任意整理後に一括返済はできる?借金を一括返済するメリット・デメリットを紹介

執筆者 実成 圭司 弁護士

所属 第二東京弁護士会

皆さまのご相談内容を丁寧にお聞きすることが、より的確な法的サポートにつながります。会話を重ねながら、問題解決に向けて前進しましょう。

「任意整理をした後は一括返済できるの?」
「任意整理後に一括返済するメリットはあるの?」
任意整理を検討している方の中には、任意整理後の借金を一括返済できるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

任意整理後に一括返済することは可能なのですが、実際にどのような効果があるのか把握した上で行うようにしましょう。

この記事では、任意整理後の一括返済のメリット・デメリットや一括返済するときの注意点をご説明します。

1.任意整理後に一括返済はできるのか

任意整理後に一括返済することは可能です。

任意整理後は毎月の返済期日が決められており、その期間まで返済を行えばよいのですが、支払う能力があればわざわざ支払い期日まで待つ必要はないでしょう。

2.任意整理後に一括返済するメリット・デメリット

任意整理後に一括返済するメリットとデメリットをご説明します。

メリットとデメリットを把握することで、任意整理後に一括返済すべきかどうか判断する基準になるでしょう。

順にご説明します。

(1)任意整理後に一括返済するメリット

任意整理後に一括返済するメリットとしては、毎月の返済の際に発生する振込手数料をカットすることができる点が上げられます。

任意整理では、多くの債権者との間で、36回から60回の返済計画を立てることとなります。

債権者は、任意整理によって和解をすることができれば将来発生する利息のカットをしてくれることが一般的ですが、返済の際の振込手数料については、債務者が負担しなければなりません。

振込手数料は、500円以上発生することもありますから、総額で1社当たり1万8,000円から3万円程度支払わなければならないこととなります。

一括返済をすると、こうした振込手数料をカットすることができますので、最終的に支払う金額の総額を減らすことができるメリットがあるといえます。

(2)任意整理後に一括返済するデメリット

任意整理後、全ての債権者に対して一括返済をすることができれば、問題はないのです。

しかし多くのケースでは、例えば、負債総額が少ない債権者に対しては、早めにまとめて支払ってしまおう等の理由から、一部の債権者に対してのみ一括返済をすることとなるかと思います。

こうした場合、残りの債権者に対しても、返済計画どおりの返済をすることができず、やむを得ず自己破産等の裁判所を使った手続をとることとなるとすると、一部の債権者のみを優先して取り扱ったことが裁判所から問題視される可能性があるのです。(このような一部の債権者に対してのみ優先して借金の返済をすることを、偏波(へんぱ)弁済といいます)
したがって、一括返済をしない他の債権者に対しても完済できる見通しがない場合には、一括返済は避けた方が良いでしょう。

まとめ

任意整理後に借金を一括返済することは可能です。

振込手数料をカットできる等のメリットはありますが、任意整理が失敗した場合のデメリットも考慮したうえで、一括返済するかを検討しましょう。

もし不安がある場合は、弁護士に方針を相談してみてはいかがでしょうか。

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執筆者 実成 圭司 弁護士

所属 第二東京弁護士会

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