会社の破産手続の流れ
■Step1 ご相談・ご依頼
弁護士が、会社の現在の資産、負債状況などを伺い、破産の申立をすることができるか、破産のタイミング、破産手続の内容、見通し、手続に必要な費用等をご案内します。
相談の結果、弁護士に依頼することになった場合は、弁護士との間で契約をすることになります。
■Step2 債権者に受任通知を送付
弁護士にご依頼をされると、弁護士から債権者に対して受任通知というものを発送します。
受任通知の発送以後、債権者とのやり取り窓口は法律事務所が行うことになり、債権者から会社への請求はなくなります。
また、依頼者の方(会社の代表者)に、債権者から連絡がくることもなくなります。
※状況に応じて受任通知を出す前に破産手続申立てを先行するケースもあります。
■Step3 申立
破産手続は、債権者もしくは債務者が管轄の裁判所に書面で申立をする事により開始します。
裁判所は、申立書を受理すると、内容を確認し、支払ができなくなった状況などについての質問する「債務者審尋」を行うことになります。
しかし、裁判所によってはほとんどこの審尋を実施せず、裁判所が申立代理人弁護士と面談するだけで破産手続の開始決定に進むという運用をしていることが多いです。
■Step4 保全処分
破産手続開始の申立から破産手続開始決定までの間、一部の債権者の強制執行等により財産が散逸することを防ぐ必要がある場合に行われる手続です。
■Step5 破産手続開始決定・破産管財人選任
裁判所が破産手続の開始の決定を出します。
開始決定が出ると、破産手続の終結があったことが官報に掲載されます。
また、裁判所は破産管財人を選任します。
破産管財人は通常弁護士です。
中立的な立場が求められるため申立代理人とは別の弁護士が選任されます。
破産管財人は、会社の財産を管理、金銭に換える、債権者の配当を行なう役割を担います。
破産管財人は、まず申立書類を精査し、書面からは分かりにくい事情などを申立人らに聴取します。
この聴取は対面による打合せで行われることが多いです。
打合せには、申立代理人である弁護士だけでなく、依頼者(会社の代表者)も出席する必要があります。
■Step6 債権届出・調査、破産財団の換価
開始決定後、債権者は定められた期間内に破産債権届出書を管財人へ提出します。
破産管財人は届出のあった破産債権を調査し、確定を行います。
また、破産財団の換価(換金)を裁判所と連携して行います。
破産財団の劣化を防ぐだけでなく、増殖に資するよう、時期を見た速やかな換価手続が求められます。
■Step7 債権者集会
破産手続開始決定から数か月後(3か月程度後)に裁判所で開かれます。
債権者集会では、破産管財人から債権者に対し、破産に至った事情や会社の資産状況などについての報告が行なわれます。
裁判官、破産管財人、依頼者、申立代理人弁護士が出席します。
集会は、10分程度で終わります。
債権者の出席が可能ですが、債権者が債権者集会に出席することはほとんどありません。
第1回の債権者集会で終了することも少なくありませんが、そこまでに全ての管財業務が終わらなかった場合に、第2回以降の期日が定められ、手続きは継続することになります。
■Step8 配当
債権調査期日終了後、破産管財人は裁量により換価が終了した破産財団を債権者へ分配していきます。
配当手続は1度で終わる場合もありますが、破産財団の規模によって複数回に渡って行われる場合もあります。
■Step9 廃止決定・終結決定
配当が完全に終了した後、破産手続は裁判所による終結決定という形で終わりを迎えます。
破産財団が形成されず、配当を行うことができない場合には、異時廃止の決定により、手続は終了します。
破産手続の終結があったことが、官報に掲載されます。
会社の登記簿が閉鎖され、会社が消滅します。
会社の消滅にあわせて、会社の債務が消滅します。