間は、クレジットカード以外の支払方法を利用する必要があり、ローンを組んで大きな買い物ができなくなるので、注意してください。

なお、信用情報機関に事故情報が登録されている期間は、機関ごとに異なります。

事故情報の登録期間は以下のように取り決められています。

株式会社シー・アイ・シー(CIC) 株式会社日本信用情報機構(JICC) 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
免責許可決定確定日から5年 免責許可決定確定日から5年 手続開始決定日から10年

2.自己破産をしても問題がない四つの点



自己破産のデメリットになると噂されるもののなかで、実際にはそうではないものもあります。

代表的なものは以下のとおりです。

  1. 自己破産を理由に解雇されない
  2. 免責許可決定後自由に貯蓄ができる
  3. 携帯電話の契約ができる
  4. 賃貸契約を締結できる

賃貸契約を結べる順にご説明します。

(1)自己破産を理由に解雇されない

自己破産をしたことが会社に知られても、そのことを理由に解雇されることはありません。

自己破産をしたとしても会社に報告する義務はなく、会社が官報をチェックしていたり会社から借入れをしていたりしなければ、会社に知られてしまうことはほとんどないでしょう。

自己破産の手続の際、必要な書類を会社に発行してもらう場合に、自己破産の準備をしていることを知られる可能性はあります。

しかし、会社から一方的に解雇されることはありません。

なお、資格制限の対象となっている業種の会社に勤めている場合は、自己破産を理由に一時的にその仕事ができなくなります。

一時的に資格を必要とする仕事ができない期間、どうするかについては準備しておく必要があるでしょう。

(2)免責許可決定後自由に貯蓄ができる

免責許可決定後は自由に貯蓄することができます。

上記で説明した自由財産以外の財産は手放す必要がありますが、破産手続開始決定後の財産については換価の対象となりませんので、その後に得た財産は自由に使うことが可能です。

自己破産をする前に20万円を超える貯金がある場合は、換価処分の対象となってしまい手元に残らない可能性があります。

20万円を下回っていれば換価の対象とならず手元に残すことができますので、自己破産をする前に貯金額は確認しておきましょう。

(3)携帯電話の契約ができる

携帯電話の契約はできるので、自己破産をしても携帯電話が使用できなくなることはありません。

通信費用を滞納なく支払っていれば、使用可能です。

ただし、気をつけなければならない点は、機種代金を分割払いで購入している場合で、自己破産時に機種代金の支払が完済していなければ、解約される可能性があります。

そのため、自己破産前に一括で購入できる機種に変更しておき、途中で解約されないように前もって準備しておくとよいでしょう。

この場合、あまりに高額な機種を購入すると浪費ととらえられてしまう可能性がありますので注意が必要です。

また、クレジットカードで携帯電話の支払を行っている場合、自己破産によりクレジットカード会社との間の契約を解約されてしまいます。

その場合は、銀行口座からの引落しや現金での支払への切替えが必要になります。

なお、自己破産後に携帯電話の契約をする場合は、機種代金を一括で支払えば従来どおりに契約することができます。

(4)賃貸契約を締結できる

自己破産を理由に賃貸借契約を解除することはできませんので、賃貸人から退去を強制されることはありません。

ただし、住んでいる賃貸物件を信販会社系の賃貸保証会社が管理している場合は、定期的に信用情報がチェックされるため、契約更新ができない可能性があります。

新規で賃貸契約を結ぶ場合も同じで、賃貸保証会社に注意して物件を選ぶ必要があります。

なお、賃貸料金をクレジットカードで支払っている場合は、クレジットカードが利用できなくなるため、支払方法を口座引落しなどに変更しておきましょう。

まとめ

自己破産をすると、少なからず生活に影響が出てきます。

自己破産のその後に何ができて何ができなくなるのか具体的に把握しておくことが重要です。

今回ご説明した内容を参考に、自己破産の申立てをする前に、自分の生活にどのような変化が起こるのか想定しておきましょう。

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執筆者 野沢 大樹 弁護士

所属 栃木県弁護士会

私は、法律とは、人と人との間の紛争、個人に生じた問題を解決するために作られたツールの一つだと考えます。法律を使って紛争や問題を解決するお手伝いをさせていただければと思いますので、ぜひご相談ください。