フランチャイズ加盟店が閉店した場合の本部の義務とは?
「フランチャイズ契約が終了した場合に本部は元加盟店にどのような義務を負うのか」
「元加盟店が契約終了の際に清算を行わない場合には本部がこれを強制できる?」
フランチャイズチェーンを展開する本部事業者の担当者の中には、このような疑問をお持ちの方もいると思います。
契約が終了した後、本部・元加盟店は今まで利用していたものを利用する権利がなくなったり、今までの関係を解消するための義務を負ったりすることがあります。
フランチャイズ契約は、本部が生み出してきたノウハウやサービスマークをロイヤリティ等の対価を受け取って加盟店に使用させるものです。
したがって、フランチャイズ契約が終了した場合、本部は対価を受け取ることができなくなり、元加盟店は、今まで使っていた看板やマーク、マニュアル等を使用することはできなくなります。
また、元加盟店が本部の所有する建物を店舗として借りていた場合、フランチャイズ契約が終了すれば建物の利用権もなくなるので、建物を明け渡さなければなりません。
本記事では、加盟店の閉店に伴って本部側が負うべき義務の内容、元加盟店が契約終了による義務を果たさない場合に本部がとりうる手段について解説します。
1.本部の清算義務

本部には保証金の清算義務があります。
フランチャイズ契約では、加盟店が、契約当初に本部に保証金を預けておくことがよくあります。
この保証金は、加盟店が本部に支払うべき金銭を支払わなかったときの担保のために預けられているものです。
そのため、元加盟店がフランチャイズ契約中に支払うロイヤリティ、本部から買った商品や食材の代金のうち、まだ支払っていない分があればその分を差し引いて、残りを元加盟店に返還しなければなりません。
なお、保証金の清算は、本部が加盟店に対して特に意思表示をする必要はありません。
本部は、特に加盟店の了解をもらうことなく、保証金請求権が発生するフランチャイズ契約終了時に、保証金による担保の対象となる債権に保証金を充当できます。
このような保証金の充当はフランチャイズ契約終了後に行われるもので、フランチャイズ契約終了前に加盟店が保証金を充当するように請求をしてきても本部がその請求に応じる必要はありません。
なぜなら、保証金は本部が契約終了時に備えて担保のために徴収するものですので、加盟店の側から保証金の充当を請求することを認めると本部が保証金をとった意味がなくなるからです。
2.本部が強制的に義務を果たさせることができるか

フランチャイズ契約が必ずしも円満に終了するとは限りません。
たとえば、本部が所有する建物に、元加盟店が物を置いたままにしてなかなか撤去してくれないケースもあるでしょう。
そのようなケースに備えて、契約終了後に本部が自ら店舗に置いたままの物を撤去でき、後で元加盟店に費用を請求できると契約書に記載されているケースもあります。
しかし、そのような条項があっても、元加盟店の意思に反して物を撤去することは、やむをえない特別の事情がある場合を除いて認められません。
そこで、さらに契約終了した場合に元加盟店が店舗内の残置物の所有権を放棄する条項を契約書に入れることが考えられます。
この条項があれば契約終了時に残置物は本部の所有物になるので、元加盟店が店舗に物を置いたまま撤収したとしてもその残置物を自由に撤去できると考えられます。
さらに、上にあるようなマークの撤去やマニュアルの返還を求めることは、元加盟店は今までとおりの営業を行うことや本部の営業秘密を利用することを困難とさせるので、元加盟店に競業避止義務・秘密保持義務を事実上守らせることにもつながります。
まとめ
フランチャイズ契約が終了すると、本部は元加盟店に対して、契約締結時に預けられた保証金の清算を行う必要があります。
また、元加盟店に対しては、本部が所有する物件を店舗として提供していた場合、その物件に関する原状回復などの清算を求めることになります。
しかし、元加盟店がこれらに応じないケースも見られるため、元加盟店が本部に対して負う清算義務についても、フランチャイズ契約の条項に盛り込むことが大切です。
フランチャイズ契約の契約書を作成する場合には、清算に関する条項やその実効性を確保するための工夫が必要となります。
そのため、フランチャイズ契約書の作成に疑問点や不安がある場合には、まずは弁護士に相談することがおすすめです。
弁護士法人みずきではフランチャイズ契約に関する相談に数多く対応してきましたので、契約書の作成やリーガルチェックなどにお悩みの方はぜひご相談ください。
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