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建設業法における下請代金の支払期日、方法についての規制

建設業界の下請契約においては、元請負人の経済事情等を理由にして、注文者から支払われた工事代金を下請負人への支払にあてることなく他に転用するなどして、支払を保留し、下請負人を不当に圧迫するような不公正な取引が行なわれることがありました。
そこで、建設業法は、不公正な取引を排除するための法規制をしています。以下では、問題になりやすい建設業法における下請代金の支払期日について、解説していくことにします。


建設業法による下請代金の支払期日、方法に関する規制

1 全ての元請負人に対する規制



(1)下請代金は1ヶ月以内に支払わなければならない

建設業法は、注文者から請負代金の出来高払又は竣工払いを受けたとき、元請負人は支払の対象となった工事を施工した下請負人に対して、施工に相当する下請代金を1ヶ月以内に支払わなければならないと規制しています。1ヶ月以内というのは、建設業界の慣習を踏まえているものにすぎませんので、できる限り短い期間に支払わなければならないとされています。
本来、下請代金の支払は、元請負人と下請負人との両当事者の合意で決めるものですが、上記のとおり元請負人が支払いを保留することを防止するためにこのような規制を設けています。そのため、この規制は、契約に優先するものです。

もし、契約に何も定めていない場合でも、1ヶ月以内に支払をしなければなりません。また、1ヶ月よりも長い期間となる契約は無効となりますので、この規制にしたがい、元請負人は支払をしなければなりません。
1ヶ月の期間を過ぎると、損害賠償として遅れた分の年率6%か契約で定めている利率のどちらか高い方の利息(「遅延利息」といいます。)が発生し、元請負人は遅延利息も支払わなければなりません。
元請負人は、独占禁止法の「事業者」に該当します。そのため、1ヶ月以内の支払をしないと、独占禁止法により、公正取引委員会による処分を受ける可能性があります


(2)前払金の支払を受けた場合の下請代金の支払

建設工事においては、請負人に、資材の調達や人件費などで請負人に多額の負担が一時的に生じます。そのため、発注者から前払金が支払われることが一般的な慣行となっています。そのため、建設業法は、発注者から前払金の支払を受けたときは、元請負人は、下請負人に対して資材の購入、労働者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うような適切な配慮をしなければならないとしています。
もっともこれは、努力義務とされており、これに違反することによって何らかのペナルティーを受けることはないと考えられています。


2 特定建設業者に対する規制



(1)特定建設業者は、申出のあった日から50日以内に請負代金を支払わなければならない

建設業法は、注文者から請負代金の出来高払又は竣工払いを受けたとき、元請負人は支払の対象となった工事を施工した下請負人に対して、施工に相当する下請代金を1ヶ月以内に支払わなければならないと規制しています。1ヶ月以内というのは、建設業界の慣習を踏まえているものにすぎませんので、できる限り短い期間に支払わなければならないとされています。
本来、下請代金の支払は、元請負人と下請負人との両当事者の合意で決めるものですが、上記のとおり元請負人が支払いを保留することを防止するためにこのような規制を設けています。そのため、この規制は、契約に優先するものです。

もし、契約に何も定めていない場合でも、1ヶ月以内に支払をしなければなりません。また、1ヶ月よりも長い期間となる契約は無効となりますので、この規制にしたがい、元請負人は支払をしなければなりません。
1ヶ月の期間を過ぎると、損害賠償として遅れた分の年率6%か契約で定めている利率のどちらか高い方の利息(「遅延利息」といいます。)が発生し、元請負人は遅延利息も支払わなければなりません。
元請負人は、独占禁止法の「事業者」に該当します。そのため、1ヶ月以内の支払をしないと、独占禁止法により、公正取引委員会による処分を受ける可能性があります


(2)特定建設業者は、割引を受けることが困難であると認められる手形により下請代金を支払ってはいけない

特定建設業者は、下請代金の支払いを一般の金融機関による割引(簡単にいうと満期日前の現金化)を受けることが困難と認められる手形により行なってはなりません。

下請代金の支払は原則として現金で行なわれるべきですが、一般の商慣習においては手形による支払が多いことも周知のとおりです。
支払期日までに割引を受けることが困難と認められる手形、すなわち、現金化をすることが難しい手形については、現金払と同等の効果が期待できませんので、下請負人の利益保護のため、その交付を禁じているのです。
割引を受けることが困難であると認められる手形に当たるかどうかは、そのときの金融情勢、金融慣行、元請負人・下請負人の信用度等の事情並びに手形の支払い期間を総合的に勘案して判断することが必要ですが、手形期間は120日以内でできるだけ短い期間とすることが重要です。
この規制の対象は、元請負人が特定建設業者であり、資本金4,000万円未満の一般建設業者に対して、工事を下請けした場合の支払に適用されます。

今回は、トラブルが生じやすい建設業における下請代金の支払期日及び方法という点について、簡単に説明をいたしました。元請負人となられる建設業者で契約書の内容に迷われている方々、実際に下請負代金の支払で不利益を受けている下請業者の方々は、いち早く弁護士に相談されることをおすすめいたします。



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