解決事例

Solution

神経・精神
脊柱・体幹
頭部
4級
加重障害
【頭蓋骨骨折など】後遺障害申請で併合4級が認められた事例 (70代 男性)

事故態様 歩行者vs車

被害者は道路を徒歩で横断中、相手方車両から衝突されました。

認定された等級

併合4級
5級2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に簡易な労務以外の労務に服することができないもの
11級7号 脊柱に変形を残すもの

解決に至るまで

本件では、被害者が交通事故に遭う前から認知症との診断を受けていたため、「加重障害」がポイントとなりました。
加重障害とは、もともとあった特定の障害が、交通事故によってその障害の程度が重くなった状態を指します。
加重障害の判断は、もともとあった障害(既存障害)と、今生じている障害が「同一」であるかが判断のポイントとなります。

目次

ポイント

本件では、被害者が交通事故に遭う前から認知症との診断を受けていたため、「加重障害」がポイントとなりました。
加重障害とは、もともとあった特定の障害が、交通事故によってその障害の程度が重くなった状態を指します。
加重障害の判断は、もともとあった障害(既存障害)と、今生じている障害が「同一」であるかが判断のポイントとなります。

(1)加重障害の認定の仕方

加重障害の認定は、以下の順番で判断していきます。

① 既に抱えている障害(既存障害)が後遺障害等級にあたるか
② 既存障害と事故後に残った障害(現存障害)が同一か
③ 現存障害が後遺障害の何等級にあたるか
④ ③が①の程度を加重したといえるか

この順番で調査されたうえで加重と認められないと後遺障害「無し」と言う判断になります。

~同一の判断の仕方~
既存障害と現存障害が同一かは、「部位」と「系列」を使って判断します。
「部位」は身体の部位などのことで、10種類(眼、耳、鼻、口、神経系統の機能または精神、頭部・顔面部・頸部、外生殖器を含む胸腹部臓器、体幹、上肢、下肢)あります。
そしてその部位をさらに「欠損又は機能障害」や「変形障害」などの35種類にグループ分けしたものを「系列」といいます。既存障害と現存障害が同一だと考えられるのは以下のパターンが考えられます。
・既存障害と現存障害が 同じ部位
・    〃      別の部位だが同じ系列

(2)加重障害の賠償

自賠責保険においては、加重障害と認定されると、現時点で生じている後遺障害等級に対応する自賠責の保険金額から、事故前の障害の等級に対応する金額が差し引かれ、その限度で補償を受けることが出来ます。
さらに、加害者側の任意保険に対しては、等級に応じた後遺障害慰謝料と逸失利益(後遺障害によって労働能力が低下した場合)の請求をすることになります。

具体的には以下のように処理をします。

① 同一部位の事例

事故前 右手人差し指が動かず物がもてない(後遺障害12級)
事故後 右手人差し指の切断(後遺障害11級)
<後遺障害等級>
既存障害(示指の用を廃したもの、12級)と現存障害(示指を失ったもの、11級)が「右手人差し指」という同一部位に生じているため、11級の加重障害となります。
<自賠責保険金額>
加重障害(11級)の保険金331万円から既存障害(12級)の保険金224万円を差引いた107万円が支払われることになります。

②同一系列の事例

事故前 左足首関節の機能障害(後遺障害12級)
事故後 左ひざに重度の機能障害(後遺障害10級)
<後遺障害等級>
部位としては「左足首」と「左ひざ」なので同一とはいえません。しかし、「左足の機能障害」という点で同一系列に障害が生じたといえます。
よって、この事例では12級の既存障害と10級の現存障害が併合となり、9級の加重障害が認められます。
<自賠責保険金>
加重障害(9級)の保険金616万から既存障害(12級)の保険金224万円を差し引いた392万円が支払われることになります。

加重障害の後遺障害等級の判断は、既存障害の等級が適切か、現存障害の等級が適切かという2つのポイントをクリアしなければなりません。
そのためには、事故後だけでなく事故前の診断書や検査画像、症状によってはご家族のご協力など早い段階から多くの資料を揃え申請に備えることが必要になってきます。
資料収集、後遺障害等級認定申請、そして示談交渉、いずれも複雑な手続のため、被害者やそのご家族がこなしていくにはハードルが高いものです。
このハードルは弁護士に依頼することによって軽減することができます。
私たち弁護士は、ご依頼を受けたその瞬間から資料集めはもちろん、無事に適切な賠償を受けるまで、誠心誠意お手伝いさせていただきます。
交通事故の被害に遭われ、不安をお抱えの方は是非当事務所にご相談ください。