交通事故のあと加害者から電話が来た場合の注意点と対処法を解説

執筆者 野沢 大樹 弁護士

所属 栃木県弁護士会

私は、法律とは、人と人との間の紛争、個人に生じた問題を解決するために作られたツールの一つだと考えます。法律を使って紛争や問題を解決するお手伝いをさせていただければと思いますので、ぜひご相談ください。

「交通事故に遭い加害者から電話がかかってきたけどどう対応すればいいの?」

交通事故の被害者になった時、心身ともに追い込まれた状態になると、感情的になってしまうものです。

対応を誤ると不利益を被ることもあるので、加害者から突然電話があり話をしなければならなくなったときには冷静に対処する必要があります。

この記事では交通事故に遭ってしまったあと、加害者からの連絡があった際に気を付けるべき点や交渉を弁護士に依頼するメリットについてご説明します。

1.加害者と電話をする際に気を付けるべきこと

交通事故の加害者と話をする時は、以下の三つの点に注意しましょう。

  1. 感情的にならない
  2. 話の内容が理解できない場合は返答しない
  3. 加害者に謝罪を強要しない

具体的にご説明します。

(1)感情的にならない

交通事故の加害者と話をする際は、感情的にならないようにしましょう。

一方が感情的になると、つい相手も防衛反応から怒りを感じてしまい、話合いにならなくなってしまいます。

また、話合いの際に一方的に強い言葉を使ってしまうと、相手に脅迫と取られてしまうリスクもあります。

交通事故の被害者の方は、加害者と話をすることになっても冷静さを保つようにしましょう。

(2)話の内容が理解できない場合は返答しない

加害者側任意保険会社の担当者と話をする際は、返答に十分注意してください。

保険会社側は専門用語を多用し、被害者を丸め込んで支払金額を抑えようとすることがあります。

言葉の意味を理解せずになんとなく返事をして話を進めていると、意図しない方向に話がまとまってしまい、本来受け取れるはずの賠償を受けられなくなってしまうことがあります。

相手の話がわからない場合には検討させてもらう、と答えるにとどめ、回答を保留してから専門家に相談しましょう。

(3)加害者に謝罪を強要しない

加害者と話をする際に、怒りのあまり相手に謝罪を強要したり、賠償金の支払いを強く求めたりするのはやめましょう。

被害に遭われた方が相手に謝罪を求めたい気持ちは当然ですし、加害者の中には反省もなく、言い訳や賠償額の減額を求めるような人もいます。

しかし、相手自身や家族の生命・身体に害を与えるようなことを言ってしまえば脅迫になりますし、過剰な勢いで賠償請求をしてしまうと恐喝に該当してしまう可能性もあります。

相手から訴えられたり、警察を呼ばれたりする危険性もあるので、無闇に加害者に対して過激な言動をしないようにしましょう。

2.交通事故の加害者との電話でよくある悩み

交通事故の加害者との電話で、よくある悩みを四つご紹介します。

  1. 加害者側の保険会社からの高圧的な態度がストレスになる
  2. 保険会社が専門用語を多用するため交渉が難しい
  3. 賠償金を減額するように要求する
  4. 治療が終わっていないのに治療費を打ち切ろうとする

具体的にご説明します。

(1)加害者側の保険会社からの高圧的な態度がストレスになる

加害者側の保険会社からの高圧的な態度がストレスになることもあります。

保険会社の担当にもよりますが、中には態度が悪く、治療費について疑念を呈してくるなど失礼な態度をとってくる人もいるでしょう。

実際に症状があって受診しているのにも関わらず、疑われたり、問い詰められたりしてストレスを感じている方も多いです。

(2)保険会社が専門用語を多用するため交渉が難しい

保険会社との電話で専門用語を多用され、交渉自体が難しい場合もあります。

保険会社の担当が相談者様を混乱させようとする意図がなくても、慣習的に使っているケースもあるでしょう。

しかし、対等に交渉することが難しければ、ご自身が望んでいる結果を得られないことが多いです。

用語がわからない場合は逐一担当者に説明を求めるようにしましょう。

(3)賠償金を減額するように要求する

加害者が賠償金の減額を求めてくるケースもあります。

相手も「できるだけお金を払いたくない」と思っているので、高圧的な態度で減額を要求してくるケースもあるでしょう。

例えば加害者が被害者側にも過失があると主張し、賠償額を減らそうとすることがあります。

納得できない場合は安易に示談に応じないようにしましょう。

(4)治療が終わっていないのに治療費を打ち切ろうとする

交通事故の被害者の治療が長引いている場合、保険会社が治療費を打ち切ろうとすることがあります。

保険会社には治療費を含めた賠償額の目安としている金額があり、治療が長引き治療費が目安の金額に近づいてくると治療費支払いの打ち切りを提案してきます。

ここで相手の要求を従ってしまうと、十分な治療を受けられないことにもなってしまいます。

治療の終了についてはあくまで専門家である医師の判断によるべきですので、保険会社が決めることではありません。

3. 交通事故の加害者への対応は弁護士に依頼

加害者からの電話などの加害者側からの連絡への対応は弁護士に任せるのがおすすめです。

  1. 加害者との交渉のストレスを軽減できる
  2. 保険会社への対応も代行できる

弁護士への依頼でどのようなメリットを得られるかをご説明します。

(1)加害者との交渉のストレスを軽減できる

弁護士を代理人に立てれば、直接加害者と話をする必要がなくなります。

仮に相手が高圧的な態度を取ってきても、ご自身で対応することがないのでそのストレスからは解放されるでしょう。

また、弁護士相手となれば加害者側も威圧的に出られなくなるケースが多いので、交渉もスムーズです。

(2)保険会社への対応も代行できる

専門用語が多く分かりづらい保険会社との交渉も、弁護士を代理人に立てられます。

裁判所基準での賠償額の計算も弁護士を通せばスムーズですし、知識と経験がある弁護士なら、保険会社との交渉も安心です。

何より相談者様が、保険会社への対応で疲弊することもなくなり、肩の荷を下ろせるのも大きなメリットでしょう。

保険担当との交渉でストレスを感じている方は、弁護士へ対応を依頼するのがおすすめです。

損害賠償額についても裁判所基準を基本とした交渉をすることができ、増額が見込めます。

まとめ

この記事では交通事故の被害者の方が加害者との電話対応で注意すべきことやよくある悩み、弁護士へ依頼するメリットをご説明しました。

事故被害だけでなく、事故後の交渉や治療と日常生活の兼ね合いで精神的・身体的に疲弊してしまう方は多いです。

専門知識を持った弁護士であれば、加害者・保険会社との交渉の代行や細かなサポートを行い、適切な賠償額や後遺障害の認定ができます。

個人で保険会社や加害者との対応を行うことはせず、専門知識を持つ弁護士に依頼することをおすすめします。

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執筆者 野沢 大樹 弁護士

所属 栃木県弁護士会

私は、法律とは、人と人との間の紛争、個人に生じた問題を解決するために作られたツールの一つだと考えます。法律を使って紛争や問題を解決するお手伝いをさせていただければと思いますので、ぜひご相談ください。