リボ払いが払えない時の対処法は?払えない場合のリスクについて

執筆者 実成 圭司 弁護士

所属 第二東京弁護士会

皆さまのご相談内容を丁寧にお聞きすることが、より的確な法的サポートにつながります。会話を重ねながら、問題解決に向けて前進しましょう。

「リボ払いの利用残高が気づいたら高額になっていた」
「リボ払いを返済してもなかなか減らない」

リボ払いについてこのようなお悩みはありませんか。

返済の負担が少なそうだからとリボ払いにしたものの、手数料が高く返済が苦しいと感じる方も少なくありません。

今回は、リボ払いの仕組みやリスク、返済できない場合の解決方法についてご説明します。

1.リボ払いの仕組みとリスク

リボ払いとはクレジットカードの支払方法の一つで、毎月の支払額を一定にする方法です。

リボ払いと聞くと、毎月一定の金額を支払えば良いので負担が少ない支払方法だと思う方もいらっしゃいます。

しかし、隠れたリスクもありますので、仕組みをしっかりと理解したうえで慎重に利用することが大切です。

(1)リボ払いの仕組み

リボ払いには、定額方式と残高スライド方式の二種類があります。

定額方式とは、あらかじめ自分で設定した金額を毎月支払う方式です。

例えば、毎月1万円を支払う設定にすることで、クレジットカードの利用金額の総額が1万円を超える月でも、毎月の支払額は1万円のみに抑えられます。

残高スライド方式とは、支払残高の大きさによって毎月の支払額が変動する方式です。

例えば、「利用残高が10万円未満の時は毎月の支払額は1万円、10万円以上20万円未満の時は毎月の支払額は2万円」のように、あらかじめ定められた支払条件に従って支払うことになります。

(2)リボ払いのリスク

以下ではリボ払いを利用することのリスクについてご説明します。

#1:手数料が高い

リボ払いでは、支払残高に対して手数料が設定されています。

手数料は「利用残高×金利×利用日数÷365」の式で求めることができます。

クレジットカード会社によって異なりますが、リボ払いの金利は年15%に設定されていることが一般的です。

たとえば、利用額10万円をリボ払いで支払う場合の最初の30日間の手数料は「10万円×15%×30÷365=1233円」です。

毎月の返済額を5000円に設定している場合、利用額の返済に充てられるのは手数料を差し引いた3768円です。

支払った金額5000円のうち約4割も手数料として取られており、手数料が高いことがわかります。

#2:完済まで時間がかかる

リボ払いは、手数料が高いためなかなか元金が減りません。

たとえば、毎月5000円返済するという条件の場合、手数料を含めて考えなければ、10万円を返済するには5000円を20回払えば済むように思えます。

しかし、実際には手数料も含めると総額が10万円を超えますので、10万円を返済し終わるのに20回以上かかってしまうのです。

#3:払っても返済額が減らない

リボ払いは毎月の利用残高に応じて手数料が設定されますので、返済額が減りづらいというデメリットがあります。

支払残高がある限り支払いが続きますので、リボ払いで毎月買い物をすれば、その分利用額と手数料が増加し、支払期間がどんどん伸びてしまいます。

そのため、払っても払っても返済額が減らず、毎月の買い物で利用残高がどんどん増加してしまう恐れがあるのです。

#4:収支が合っていないのに気がつかない可能性がある

リボ払いの1か月あたりの支払い額は数千円か数万円です。

使った金額よりも少ない返済をすれば、その月の返済自体はできたことになってしまいます。

そのため、利用者側としては収入と支出のバランスがつりあっていると錯覚してしまうことがあります。

特に複数のカード会社でリボ払いを利用している人は、各社に手数料を含めた金額を返済していることになるため、利用額と返済額とでバランスがとれているのかを把握するのは難しいです。

