ライセンス契約の成立に関する問題

被害者に有利な形で示談交渉を進められる

ソフトウェアライセンス契約において、紙面の契約書を用いない場合に、契約の成立時期につき争いが生じることがあります。

1.シュリンク・ラップ契約

市販のソフトウェア・システムの外箱等に、規約自体、開封により規約へ同意したものとみなされる旨が記載され、外箱等を開封したと同時に契約が成立する形式を、シュリンク・ラップ契約と呼びます。

シュリンク・ラップ契約の成立には、ユーザーが規約の内容を理解して同意したといえる程度の客観的な事情が必要であり、製品化にあたって、以下の事情に留意する必要があります。

  • ソフトウェアライセンス契約に関する表示を外箱の包装またはシールに施すこと
  • ユーザーが容易に認識できる場所に、規約を記載すること

2.クリック・オン契約

ソフトウェア・システムのインストール時に、モニターに規約を表示させて、ユーザーが同意ボタンを押すことで契約が成立する形式を、クリック・オン契約と呼びます。

モニター表示の策定にあたって、以下の事情に留意する必要があります。

  • ユーザーがモニター上で容易に認識できる場所に、規約の全文を表示すること
  • 同意を求める画面や同意ボタンを他の画面やボタンと明確に区別すること