無職でも借金を返済できるのか?返済途中で職を失った場合の対応も解説

執筆者 実成 圭司 弁護士

所属 第二東京弁護士会

皆さまのご相談内容を丁寧にお聞きすることが、より的確な法的サポートにつながります。会話を重ねながら、問題解決に向けて前進しましょう。

「借金を抱えているのに職を失ってしまったが、これからどうやって返済していけばいいのかわからない」

返済できると思って借金をしたのに、途中で収入が見込めなくなると借りたお金を返済できるのか不安になりますよね。

一般的に無職の場合は安定した収入が見込めないため、新しく借金をすることは難しいですが、在職中に借り入れたお金を返済していくことは十分可能です。

この記事では無職の人がお金を借りる際の高いハードルと、返済途中で無職になってしまった場合の対処方法についてご紹介します。

1.無職の状態で新たに借金をするのは難しい

無職の方が新しく借金をするのは大変難しいのが現状です。

ここからは無職の状態で借入時の審査を通過するのが難しい理由と、無職でも借入が可能と謳う貸金業者が危険な理由についてご説明します。

(1)無収入の場合は審査に通るのは難しい

無職の人が新しく借金ができない最たる理由は、収入がないという点です。

お金を貸す側の金融機関は審査用紙に記入された職業や年収、信用情報機関に登録された履歴から、借金を申し込んだ人の返済能力がどのくらいあるかを判断しています。

そのため無職で安定した収入がない人は返済能力が低いと捉えられるため、金融機関は貸したお金の回収ができないことを危惧して借入を許可しないのが一般的です。

ただし無職の場合であっても、不動産所得・配当所得などがあれば例外的に借りられる場合もあります。

(2)無職でもお金を貸してくれる金融機関は危ない

無職の場合は借入時の審査に通らないと前述しましたが、世の中には「無職であってもお金を融資する」と謳う貸金業者もあります。

ただし、法律に則って貸金業を営む会社は無職の方に融資することはほとんどありません。

無収入でも融資するという業者は金融庁に届け出を出さずに営業する悪徳業者(いわゆる闇金)である可能性があると言えるでしょう。

無職のときに借り入れを行おうとしている方は、借り入れを行う業者が問題ないかどうかを見極めるために、まずは弁護士に相談されることをおすすめします。

2.借金の返済途中で無職になった場合の対応

返済の途中で無職となってしまった場合は、仕事を見つけることにより返済を継続することが考えられます。

しかし、仕事が中々見つけられない場合、借金を返済することが難しいと思います。

その場合は、弁護士に依頼した上で、債務整理手続を行うべきでしょう。

債務整理とは、債権者と借金の減額や免除、支払い方法の交渉等を行う手続の総称をいいます。

代表的なものとしては、任意整理手続、自己破産手続、個人再生手続があります。

詳しい手続きの内容は、別の記事に譲りますが、無職になった場合は、自己破産手続をとることが多いと思われるため、以下、自己破産手続について解説します。

(1)自己破産手続とは?

自己破産とは、裁判所に、借金を返済することができないこと(「支払不能」といいます。)を認めてもらうことで、借金の免除(「免責」といいます。)の効果を得ることができる手続をいいます。

支払不能かどうかは、資産や収入等から判断することとなるため、収入を得られず返済が難しい状態にあり、目ぼしい資産もない場合は、支払不能に当たる可能性が高いといえるでしょう。

(2)自己破産手続のメリット

自己破産のメリットは、まさしく上記の免責を得ることにあります。

これは、債務整理後の返済継続を前提とする任意整理手続及び個人再生手続にはない、自己破産だけのメリットだといえます。

ただし、税金、養育費等の一部の債権については、免責の効果を得ることができない(自己破産をしても無くならない)ことに注意してください。

(3)自己破産手続のデメリット

自己破産のデメリットとしては、①処分可能な資産については、処分しなければならない、②警備員等、一部自己破産をすることができない職種がある、③官報に名前等が載るため、他人へ発覚しないとはいえないことが挙げられます。

具体的には、例えば、①については、生命保険に加入している場合、解約返戻金が20万円以上の場合は、原則として解約した上で、その解約返戻金を各債権者への配当に回さなければいけません。

自動車についても処分が必要ですが、古い自動車については、処分せずに使うことが許される場合が多いでしょう。

また、③については、官報に名前が掲載されることになります。

官報は、通常、隅々まで名前を見ている人はいないと思いますが、昨今、官報に掲載された破産者を検索するシステムが作られることがあり(これは違法です。)、そのようなことにより、思わず知り合いに発覚してしまうおそれがあります。

自己破産のデメリットとしては、これらのことが挙げられるでしょう。

まとめ

この記事では無職の人がお金を借りる際の高いハードルと、返済途中で無職になってしまった場合の対処方法についてご説明しました。

無職・無収入の場合は返済能力が低いとみなされるため新しい借入は難しいといえます。

返済途中で収入がなくなった場合は、仕事を探すことのほか、債務整理手続(自己破産の場合が多いと思います。)を行うことになるでしょう。

自己破産手続は、裁判所に申し立てを行うことが必要なため、経験豊富な弁護士に依頼することが必要でしょう。

弁護士法人みずきでは債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)に関わるご相談には無料で対応しておりますので、無収入の状態で借金の返済にお困りの方はぜひお話を聞かせてください。

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執筆者 実成 圭司 弁護士

所属 第二東京弁護士会

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