限度枠に達してはじめて返せない程の借金があることを知り、任意整理や自己破産を余儀なくされるという方も少なくありません。

2.リボ払いが払えない時に起こりうるリスク

リボ払いは気が付くと利用残高が高額になっていることもありますので、注意が必要です。

続いて、リボ払いが払えない時に起こりうるリスクについてご説明します。

(1)カードの利用を止められる

リボ払いでは、支払日を過ぎると支払日の翌日~数日の間にクレジットカードの利用を止められてしまいます。

さらに、支払日の翌日から支払いが完了するまでの期間は、支払いが遅れたことによる遅延損害金が発生します。

遅延損害金は「借入金額 × 遅延損害金の割合 ÷ 365 × 延滞日数」で求められます。

遅延損害金の割合はクレジットカード会社によって異なりますが、年14.6%に設定されていることが一般的です。

(2)カード会社等から督促される

リボ払いを滞納すると、数日から数週間のうちに、カード会社から電話や郵便による督促が始まります。

カード会社等からの連絡に対して、支払予定日を伝えるなどの対応をして、約束通りに支払えば、大きな問題になることはありません。

しかし、連絡を無視し続けたり、約束通りに支払わなければ、裁判手続に移行する可能性が高くなります。

リボ払いが払えない方の中には、この督促の対応に疲れている方もいらっしゃいます。

弁護士に債務整理を依頼すると、この督促を止めることができます。

お困りの方は、早めに弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人みずきでは、債務整理のご相談を無料で承っておりますので、どうぞご相談ください。

