フランチャイズ契約締結後の契約内容の変更・新規事業の導入

フランチャイジーは、フランチャイズ契約締結後、フランチャイザーから新商品や新サービスの導入を求められることがあります。

そして、フランチャイザーという立場を利用されて、半強制的に導入要請に応じさせられる事態も実際に生じています。

しかしながら、フランチャイジーとしては、フランチャイズ契約締結時にこのような新たな商品等の導入を想定しえたでしょうか。

想定していなかったとしたら、過大な負担として、フランチャイジーの経営にとって不利益になりかねません。

また、想定し得たとしても、大きな負担が予想される場合はどうでしょうか。

果たしてフランチャイジーは、フランチャイザーからの新規導入要請にどこまで応じる必要があるのでしょうか。

契約内容の変更

通常、フランチャイズ契約上、どのような事業がフランチャイズパッケージの対象なのか、一定の定めがあるはずです。

そこで、契約内容の変更に当たるかどうかは、具体的に対象事業が列記されていればその中に含まれているかを検討し、また、包括的に定められている場合は、契約文言や取引慣行・背景、契約締結時の説明や資料などを勘案して、当該フランチャイズ契約上、フランチャイジーが取り扱うことが予定されているといえるかどうかで判断すべきと考えられます。

(1)フランチャイズ契約の内容の変更にあたる場合

フランチャイジーの同意がないと新規導入は進められません。

当初の契約外の事項を定める場合は、別途、それに関する新たな合意内容が形成されなければならないからです。

したがって、フランチャイジーの同意が必要ですし、同意を強制することはできません。

もし、フランチャイザーが、フランチャイジーの同意もなく導入を強制的に進めたり、また、不利益をかざしながら同意を強制したりすれば、優越的地位の濫用(独占禁止法2条9項5号)(※)に当たるとして、公序良俗違反(民法90条)により無効であるとされる場合が考えられます。

(2)契約内容の変更に当たらない場合

フランチャイジーの同意は不要です。

もっとも、どのような商品又はサービスであっても、無制限に認められるといえるかは慎重な検討が必要ではないかと考えられます。

例えば、契約上予定されていると考えられたとしても、新規導入によるフランチャイジーが負うコストや得られる利益などの比較考量によっては、フランチャイズという統一的ブランドイメージのためという理由で強要されて良いかという問題点はあるのではないかと考えます。

まとめ

もし、フランチャイザーから契約内容の変更に当たるような新規商品等の導入を拒み続けたことで、他の商品供給等を遮断されたり、契約解除をされた場合は、フランチャイジーとしてはフランチャイザーのそのような対応について、債務不履行を問うて損害賠償請求を行ったり、契約解除の無効を主張していくことが考えられます。

新たな事業・サービスを追加したいが、当初のフランチャイズ契約上、どのように扱えばよいか悩まれているフランチャイザーの方、また、フランチャイジーから新商品等の導入を求められている方や拒んだことで不利益な対応をされてしまった方は、一度、当事務所の弁護士にご相談ください。適切な対応方法をアドバイス致します。