遺産分割協議書と遺産分割協議証明書について

1.遺産分割協議書と遺産分割協議証明書

共同相続人間で話し合って、遺産の分け方が決まった場合、その合意は、わざわざ書面に残さなくても法律上有効です。

しかし、どのような合意が成立したのかを明らかにして、後々争いとなることを防止するためには、書面を作成しておいたほうが安全です。

このように遺産分割協議で決まった遺産の分け方について、その内容を書面で残しておく方法として、「遺産分割協議書」と「遺産分割協議証明書」があります。

2.遺産分割協議書

遺産分割協議の内容を残しておく最もポピュラーな方法です。

遺産分割協議書は、以下のように、1つの遺産分割協議書に共同相続人全員の署名と押印を行います。

遺族が一堂に会して、署名押印をすることができる場合には、その場で作成できますね。

もちろん、順番に、署名押印しては次の共同相続人に郵送していく形で持ち回りの作成もできます。

ただ、共同相続人が遠方に住んでいる場合などは、1つの遺産分割協議書が出来上がるまでに大変な手間と時間がかかってしまいます。

また、途中で紛失してしまった場合には、また一から署名押印のし直しが必要となってしまいます。

遺産分割協議書

被相続人○○(平成○年○月○日死亡、本籍地○県○市○町○丁目○番地)の共同相続人である妻●●、長女▲▲及び長男■■の3名は、本日、遺産分割協議を行い次のとおり合意した。

~~~

以上の遺産分割協議の合意を証するため、本書3通を作成し、各相続人が署名押印のうえ、各自1通を所持するものとする。

平成△年△月△日

住所 ●県●市●町●丁目●番●号
氏名 ●● ●● 印
住所 ▲県▲市▲町▲丁目▲番▲号
氏名 ●● ●● 印
住所 ■県■市■町■丁目■番■号
氏名 ■■ ■■ 印

3.遺産分割協議証明書

その点、便利なものが、遺産分割協議証明書です。

遺産分割協議証明書は、遺産分割協議で決まった遺産の分け方について、相続人の1人1人が証明するものです。

したがって、1人の署名押印で、その1つの遺産分割協議証明書として完成します。

そして、全ての共同相続人の遺産分割協議証明書が揃った段階で、遺産分割協議書を作成したのと同じ状態となるのです。

遺産分割協議証明書には、以下のように、各相続人が遺産分割協議で決まった遺産の分け方全体について証明するタイプと、自分が取得した分の遺産について証明するタイプのものがあります。

(1)遺産の分け方全体について証明するタイプ

遺産分割協議書

被相続人○○(平成○年○月○日死亡、本籍地○県○市○町○丁目○番地)の死亡により開始した相続につき、共同相続人である妻●●、長女▲▲及び長男■■の3名が、平成△年△月△日、遺産分割協議を行い次のとおり合意したことを証明する。

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平成●年●月●日

住所 ●県●市●町●丁目●番●号
氏名 ●● ●● 印

(2)自分が取得した分の遺産について証明するタイプ

遺産分割協議書

被相続人○○(平成○年○月○日死亡、本籍地○県○市○町○丁目○番地)の死亡により開始した相続につき、共同相続人である妻●●、長女▲▲及び長男■■の3名が、平成△年△月△日、遺産分割協議を行い、以下の財産を●●が取得したことを証明する。

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平成●年●月●日

住所 ●県●市●町●丁目●番●号
氏名 ●● ●● 印

まとめ

遺産分割協議書も遺産分割協議証明書も、協議でまとまった内容を明確に残しておき、後々の紛争を防ぐために重要な書類です。

また、相続に伴う登記、預貯金、証券や自動車の名義変更、相続税等の手続に関し、提出を要求されるものでもあるので、作成の際には、きちんと弁護士等の専門家に相談し、作成依頼やチェックをしてもらうことをおススメします。