任意整理後に繰り上げ返済はできるの？繰り上げ返済する２つのメリットと３つの注意点
「任意整理後に繰り上げ返済ってできるの？」
「任意整理後に繰り上げ返済するメリットって何があるの？」
任意整理を検討している方の中には、借金を早く返済するために繰り上げ返済ができるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
任意整理後に繰り上げ返済することが可能ですが、繰り上げ返済をするときに注意しなければならない点がいくつかあるのです。
この記事では、任意整理後に繰り上げ返済をする方法やメリット、注意点をご説明します。
１．任意整理後に繰り上げ返済できるのか
任意整理後に繰り上げ返済することは可能です。
任意整理をすることで利息をカットして、元金を3年～5年かけて返済していくことになるのですが、元金を予定よりも早く返済することは法律上問題ありません。
債権者は少しでも早く元金を回収できた方が安心するので、繰り上げ返済を拒む債権者を少数派でしょう。
日々の生活資金に余裕が出て、少しでも早く完済したい場合は繰り上げ返済を進めていきましょう。
２．繰り上げ返済の方法
繰り上げ返済の方法は二つあります。
- 全額繰り上げ返済する
- 一部繰り上げ返済する
順にご説明します。
（１）全額繰り上げ返済する
残額を全額繰り上げ返済することができます。
全額繰り上げ返済をする場合は、債権者に残額を確認してその金額分を銀行振込しましょう。
全額繰り上げ返済をすれば借金は完済となるため、晴れて借金生活から開放されることになります。
（２）一部繰り上げ返済する
一部繰り上げ返済することもできます。
毎月の返済金額よりも多く返済する方法のことで、返済期間を短縮できる点が大きなメリットでしょう。
基本的には3年～5年かけて返済していくことになりますが、返済期間を1年～2年ほどに短縮したい場合などに一部繰り上げ返済を行います。
なお、一部繰り上げ返済の手続きは全額繰り上げ返済と同様で、債権者に支払金額を伝え銀行口座に振込むだけです。
一括返済するほど余裕はないけど、少しでも早く借金を返済したい方は一部繰り上げ返済を検討してみてください。
３．任意整理後に繰り上げ返済する２つのメリット
任意整理後に繰り上げ返済するメリットをご説明します。
- 借金生活から早く開放される
- 完済までの期間が短くなり事故情報が早く削除される
順に説明しますので、繰り上げ返済にどのような効果があるのか確認しておきましょう。
（１）借金生活から早く開放される
任意整理後に繰り上げ返済することで、借金生活から早く開放されます。
長期間借金を返済することは精神的にプレッシャーがかかるものです。
一括繰り上げによって借金生活から開放されると、こうした精神的なプレッシャーからも解放されます。
臨時収入が入ったときなど、今の生活を維持しながら無理のない範囲で繰り上げ返済をしましょう。
（２）完済までの期間が短くなり事故情報が早く削除される
完済までの期間が短くなるため、事故情報の削除依頼が可能になります。
任意整理をすると信用情報機関に事故情報が登録されるのですが、事故情報は最短でも和解成立の日から五年間は登録されることになります。
たとえば、任意整理から三年後に完済した場合、残りの二年後は事故情報が登録されたままとなることが多いため、完済後に削除依頼をすることで、事故情報は削除されることになります。
借金の完済が遅くなるほど、事故情報の削除も遅れるので、クレジットカードの発行やローンの申請を少しでも早くしたい人は、繰り上げ返済を検討しましょう。
４．任意整理後に繰り上げ返済するときの３つの注意点
任意整理後に繰り上げ返済をするときの注意点をご説明します。
- 返済総額は変わらない
- 信用情報機関の事故情報登録期間は変わらない
- 家計を圧迫しない程度に抑える
順に説明するので、これらのポイントを意識して繰り上げ返済を実行しましょう。
（１）返済総額は変わらない
任意整理後に繰り上げ返済したところで、返済総額は変わりません。
一般的なローンなどは繰り上げ返済した方が支払い利息を減らすことができるので、できる限り返済期間を短くした方が返済総額では得をすることになります。
しかし、任意整理後の繰り上げ返済の場合は返済総額自体は変わらないため、生活費を削るなど無理をしてまで返済期間を短縮する必要はないでしょう。
（２）信用情報機関の事故情報登録期間は変わらない
任意整理後に繰り上げ返済してもしなくても、事故情報登録期間は最長で完済から五年となります。そのため、任意整理後すぐに信用情報機関から事故情報を削除することはできません。
事故情報が登録されている間はクレジットカードの申請やローンの申込みはできないため、将来ローン契約の締結を検討されている方は、事故情報が削除されるまでの期間を見越して返済を行う必要があります。
（３）家計を圧迫しない程度に抑える
家計を圧迫しない程度に返済金額を抑えましょう。
任意整理後に繰り上げ返済するメリットは返済期間を短縮することなので、家計に負担をかけてまで無理に行うことではありません。
早く完済したいという気持ちは理解できますが、家計を圧迫すると元も子もないので、任意整理の和解案のとおり焦らずにペースを守って返済に取り組みましょう。
まとめ
任意整理後に繰り上げ返済することは可能ですが、返済総額は変わらないため、家計を圧迫してまで無理に行うことではないでしょう。
臨時収入が入ったときや収入が増えたときなど、収入状況に余裕が生まれたときに繰り上げ返済を行うか決めることをおすすめします。
もし、繰り上げ返済をすべきか迷ったら弁護士にご相談ください。
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