不動産に関する各種法律問題

建物明渡し ~裁判・執行~

期間

訴訟提起に至る事案は、賃料未払いが3~6ヶ月継続し、賃借人が任意交渉に応じないケースが多いです。このようなケースでは、訴訟期日においても賃借人の出廷は見込めないため、裁判所に対し、1回の訴訟期日での終結を求めます。最短で、訴え提起から判決まで、約2ヶ月となります。
賃借人が、信頼関係の破壊や正当事由がないことを争う場合は、6ヶ月から1年の期間を要します。


信頼関係の破壊

賃借人が、信頼関係の破壊を争う場合、賃料の未払いに至る経過、未払い期間、建物の利用状況など、具体的な事情を早期に主張します。


正当事由

賃借人が、正当事由を争う場合、賃貸人が建物使用を必要とする事情、従前の経過、建物の利用状況、立退料支払いの余地など、具体的な事情を早期に主張します。

強制執行申立てから明渡し断行まで(執行)


強制執行が必要になる場合

実際に賃借人又はその関係者が、建物に居座り続けるため、強制執行に至るというケースは稀で、賃借人は姿を消して室内に賃借人の物が放置されているため、強制執行に至るというケースが多いです。
賃借人の物が放置してある状態を解消できないときには、建物を明け渡すよう判決があっても自力で処分してしまってはいけません。最後まで適正な手続に則って、建物の明渡しを実現することになります。


強制執行が必要になる場合

(①から④までの期間は、最短で約2ヶ月となります。)


①強制執行の申立て

建物の所在する裁判所に対して、強制執行の申立てを行います。申立てに必要な判決・執行文・送達証明書を準備します。


②執行官、執行補助者との打合せ

強制執行の申立て後、執行官、執行補助者と打合せをします。執行官とは、催告期日の設定、鍵の所在など現地の状況に関する申し送り、催告期日から断行日設定までの流れを打合せます。
執行補助者は、室内に放置された賃借人の物を搬出、保管、処分する業者です。オーナー様において、執行補助者の手配が難しい場合は、こちらで手配します。


③催告期日

・立会人
催告期日では、立会人が必要になります。立会人は利害関係のないお立場の方に協力を依頼することをお勧めします。

・引渡し期限の設定
催告期日では、1ヵ月後の引渡し期限を定め、賃借人に対し建物の明渡しを催告します。現地に賃借人がいない場合、現実に口頭や書面を見せて告げるのではなく、催告書を差し置くこと(壁や扉に貼り付ける。)で、執行官は賃借人に催告をしたという取り扱いにします。

・断行日の設定
断行日とは、実際に賃借人が放置した物を搬出し、建物の明渡しを実現する日をいいます。引渡し期限の数日前に設定されるのが通常です。断行日は、公示書を差し置くこと(壁や扉に貼り付ける。)ことで、第三者にもわかるようにします。

・占有関係等調査
催告期日には、執行官による建物の占有関係等の調査が行われます。郵便物や各種書類、表彰状など、賃借人の名前が記載されたものを確認し、実際に賃借人の占有が及んでいること、賃借人の物が放置されている範囲を、執行官が確認します。
このとき、執行官は、放置されている物を確認し、搬出の上保管する物と処分する物を選別します。新品同様の価値が見込まれる物以外は、ほとんどが処分の対象になるものと理解して良いでしょう。


④断行日

断行日にも、立会人が必要になります。催告期日と同様に、利害関係のないお立場の方に協力を依頼することをお勧めします。断行日には、履行補助者に放置された物の搬出、保管、処分をしてもらいます。保管することとなった物は、執行官が指定する保管場所に約1ヶ月保管されますが、賃借人が引き取らない場合は、売却又は処分されることになります。
断行日の最後には、鍵の付け替えをします。これにて建物の明渡しが完了することになります。

土地明渡しの場合

土地明渡しの場合、建物の解体が必要になります。
建物の解体は、履行補助者の提供する解体費用の見積りの適正さを、裁判所に対し報告します。養生費、重機回送、資材等運搬費、内部造作、家屋解体、基礎解体及びその他工事について、必要になる範囲や単価の相当性を報告書にまとめますので、事前にご相談下さい。
また、土地明渡しの場合は、引渡し期限の約2週間前に解体に着手し、引渡し期限に解体が完了し、更地の明渡しを受けるという流れが一般的です。


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