(3)事故情報が登録される

リボ払いの支払いをしないまま2~3か月経過すれば、信用情報機関に事故情報が登録されます。

信用情報とはローンの借入履歴やクレジットカードの利用状況などの情報です。

もしリボ払いを払えないまま放置してしまうと、信用情報機関に延滞の情報が登録されてしまうのです。

事故情報が登録されると、一定期間、他のクレジットカードの利用限度額が引き下げられたり、お子様の奨学金の保証人になれなかったり等のリスクが生じます。

ライフプランによっては、早めに債務整理を行うことにより、結果として生活の立て直しが容易になる場合があります。

一度弁護士に相談されることをお勧めします。

(4)訴訟を起こされる

滞納後2~3か月が経過すると、クレジットカードは強制解約され、残高を一括で支払うよう請求されます。

しかし、この請求にも応じなければクレジットカード会社から訴訟を起こされる可能性が高くなります。

訴訟を起こされた場合、裁判所から訴状が届きます。

また、指定された締切日までに答弁書と呼ばれる書面を裁判所に提出しなければなりません。

もし答弁書を提出せず口頭弁論期日にも出席しなかった場合は、原告であるクレジットカード会社が勝訴します。

すなわち、クレジットカード会社は、財産の差押えができる法的な権利を得ることになります。

(5)財産を差し押さえられる

訴訟を起こされても何も対応しなかった場合、クレジットカード会社は判決に基づき強制執行をすることが可能となります。

勝訴したクレジットカード会社は、強制執行の準備のために、財産を差し押さえることもできます。

差押えの対象となる財産は、給料や預貯金、ボーナスや退職金などです。

そして、最終的に、クレジットカード会社は、差押えをした給料等から、優先的に支払いを受けることになります。

3.リボ払いが払えない時の対処方法

破産管財人の報酬

リボ払いは放置すればするほど返済額が増額しますので、返済できない場合は速やかな対応が必要です。

収入状況や利用残高を視野に入れ、自分に合った方法を選択しましょう。

(1)一括返済・繰り上げ返済をする

一括返済とは、利用残高をまとめて一括で返済する方法です。

また、繰り上げ返済とは、経済的に余裕がある月に、多めに返済をすることをいいます。

一括返済をすれば利用残高はなくなりますので、手数料を含めた毎月の支払いをなくすことができます。

一括払いによる返済が難しいときは、繰り上げ返済をすることで、金銭的に無理のない範囲で返済をしながら、支払期間を短くしたり、手数料を減額したりできます。

(2)債務整理を検討する

リボ払いも債務整理の対象になります。

そこで、毎月の返済が難しい場合は、債務整理を検討しましょう。

債務整理には、任意整理・自己破産・個人再生の三種類があります。

#1:任意整理

任意整理は、裁判所を通さず私的に整理する手続です。

債権者と任意に交渉をし、遅延損害金や将来の利息をカットしたり、3~5年の長期分割にする等を行い、借金を返済しやすくします。

元本以上の減免は難しいことが多いですが、利息が減免されることで、契約どおりに支払うよりも返済しやすくなります。

また、裁判所を介して行う「自己破産」や「個人再生」と異なり、整理する債務と整理しない債務を選択することができるのも特徴です。

#2:自己破産

自己破産は、裁判所を介して行う法的整理手続です。

裁判所に申立てをし、手続を終えることで「免責」という債務の支払義務を免除される効果が得られます。

自己破産をすると、財産を全て没収されてしまうというイメージをお持ちの方もいると思いますが、実際は99万円以下の現金や、財産価値が20万円以下のものについては手元に残すことができます。

また、税金や健康保険料などの公租公課等、「非免責債権」という免責の対象とならないものが法律に定められていますので、その点には注意が必要です。

加えて、「免責不許可事由」という破産をしても免責の効果が生じない条件が法律によって定められています。

たとえば、ギャンブル等の浪費によって借金ができてしまった場合は免責不許可事由にあたります。

ただ、この場合であっても、深い反省や生活再建への強い意欲があると裁判所に判断されれば、裁判所が免責をするという判断をすることがあります。

これを「裁量免責」といいます。

#3:個人再生

個人再生とは、借金返済が困難になった人が、裁判所から借金を一定の割合に圧縮した再生計画の認可決定を受け、再生計画どおりに返済を終えることを条件に、残りの借金を免除してもらうという手続です。

個人再生の場合は、自己破産の場合とは異なり、返済自体が免除されるわけではないことに注意が必要です。

個人再生の最大の特徴は、住宅等の財産価値の高いものはすべて処分しなければならない自己破産の場合とは異なり、住宅ローンを支払い続けることでマイホームを手元に残しておける「住宅資金特別条項」というものを使うことができる点です。

さらに、自己破産の場合は、浪費やギャンブルが原因で生じた債務は免責の対象とはなりませんが、個人再生の場合は浪費やギャンブルによって生じた債務についても圧縮の対象とすることができます。

任意整理が難しい方の中で、マイホームを残したい方、裁量免責を得られない程の免責不許可事由がある方に向いた手続です。

(3)弁護士に相談する

債務整理をしたいとお考えの方や、ご自身が債務整理をしないといけないのか不安に思った方は、弁護士にご相談ください。

弁護士は相談者の収入状況やリボ払いの利用残高などを考慮し、どのような方法を採ればよいか、アドバイスをします。

また、相談のうえ債務整理をする場合は手続をすべて弁護士に任せられるというメリットもあります。

弁護士に相談、依頼することで、必要な手続をすべて任せられるうえ、何か問題が発生してもその都度対応できるので、最小限の負担で解決できるのです。

さらに、債務整理を弁護士に依頼した場合、カード会社等からの督促を止めることができます。

生活の平穏を取り戻すことにより、生活再建を早期に図ることができます。

まとめ

リボ払いは頼りすぎると借金を増大させてしまう返済方法です。

リボ払いの注意すべきポイントは、年利15%ほどの手数料がかかっている点、月々の返済額が定額で抑えられているものの分割回数は多くかかる点、収支のバランスがつりあっているかが利用者にとってわからない点など複数あります。

リボ払いを多用しなければ借金が払えないという方は、債務整理を検討しなければならない可能性が高いです。

複数のカード会社でリボ払いをしているという方の中には、気付いたときには自己破産しか選択の余地がないという方も少なくありません。

債務整理は、早めにご相談いただく程、とれる選択肢は多いですので、一人で悩まず弁護士に相談することが大切です。

弁護士法人みずきでは、借金に関するお悩みを数多く承ってきました。

ご相談者さまの状況を考慮して最善の結果が得られるよう尽力しますので、リボ払いが払えないとお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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執筆者 実成 圭司 弁護士

所属 第二東京弁護士会

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